71Aシングル・アンプが完成しました。(2014/08/29)
(71A/12A コンパチブル・シングル・アンプ)
老朽化で壊したアンプ

昨日(8/28)、に紹介したとおり、30年位前に作った右の写真の71Aシングル・アンプの老朽化が目立ってきたために、全て壊し、全面的にリニュアル(作り直し)をすることになり、今日の16時ころに完成しました。 前回のブログで紹介したとおり、シャーシの手術?でMT管用の穴を塞ぎ、新たにオールST管のアンプに再び蘇りました。
しかも、今回は、12Aも使用可能な71A/12Aコンパチブル・シングル・アンプとしました。
シャーシの加工、修復は昨日までに終わっていたので、今日1日で、一気に配線を全て行いました。完成後、細部の電圧等の調整を予定していましたが、ほぼ設計とおりに仕上がり、調整は必要ないようです。
出来あがった、NEW 71Aシングル・アンプの姿がコレ!
とても30年前のアンプのリニュアル(作り直し)とは思えない仕上がりだと思いますが、いかがでしょうか・・・・・。


トランス類は全て再塗装、シャーシは、ボンネット付きリード社のMK-300。(再利用)
6AV6を使用していたMT管用の穴も、見事?に手術?で消えました。
シャーシも再塗装し、全て配線も、はじめからやり直しです。1日で全ての配線作業が終了です。

シャーシ裏の全体の配線の様子は、こんな感じです。
右上の緑のトグルスイッチは、71A/12AのB電源切替スイッチ、スピーカー端子の間にあるトグルスイッチは2次側8Ωと、
4Ωの切替で、8Ωのスピーカー負荷で、8Ω端子接続では、
71A用として1次側Zp=4KΩ、4Ω切替では、12A用で見かけ上、1次側をZp=8KΩとします。

電源部を除いたアンプ部の配線の様子が右の写真です。
長年、アンプを作っていても配線テクニックは、この程度で、さっぱり上達しません。
この程度のシングル・アンプならば回路図も何も全く見ないで配線出来るので、一気に作業を行います。なので何日もかけての作業は、ほとんどしません。
■使用部品と回路等について
(1)使用部品
使用部品は、出来るだけ旧アンプの部品を流用しました。シャーシ、トランス類等は、そのまま再利用、配線コードも、出来るだけ別のアンプの残骸からと、再利用ですが、抵抗およびコンデンサについては一部、家にあったありあわせのストック品の新品を使用しました。
そのために、あらためて購入した部品等は、ありません。
(2)ドライバー管と回路等について
回路図は、末尾に示しますが、MT管のドライバーからオールST管仕様にあたって、ドライバー管を何にするか迷いました。71Aということを考えれば、トップグリッドの高μ管の2A6や75、あるいは5極管の77等の使用も考えましたが、2A6は2.5V管で、しかも持っていない球。77はありますが、3極管でドライブしたい。。。
そこで当初は75の使用を考えましたが、他のアンプで使用していて、予備球もあまりないので、3極部の電気的特性が同じ、ラジオ用の6Z-DH3Aを使用することにしました。これなら予備球も結構あります。
6Z-DH3Aは、マニアの中には大量生産のラジオ用でオーディオでは、「カサカサ・・・コソコソ」などのノイズが多く全く使い物にならない・・・・とおっしゃる方も、おられるようですが、私の持っているものは、全てノイズはありません。
(松下製とマツダ製です)私はこの球が大好きです。・・・・でも高μ管ドライブを好まない方にとっては、駄球だと思います。
さて、回路ですが普通のCR結合です。但し、今回は71Aの他に12Aも使用できるよう、B電圧切替のスイッチと出力トランスの1次Zp切替のトグルスイッチを付けました。
完成後の出力管の動作ですが、バイアス抵抗は切替無しの2KΩと固定でしたが、71Aと12Aとも、プレート損失から見て、ほぼ定格とおりの動作となりました。
■回路図です

(回路図訂正)2014/08/30
整流管のフィラメント電圧を下げるための抵抗が、0.33Ωと0.3Ωになっていますが、両方とも0.33Ωの5Wセメント抵抗です。
このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
さて、試聴の結果ですが、完成したばかりでエージングもなし。
ハムも交流点火ですが、スピーカーに耳を付けないと聴こえません。
長く試聴した訳ではありませんが、出てきた音の綺麗なこと!これぞ71Aの音です。(少しオーバー) やはりシングルはイイです!
出力は、1Wにも満たない約0.7Wですが90dB以上のスピーカーなら音量の不足はありません。中音から高音域がとても清々しく綺麗だと思います。
また、12Aでは、71Aより、更に小出力となり約0.3Wですが、これでも音量の不足はありません。クラシックではフルオーケストラは少々無理でも、ヴァイオリン・ソロや室内楽には最高のアンプだと思います。
狭帯域の出力トランスで、しかも無帰還アンプです。周波数特性を測定すれば、多分カマボコ特性だと思いますが、私には71Aも12Aも、非常に心地よく聴こえてくるアンプです。
★2014/08/30 追加投稿 (写真も1枚追加です)
このアンプに71Aのナス管171Aを挿してみました。かなり古い真空管のため、そのまま挿してもいいのですが、71Aの場合の動作が、ほぼ定格のため、B電圧を12A用に切り替えて聴いてみました。
その場合の171Aの動作は・・・・
Ep : 127V
Ip : 14.8mA
Eg : - 29.5V
Pd : 1.9W (6Z-DH3AのEpも110Vに下がります)
となり、かなり古典球には優しい軽い動作です。出力は約0.4W位でしょうか。しかしB電圧を規定の電圧に上げても聴感的には、あまり変わりません。非常に小出力ですが、これで十分です。
171Aナス管に挿し換えた写真をアップします。

【関連記事】
この同じ書庫内に下記の関連記事があります。画面の下に見えないときは、下記のアドレスをクリックすれば記事に繋がります。
■71Aシングル・アンプの製作 ①
このアンプのシャーシの加工(修復)を中心の記事です。
↓
■71A(171A)真空管とシングル・アンプ
↓
■12A(112A)真空管と71A/12A/31コンパチブル・テストアンプ
↓
71A・12A・31アンプ集①にも71Aのパラ・シングル、プッシュプルアンプ等の製作投稿がありますので、こちらもご覧下さい。
では、今日は、このへんで・・・・・・HIROちゃんでした。