今回は、UL接続と五極管接続の動作の切替が出来る、コンパチブル・プッシュプル・アンプを紹介します。このアンプは6F6、6V6、6L6系、EL34等が、そのまま挿しかえられることが出来るアンプとして設計しました。
出来あがったアンプの外観です。この写真では6L6GC(5881)を挿しています。なお、写真では写していませんが、このシャシーはボンネット付きのシャシーとなっています。シャシーの厚さは、コンパクトですが、2mmとなっているため、強度は、しっかりしています。

■このアンプの回路の特徴について
このアンプの特徴は・・・・・・
(1)出力管の動作は、軽い動作となっているために、出力管として
6F6、6V6、6L6系、EL34等、多くの球で音の違い、見た目
を楽しむことが出来るコンパチブル・アンプとなっている。
(2)同じ出力管でもUL接続と五極管接続の2種類の切替を行う事
で、音の違いを楽しむことが出来ること。
(3)ドライブに、出力管の6BM8を使用していること。初段は6BM8
の三極部のみで五極部を三極管接続とし、パワードライブによる
PK分割で位相反転を行っています。
そのために、PK分割回路での6BM8のカソード抵抗と、プレート
抵抗の値は10KΩと低くなっています。
(三極部1段のみ増幅なので、若干、入力感度は低く感じますが、
通常の使用では全く問題はありません。コントロール・アンプなし
でCDデッキの出力を直接入力しても十分な出力を得ることが、
出来ます。
■回路図です。

このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
出力トランスは東栄変成器の20W用のプッシュプル・トランスを、はじめて使用してみました。軽い動作なので20W用で十分です。コア材は何を使用しているかわかりませんが、安価で、なかなかいい音のトランスだと私は思います。
EL34は、6V6や6L6などとソケットのピン接続が異なりますが、1番ピンと8番ピンを接続しておくとEL34も使用できるようになります。
この回路だと出力管の動作が軽いので、電源トランスのB電源容量は230mA~250mA位でも合計の電流値はオーバーしないのでOKです。
なお、6F6・6V6などで使用する場合と6L6・EL34で使用する場合には、B電圧の切替スイッチで電圧を変えます。
試聴の結果ですが、音には人それぞれ好みもあると思いますが、私個人としては6F6のUL接続とEL34のUL接続の芯のしっかりした音を好みます。
6V6や6L6GC(5881)などのビーム管は五極管接続(ビーム管なのでビーム管接続といった方が良いのかな?)の方が、ビーム管としての特徴が出て、力強さの中にも広がりのある音のように感じます。
EL34は、私の好きな真空管。EL34を使用したアンプは、まだまだあるので、今後も順次紹介していきたいと思います。
【関連記事】
■このアンプ以外のEL34のUL結合プッシュプル・アンプ(2台)の紹介は、こちらです。
■6L6GC/EL34 兼用プッシュプル・アンプの記事はこちらです。
それでは今日は、このへんで・・・・・・・HIROちゃんでした。