■12AU7/5814A/5963 コントロール・アンプ
 
 今回は、今年の6月に製作した、最も新しいコントロール・アンプを紹介します。まずはアンプの姿から。リード社のユニバーサル・ケースのLHシリーズの中からLH-4(W220×H130×D220)に組み込んだ非常にコンパクトなコントロール・アンプです。
前面パネルは電源スイッチと左右のボリュームだけです。
 写真でお分かりのとおり、トーン・コントロールは勿論、入力セレクトも一切無しのシンプルなものとなっています。3系統程度の入力セレクトを予定していましたが、その都度、ピンを換えればいいことと、よけいな配線でハムを出したくなかったため、単純な回路としました。
 
イメージ 1
 
イメージ 2
 
 シンプルな回路なので、ケースの背面もこんな感じでスッキリしています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
イメージ 3ケースの中は、これだけです。
真空管のシールドケースがなかったので薄い銅板を真空管に囲んでアースしただけの簡易シールドです。
ボリュームが見えますが、ここにも銅板で隠して簡易シールドをしていますが、写真撮影のため、外してあります。
電源トランスは、出来るだけ入力側から離して取付ます。
電源トランスは、シールド無しのいわゆる「並四トランス」これで十分。
しかも半波整流、回路のところで述べますが、高価な磁気シールド付きの電源トランスでなくても、この程度のアンプでしたら、これでノーハムです。この程度の部品と回路でハムが出るとすれば、もっと複雑なコントロール・アンプやプリ・アンプは組むことが出来ないでしょう。
 
イメージ 4
 シャーシ裏の配線の様子です。
電源部が全体の2/3を占めています。
また、低雑音用抵抗等もイコライザ回路ではないので今回は、一切使用していません。全て安価な酸化金属皮膜抵抗で2W以上のものを使用しています。マニアの方から見たら「なんだこんな安物の抵抗を使って・・・・こんなんじゃいい音なんか出ないぞ~」 という声がきこえてきそうです・・・・が、私の腐った耳では抵抗の種類の違いによる「音の良い、悪い」は、この程度のアンプでは、ほとんど区別がつきません。
 
■回路について
 
 回路は末尾の回路図のとおりで、片チャンネル12AU7(このアンプでは5963を使用)1本だけのシンプルな回路、低周波増幅1段の直結によるカソードホロワー出力。たったそれだけです。
 普通はカソード抵抗にパスコンを付けますが、コントロール・アンプとしては感度が高すぎるので、パスコンは無しにしてゲインを下げています。さらに入力電圧が高い場合は、入力で220KΩを通してからボリュームへと、2種類の入力端子を付けました。
出力に付けたコンデンサは、壊したアンプから2種類のコンデンサをパラで付けたものです.。
電源部ですが、プリ・アンプで良く見られるB電源の定電圧回路などは全く無し。しかも前述のように磁気シールド無しの並四トランスで、整流は半波(片波)整流です。整流後の平滑コンデンサも合計で200μF、もの凄い容量ではありません。個人的には、整流も真空管で5MK9を使用したかったのですが、持ち合わせがなかったことと、5MK9のヒーター規格が0.6Aなのに対し、このトランスでは0.5Aと少々不足なので採用せず、シリコンダイオード1本だけの整流です。
  カソードホロワー部のカソード電圧が100Vと高くなるため、この回路では37Vのヒーター・バイアスをかけています。
これで、ハムはフルボリュームにしても全くの「ノーハム」です。
 
■回路図です。
 
イメージ 5
 
このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
 
12AU7や、その同等管(5814、5963など)は、意外と馬力があります。
そのためか、古典管のメイン・アンプなどでも、コントロール・アンプをとおした方が音の芯もしっかりするような気がします。
 
【参考作品】
 
こちらのコントロールアンプは、増幅は全くしない0dBアンプ。
6AR5/6AQ5兼用の出力管の3極管接続による、カソードホロワー回路のみのコントロール・アンプです。
よほどメイン・アンプのゲインが低くない限り、このような単純な回路でも、カソードホロワーなので、出力インピーダンスも低くなり、しかも出力管なので、音もしっかりしているように感じます。十分実用になります。
このコントロール・アンプもリード社のケースLH-4に組み込んだものです。
かなり前の作品ですが、昨年メンテナンスしました。こちらの回路図は下記のとおりです。(写真を末尾に追加しました)
そのうち、トランス出力によるコントロール・アンプをつくるつもりです。
 
イメージ 6
 このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
 
  ・・・・・6AR5/6AQ5兼用コントロール・アンプ・・・・・
イメージ 7
 
 外観は前記の12AU7コントロール・アンプと同じですが、こちらは2系統の入力切替用のトグルスイッチを付けています。大きさは同じです。
また、レタリングシートで文字も入れています。
 
【参考記事】
 同じ書庫内に下記のプリアンプの記事があります。
画面の下に確認できないときは下記のアドレスをクリックすれば直接
記事に繋がります。
 
■CR型イコライザー・アンプ (2台分)
 
12AX7A ― 12AU7A プリアンプ(NF型イコライザー回路採用)
 
では、今日は、このへんで・・・・・HIROちゃんでした。