アノ協奏曲というと、モーツアルトやベートーヴェン、ブラームス、チャイコフスキー、リスト、シューマン、グリーク、ショパン、バルトーク・・・などなど、たくさんの名曲がありますが、あなたは、誰の曲がお好きでしょうか?・・・人それぞれ、ベートーヴェンがいいとか、ショパンがいいとか・・・いろいろです。
そんな中、私は何でも聴きますが、特にベートーヴェン、モーツアルト、ブラームスのコンチェルトを好んで聴きます。そこで、今回は私の大好きなベートーヴェンのピアノ協奏曲の名盤(名演奏)について、私の持っているライブラリーのCD、LPから、勝手にお薦めの曲を選んでみました。最近、この曲は、ほとんど購入はしていないので、どうしても少し古い録音の物が多くなっています。私のライブラリーの他に、きっと素晴らしい名演奏があると思います。
ベートーヴェンのピアノコンチェルトは好きなので、ライブラリーも結構あります。ここでは、それらの1枚、1枚について紹介することはできませんので、まとめて・・・ざっくり・・・5曲そろった全集についての短評と、それ以外の、特に私の好きな1番、4番、5番「皇帝」について主なライブラリーを紹介したいと思います。
 
■ベートーヴェンのピアノ協奏曲は5曲だけではない・・・?
 
ベートーヴェンのピアノコンチェルトは普通5曲のように思われますが実は他にもあるのです。
その一つは、彼の「ヴァイオリン協奏曲二長調 作品61」のピアノ版、これはベートーヴェン自身により、ヴァイオリンをピアノに変えて編曲したもので、全く同じメロディーの曲です。
 もう1曲、それはベートーヴェンが14歳の時に作曲されたと言われている「ピアノ協奏曲変ホ長調WoO4」です。この曲はピアノ、パート部に楽器を指定したオーケストラの前奏と間奏に1940年代に加筆されたものです。CDは少ないのですが、聴いてみるとモーツアルト的なところも随所にみられる、とても魅力ある曲です。機会があれば、ぜひ聴いてみてください。
また、純粋なピアノコンチェルトではありませんが、「ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための協奏曲 作品56」があるのは、ご存じのとおりです。これらの曲も末尾で紹介したいと思います。
 
 ・・・・・私の好きなバックハウス・・・・・
 
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■私の持っている全集(5曲)のライブラリーをざっく
 と短評・・・・・
 
★バックハウス/イッセル・シュテット/ウィーンフィル
(推薦)
 私の推薦する一番、好きな演奏です。この演奏は最もベートーヴェンらしく、巨匠的な風格と渋さを感じさせる名演だと思います。オケもいい。(特に3、4、5番「皇帝」は、この曲の私のベストです。
5番「皇帝」の第二楽章のアダージョは何と美しいことか・・・・
私は5番の第二楽章がたまらなく好きなのです)
バックハウスでは、この他にもクレメンス・クラウスやベームと録音した3、4、5番等のモノラル盤のLPも持っていますが、これはモノですが名演。また、カール・シューリヒトやクナッパーツ・ブッシュとのライブ録音の第5番「皇帝」のCDもあります。しかし、これらはライブ独特の緊張感なども感じられますが、音が良くありません。やはり、イッセル・シュテット盤をお薦めします。
 
★グルダ/ホルストシュタイン/ウィーンフィル(推薦)
 これも一度は聴きたい名盤。バックハウス同様、風格のある堂々とした演奏です。
 
★ケンプ/ライトナー/ベルリンフィル(推薦)
 これも録音は古いですが、素晴らしい演奏です。やはりドイツ的、且つ巨匠としての堂々たる演奏。ケンプでは、ケンペン指揮のベルリンフィルとの4、5番もあります。これがまた素晴らしいですがモノラルで音が古いです。
 
★グールド/ゴルシュマン、バーンスタイン、ストコフスキー/コロンビア響他
 グレン・グールドは何人かの指揮者で全曲録音をしています。この演奏は何て表現すれば良いのでしょうか・・・革命的演奏・・・とでもいうのでしょうか?ストコフスキーとの共演の第5番「皇帝」は、第一楽章の冒頭、表現は悪いのですが、吐き気のような、そして、うねるようなテンポ・・・普通の演奏には聞こえません。そして時々、聞こえる彼の「うめき声」まで録音されています。しかし聴いてみると不思議な感動があります。カラヤンと演奏した3番のライブ盤も持っていますが・・・グールドの演奏はベートーヴェンの協奏曲を聴くのではなく、グールドを聴く録音だと思います。
(5番の皇帝のみ、面白いので準推薦か・・・ただしオケは良くない。)
 
★ワイセンベルク/カラヤン/ベルリンフィル
 この演奏はワイセンベルクの演奏というより、「カラヤンのコンチェルト」という感じが強く、面白くありません。(昔、ワイセンベルクのコンサートを聴きに行ったら、当時、彼とのウワサがあった?タマネギ頭の黒柳徹子さんが、客席の最前列から、振り向いて手を振り、お客様に愛嬌をふりまいていましたよ・・・・関係ない話ですね。)
 
★バレンボイム/クレンペラー/ニューフィルハーモニアO
バレンボイムの指揮者兼ピアニストとしてベルリンフィルと録音した5番「皇帝」など、一部もっていますが、このクレンペラー盤の方が私は好きです。なお、後で述べるバレンボイムが指揮したルビンシュタインの5番「皇帝」は素晴らしい演奏です。
 
★メルヴィン・タン/ロジャー・ノリントン
 古楽オーケストラの演奏ということで、少し期待して購入したのですが・・・がっかりです。テンポが速く(特に5番は早い)とても聴いていられません。一度聴けば十分。
 
★アックス/プレヴィン/コンセルトヘボウO
 これといって、あまり感動なし。エマニュエル・アックスのピアノではなく、指揮者のピアニストでもあるアンドレ・プレヴィンのピアノで聴きたかったという感じ。
 
★ギレリス/クリュイタンス他/フィルハーモニアO
 録音は古くなりましたがステレオでなかなかいい演奏だと思います。3,4,5番が秀演ですね。
 
★内田光子/ザンデルリンク/コンセルトヘボウO 他
 内田光子さんのベートーヴェン、なかなか感情もこもって、いい演奏だと思います。しかし私は内田さんの演奏するモーツアルトのソナタやコンチェルトの方が、ずっと好きです。(ソナタは全曲もっていますがいい演奏です)最近、内田さんは指揮をされながらモーツアルトの協奏曲を演奏しますね。なかなか感情のこもった表情豊かな指揮をしながらのモーツアルトは感動します)
 
★杉谷昭子/オスカンプ/ベルリンSO
 日本人の演奏です。このCDはブリリアント・レーベルの廉価3枚組セット輸入盤。少しおとなしい演奏ですが、飽きのこない好演だと思います。このセットの嬉しいのは、前記のヴァイオリン協奏曲のピアノ版も収録されているところ。機会があれば、まだ注文で購入は可能かもしれません。
 
★ブロンフマン/ジンマン/チュリッヒ・トーンハレO
 正直、まだ5番しか聴いていませんが、なかなかの演奏です。そのうち、じっくりと全曲を聴いてみます。
 
★ピエール・ラウレント/アーノンクール/ヨーロッパ
 室内
これは交響曲全曲、協奏曲全曲、それにミサ・ソレムニスが入った14枚組のセット。交響曲は全曲聴いたのですが、コンチェルトとミサ・ソレムニスは残念ながら正直、まだ聴いていません。
 
 たぶん、全集の私のライブラリーは、これだけだと思うのですが、単身赴任中に購入した残りのCD約2500枚が、いまだに未整理。まだあるかも・・・・・
 
■特に好きな1番、4番、5番「皇帝」等、その他の推薦
 盤など
 
 前記の全集の他にも曲別では結構、CDやLPがありますが、ここではライブラリーの一部を紹介します。
 
★エッシェンバッハ/カラヤン/ベルリンフィル(1番)
 推薦)
 カラヤンのコンチェルトは基本的にキライなのですが、この演奏は素晴らしく第1番の私のベスト。愛聴盤です。明るいピアノの音にカラヤンが実に温かく包むようにオケを合わせています。
 
★バーンスタイン/ウィーンフィル(1番)
(推薦。但しDVD)
 レナード・バーンスタインが1970年にウィーン楽友協会ホールで椅子に座りながらピアノと指揮をしたライブのDVDを売れ残り特売で3年ほど前に購入しました。バーンスタインのすぐ後ろに当時のコンサートマスターのボスコフスキーが良く映っています。この演奏も素晴らしい演奏で、座りながらの指揮が印象的です。第一楽章の彼のピアノは流れるような演奏。顔の表情も良いですよ。
 
★ルビンシュタイン/バレンボイム/ロンドンフィル
(5番「皇帝」)(推薦)
★ルビンシュタイン/ラインスドルフ/ボストンSO
(5番「皇帝」)
ルビンシュタインの演奏はどちらも素晴らしいですが、80歳を過ぎて録音したバレンボイムとの演奏が感動的です。この演奏での第二楽章のアダージョも実に美しい演奏です。1楽章、3楽章も年齢の衰えは全く感じられない迫力です。
 
★クライバーン/フリッツ・ライナー/シカゴSO
(4番、5番「皇帝」)準推薦)
 ライナーとの共演でキレのある演奏です。
 
★ミケランジェリ/チェリビダッケ/スウェーデン・ラジオ・シンフォニー(5番「皇帝」)
 マニアの間では有名?なライブの放送をコピーした海賊版?ステレオなので音もまずまず。確かにすごい演奏ですが、推薦までは?です。
 
★アシュケナージ/ショルティ/シカゴSO
(5番「皇帝」)
 この演奏も良いです。
 
★アシュケナージ/メータ/ウィーンフィル
 (5番「皇帝」) (準推薦)
 (6/22追加です)CD整理中に出てきたので再度聴いてみました。
 まとまりのある、バランスのとれた演奏。
 
★ゼルキン/バースタイン/ニューヨークフィル
 (6/22追加です)CD整理中に出てきたので再度聴いてみました。
  少し個性的な演奏ですがいいです。
 
★ポリーニ/アバド/ロンドンSO(3番、4番)
 ポリーニの演奏ではベームとの4,5等があるのですが私は持っていません。このCDは1984年のロンドンでのライブの海賊版。これも放送からのコピー?ステレオです。演奏としては4番がいい。
 
★エッシェンバッハ/小沢征爾/ボストンSO
(5番「皇帝」)
 これは私のはLPレコードです。これも好演。
 
★リヒター・ハーザー/ケルテス/フィルハーモニア
(4番、5番「皇帝」)(準推薦)
 今では古い録音ですが、若くして亡くなったケルテスとの名録音だと思います。ドイツ人らしい演奏。
 
★ブレンデル/ハイティンク/ロンドン・フィル
(5番「皇帝」)(準推薦)
 第二楽章など、一寸聴くと、さらりとした感じですが、感情のこもった演奏。
 
★ペライヤ/ハイティンク/コンセルトヘボウO
(5番「皇帝」)
 まあ、普通の演奏。良くも悪くも無しかな。
 
 
 
その他、モノラル録音ですが・・・・・・
★エドウィン・フィッシャー/フルトヴェングラーの「皇帝」
 これは、やはりフルトヴェングラーの「皇帝」としか言えないですね。
★ギーゼキング/カラヤンの4番、と「皇帝」
★スコダ/クナッパーツ・ブッシュの「皇帝」
その他にアラウ、カッチン、ハスキルなどもあるのですが・・・・・・
あとは、シュナーベル、これは古すぎる。。。。
これくらいにしましょう。。。。。。。
 
■前記の「ピアノ協奏曲変ホ長調WoO4」の紹介です
 この曲は現在CDがあるのでしょうか?
私の持っているのはアルテ・ノバ原盤の廉価盤CD。
ピアノ:カメリア・シーナ
デイヴィット・モンゴメリー指揮/イェーナフィルハーモニーと書いてあります。トリプル・コンチェルトとのカップリング。珍しい曲で魅力的なので推薦)
このCDの他にLPですが・・・・
ピアノ:リディア・グリィヒトロウナ
ハインツ・ドレッセル指揮/フォルクヴァンク室内OというLPを1枚持っています。
 
■「ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための協奏曲
   作品56
 (トリプル・コンチェルト)推薦)
 この曲は10枚位のCD,LPがありますが、もう書くのが疲れました。なので、この曲はベスト1の1枚だけの紹介にしましょう。
やっぱり、カラヤンがどうのこうのと言っても、この曲のベストは・・・・・・、
オイストラッフ、リヒテル、ロストロボーヴィッチの3大巨匠と共演したカラヤン・ベルリンフィルの1枚でしょう。
 
ということで・・・・長々と書きましたが、ベートーベンのピアノ協奏曲について書いてみました。
またの投稿をお楽しみに・・・・・・
 
では、今日は、このへんで・・・・HIROちゃんでした。