71Aプッシュプル・アンプが完成しました。昨日は1日中、仕事だったのでアンプ製作の作業は出来ませんでしたが、今日は仕事が休みなので、配線作業を行い、予定通り、2日間で完成しました。私のアンプ作りは、いつも大体2~3日でシャシー加工、配線を含め、一気に行い完成させます。調整は必要に応じ、翌日行います。今回は各所の電圧、電流を見ると特に調整する必要は、あまりなさそうです。
今後、調整するとすれば、クラーフ結合のトランス結合のため、中間トランスへのカップリング・コンデンサの容量、中間トランス後の220KΩのシャント抵抗の見直しが出てくるかもしれません。
 
■配線の方法(順序等)
 
 今日の私流の配線作業の様子を説明します。
左手の怪我のため、人さし指が全く使えません。配線作業を始めたものの、左手が思うように使えず、もの凄く大変でした。それでも何とか夕方には全ての作業を終了しました。今日の作業時間は、アンプの規模から考えると、いつもより時間がかかり、約7時間もかかってしまいました。
 これまで、たくさんアンプを作った割には、私の配線技術は全く向上していません。綺麗な配線ではないので、あしからず。。。。。。
 
その1
 
イメージ 1一番はじめに、100V電源と、ヒーター(フィラメント)配線をします。これが私は一番、キライで面倒な作業です。今回は電源トランスのヒーター端子の外側からハンダしていますが、作る時の気分で内側から線を延ばします。この方が配線は綺麗に出来ます。今回は整流管の電圧を下げるための抵抗の関係で外側から半田しています。
なお、整流管だけは直熱管の場合、高電圧になるので、いつも(赤色)で配線します。今回は整流管に80を使用しますが、電源トランスの5V用ヒーター端子が足りません。そこで6.3Vから抵抗(0.65Ω)で5Vにしています。
参考に、ここの電圧を下げる場合の抵抗値の求め方は次のようにして求めます。(おわかりだと思うので、説明する必要は無いと思いますが・・・)
★電圧を下げる場合の抵抗値の計算方法
  まずは点火するヒーター(フィラメント)の規格を確認します。
  今回の整流管80の規格は5V、2A
  6.3Vから5Vにするには何V電圧を下げればよいかを求めると・・・
  6.3V―5V=1.3V下げればよい。(算数です)
  あとは、オームの法則で抵抗を求めます。
 抵抗(Ω)=電圧(V)÷電流(A)ですから、80の場合は・・・
 1.3V÷2A=0.65Ωとなります。
 参考に300Bを6.3Vから5VのAC点火するときは。。。。。
 300Bのフィラメント規格(5V、1.2A)なので・・・・
 (6.3V―5V)÷1.2A=1.0833Ωなので2.2Ωをパラにして1.1Ωにして繫ぐとOKということになります。なるべく近似値の抵抗ならOKだと思います。(整流管は出来るだけ規定の電圧は守った方が良いと聴いています) 話が少しそれましたが・・・・・
 ヒーター(フィラメント)の配線が終わったら一度、全ての真空管を挿して点火するかどうか確認するか、テスターで確認します。
アース母線は、今回は接地しません。。。。というか、あまりアース母線は張らない方が多いですね。
 
その2
 
イメージ 2次にB電源部の配線をします。ここの回路の配線が終わったからと言って整流管を挿して電圧等の確認は危険なのでやりません。負荷が無いので電源を切ってもコンデンサに電気が残っています。
そのために、間違わないよう、慎重にひとつひとつ確認しながら半田づけをします。
 
その3
 
イメージ 3ここからの作業は他の方と違うと思います。電源部が終わったら、私は入力からではなく、出力側のスピーカー端子、プレートから出力トランスへの配線と自己バイアス用の抵抗とコンデンサを取付ます。
 シングルも、プッシュプルも同じような順序で私は配線します。あとは、入力端子のシールド線から順番に仕上げていきます。
 
その4
 
配線が終わりました。後からブリーダー抵抗240KΩを追加しましたが写真には写っていません。
 
イメージ 4右下にインプット・トランス(TK-133)が2個見えます。
今日は、左手が不自由でしたが、配線のテクニックは、いつもこの程度で、綺麗な配線では、ありません。なので、あまりよく見ないで下さい。参考になりません。
アースは基本的には、私は電源部で1か所、入力で1か所の2点アースを基本としていますが、何故か入力での1点アースの方が、ハムが出ない時があるのは不思議です。今回はプッシュプルということもあり、ハムは、ほとんど出ません。(私のスピーカーでは)基本的にアースは2点だと思います。
 
完成です
 
イメージ 5 今回は、お得意の100円ショップで購入したゴムの木のペン皿?をサイドウッドとして取り付けてみました。加工無しで大きさは、このシャシーにピッタンコです。取付は配線前にシャシーの中から木ネジで止めるので表側に取付用のビスなどは見えません。とても100円とは思えない高級品?だと勝手に満足しています。今回はサイドウッドを付けたら少しアンプが横長に見えます。
 
イメージ 6角度を少し変えてみると、こんな感じのアンプになります。アウトプット・トランスはサイドカバーを外し、端子側を逆さにして取り付けると安全面でも良いのですが、今回は古いイメージを出すため、あえてそのままで取付ました。
 
■回路図です。
 
 回路としてはオールトランス結合ですが、ラックスの#3656Pは電流を畳重出来ないのでクラーフ結合となっています。
設計時は、相当、入力感度の低いアンプになると予想していましたが、それほどでもありません。多少ゲインが低いものの使用に当たっては、全く支障はありません。今回もシンプルな回路です。入力の音量調整用のボリュームも省略、また、プッシュプルのため、今回はフィラメント用のハムバランス用のボリュームも省略し、24Ω2本の中点から自己バイアス用の抵抗とコンデンサを接続していますが、ハムは出ません。
なお、76用のヒーター用端子が足らず、6.3Vのヒータートランスをシャシー裏に追加しようと思いましたが、面倒なので、好ましくはありませんが71Aのフィラメント端子と共用で6.3Vを76に、5Vを71Aに使用しましたが特に問題はなさそうです。当然76と71A共用の巻き線なので76のヒーターハム消しとして片側をアースしてはなりません。
 
イメージ 8
 
このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
 
試聴の結果ですが、今日出来あがったばかりで、十分に聴いていませんが高音が71A特有の清らかな音のような気がします。
しかし何となくトランス結合のためかどうかはわかりませんが、個人的には同じ程度の出力(1.5W位)なら71Aは、パラ・シングルが最も良い気がします。近々、ローカル仲間で71A(171A)アンプのオンパレードで試聴会による鳴き合わせを予定しています。今から楽しみです。
これから、じっくりとエージングして聴きこむ予定です。
 
※7月16日(水)写真1枚追加
  今日は71Aのナス管171Aを挿してみました。多少、球にバラツキがあるのですが、大丈夫でした。何本か171Aがあるので、出来るだけ特性の揃ったものを後で選びたいと思っています。
ナス管だとレトロな雰囲気があってイイですね・・・・・・・・
 
イメージ 7
 
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★71Appアンプ作り(1日目)
 
 同じ書庫内に次の71Aアンプの紹介があります。画面の下に連続して記事が見えないときは、下記アドレスをクリックすれば記事に繋がります。
★71Aパラ・シングル・アンプ 2台
  ①トランス結合パラ・シングル
  ②6AU6ドライブ パラ・シングル
 
それでは、今日はこのへんで・・・・・HIROちゃんでした。