久しぶりに71Aプッシュプル・アンプを急遽、作ることとなり、今日から製作を始めました。当初は71Aのシングル・アンプを予定していたのですが・・・・・・
ローカル・アンプ作りのメンバーの友人、FJさんが71Aのナス管171Aを使い、シングル・アンプを完成したとの連絡を頂きました。つい先日、「オーディオ父さんの独り言」のブログ名でおなじみのKIYOさん宅におじゃましたら、偶然、FJさんも来られ、いろいろオーディオ談義をしていたら、FJさんから提案が・・・
「KIYOさんが71Aのパラ・シングルを作ったし、HIROちゃんが又、71Aのシングルを計画しているなら、変更してプッシュプルを作らないか・・・そうしたら今度、完成した71A(171A)のシングルと、KIYOさんの71Aパラ・シングル、そしてHIROちゃんの作る71Aのプッシュプル・アンプの3台で、ローカルの試聴会で鳴き合わせをやらないか・・・との提案。。。しかも出来ればオールST管でとのFJさんからのご希望・・・・
  そう、言われたら・・・・やるっきゃない!
ということで・・・・・部品があるかどうか確認。その上でどんな回路にするか決めよう。。。。ドライブ用のST管は意外と持ちあわせが少ない。当初は5極管77―76のPK分割―71Appと考えていましたが・・・いろいろ探していたら、30年以上も前のラックスの#3156Pの中古トランスがあることを思い出し、今回はオールトランス結合のppアンプとすることにしました。部品をかき集めたら何とか、ほとんど中古品で間に合いそうです。
シャシーも当初は壊したアンプの残骸を再塗装して・・・と思ったのですが、穴とサイズが気に入らないので、奥澤の買い置きのシャシーがあったので、それを使うことに・・・・今回のアンプ製作のために新規に購入したのは、100V電源用のコネクターの受け側の「メス」と抵抗2本のみの合計583円だけです。あとは、ほとんど抵抗もコンデンサも我家の中古品かストック品、ストック品で使用する新品は前記のシャシーと、UXソケット2個、配線コード、抵抗とコンデンサは一部少々だけです。
 
 
■回路と使用部品について
 
 最終回路は完成時に掲載しますが、トランス結合です。入力トランスはタムラのTK-133、但し2個のうち、1個の1次側10KCTの半分が断線しています。そのため10K:50Kを5K:50Kで使用します。そうすると入力で約3倍は稼げます。後は76を1本だけでクラーフ結合とし1:2のラックス#3156Pで位相反転、71Aへ。出力トランスは、これもかなり古い中古のSEL製OT-V6P(8K)10W用を使用します。パワートランスはタンゴPH-100S、チョークもタンゴ10H100、トランス類は全て壊したアンプから取り外して残しておいたものです。ラックス#3156Pはサビがひどいので、磨いて再塗装したものです。
この回路だとかなり入力感度の低いアンプになりますが、コントロール・アンプでの増幅を前提に、これで良しとします。
 
■設計から完成までの期間
 
大体、いつもアンプは2~3日で作り上げます。シングル・アンプならシャシー加工に半日、午後から一気に1日で作ることもありますが、普通はシャシー加工とパーツの取付等で1日、2日目に一気に配線を済ませて完成。大体このパターンで、かなり早い方だと思います。3日目は必要に応じて最終調整をします。
今回も2日間で完成させる事が目標です。但し明日の月曜日は1日中、実験の授業があり仕事です。帰りも遅く、アンプ作りは出来ないので、火曜日に配線、完成予定です。
 
■シャシーの加工
 
  私は面倒なので、シャシーの配置図面の設計や下書きは一切せずに、ぶっつけ本番のおっつけ作業でやります。今日の作業(シャシー加工)の様子を詳しく紹介します。この記事読んだら笑っちゃうほど・・・かなり適当。。。どうぞ、お笑い下さい。。。。。べーっだ!
 
イメージ 1
実は左手を怪我しています。
簡単な指包帯ですが・・・・かなりの重症。指先の爪の3分の1を指先のお肉と一緒に包丁で切り落としてしまいました。
血が止まらず時間外診療で病院で止血してもらいましたが、まだ指先に血の塊があります。
おまけに、昨日は人さし指をかばったせいか、今度は中指も挟んでイタタ・・・・この手でシャシーの加工をします。
 
■その1
イメージ 2
 
まずは、部品の配置をこのように並べて考えます。これでシャシーの設計は終わり。入力トランスはシャシーの裏に入ります。
図面やシャシーへの下書きは一切書かずに、ぶっつけ本番で加工します。その方法とは・・・・・
 
■その2イメージ 3
 
電源トランスの穴をドリルでたくさん開けます。どこを開けるかは、トランスをのせて見て、下に適当にサインペンで線を描くだけです。
 穴を開けたらニッパーで切り取り、やすりでガリガリ、ゴリゴリやって綺麗にします。
 
■その3イメージ 4
 
電源トランスの止めネジの穴を開けるのにトランスをはめ込み、ネジの部分にサインペンでしるしをつけます。
何という適当さ。。
正におっつけ作業です。
 
 
 
 
 
■その4イメージ 5
 
こんな風にサインペンの印の真ん中をドリルで穴を開けます。穴もヤスリかけを少しします。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
■その5
イメージ 6
 
すっぽりトランスが入りました
 
シャシーの他の部分には何も書いてありません。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
■その6イメージ 7
 
また、ここで、部品を並べて全体のバランスをみながら部品の下のシャシーに小さな点や線でしるしをつけます。
モノサシは使いません。
 
 
 
 
 
 
■その7
イメージ 8
 
ここで初めてモノサシでまっ直ぐの線を引き、出力管が等分の間隔になるよう点を付け、コンパスで丸を書きます。
 
 
 
 
 
 
 
その8
イメージ 9
 
電源トランスの穴と同様、今度はドリルで細かに円を書くように穴を開けます。
 
私は何故かシャーシパンチは一切使いません。このままニッパーで切り取り、半丸やすりで綺麗にします。
 
 
■その9
イメージ 10
 
ここまでやると、何となくホットします。ここからは簡単です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
■その10
イメージ 11
 
ソケットなどのネジ穴は写真を撮るのを忘れましたが、ソケット、そのものをシャシーにのせて手で押さえて穴ぼこにドリルでガァ~。
全くおっつっけ作業の適当さ(笑い)
 
 
 
■その11
 
イメージ 12今回はシャシーを塗装はしないので青い保護シートは剝さずに加工したので最後にシートを取ります。
終わったと思ったら、出力トランスと中間トランスのリード線の穴を忘れて追加で開けました。
ぶっつけでやると、こんなことはしょっちゅうです。ここまでの作業時間、左手が不自由な事もあり、約3時間もかかってしまいましたが、何とかうまく加工出来たと思います。でもよく見ると電源トランスの位置が少し端になってしまいました。まあこのくらいは・・・・
 
■その12イメージ 13
 
パーツを取付、これで今日の作業は終わりです。
 
今回は音量調整用のボリュームは付けないので、前面はまっさら・・・
電源スイッチ(ネオン付き)はシャシーの上に付けてみました。出来る限り大きな部品取付以外はネジの頭がシャシーに見えないように配置を考え、中のラグ板等は真空管のソケットのネジと一緒に付けるのが私のやり方。何も無いところには出来る限りネジは付けないようにします。
 
最後に、配線はまだですが、真空管を挿してみました。配線後は、これにゴム足を付けます。アンプの外観は、こんな感じの仕上がりになります。
 
イメージ 14
いかに適当なシャシー加工だったか、お分かりになったと思います。
いつもこんな感じなので、時々、穴がずれたり、部品が入らなかったりすることもありますね。。。。。
 
 後は予定では明日は1日中仕事、火曜日に配線をして完成ですが・・・予定通り、2日間で出来るかどうか、お楽しみに。
 
※7月16日追加投稿
 予定通り、2日間で完成しました。2日目の配線作業の様子と完成写真、およびアンプの回路は「71Appアンプ作り(2日目)」をご覧ください。下のアドレスをクリックすると直接記事に繋がります。
 
【関連記事】
 同じ書庫内に次の71Aアンプの紹介があります。画面の下に連続して記事が見えないときは、下記アドレスをクリックすれば記事に繋がります。
■71Aパラ・シングル・アンプ 2台
  ①トランス結合パラ・シングル
  ②6AU6ドライブ パラ・シングル
 
では、今日は、このへんで・・・・・HIROちゃんでした。