■ 低電圧動作 845・211 兼用コンパチブル・シングル・アンプ
 
・・・電源ONの時の光輝くアンプの写真を1枚追加しました。(6月16日)・・・
 
  今回は、低電圧動作の211・845兼用のコンパチブル・シングル・アンプを紹介します。
211と言えば、1000V位の高電圧で使用するトリウム・タングステンのフィラメントを持つ送信管です。一方、845は、見た目は211に似ていますが、こちらは送信管ではなく、オーディオ管と私は認識しています。
211は送信用3極管の中では、かなり多く生産された球のようで、日本でも211Aとして、東芝、日立、NECなどで生産されたようです。これらの日本製の211Aは、「オーディオ父さんの独り言」のブログ名で知られる愛称Kiyoちゃんさんがブログ内で詳しく紹介されています。(このブログの友達のkiyoちゃんをクリックすると訪問出来ます)
私は残念ながら日本製は持っていません、私のは、GE社のVT-4-Cという211と同等の送信管です。(下記の写真の真空管です.ガラス管にGE社のロゴマークとVT-4-Cの文字が見えます)
 
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実は、今回紹介するシングル・アンプは元々、211アンプとして製作したものではなく845アンプとして作ったものです。使用した845は中国製です) 845も本来、高電圧で動作させる真空管ですが、かなり昔になりますが、「無線と実験」の製作記事の中に845の低電圧動作のシングル・アンプの記事がありました。あまり記憶は残っていないのですが、845は固定バイアスでプレート電圧は450Vか、500V程度の845にしては、かなり低電圧動作のアンプだったように思います。
 この製作記事を参考にして、低電圧動作の設計で作ったのが、今回紹介するシングル・アンプです。
このアンプは1994年の1月に作ったもので、20年経った今でも、しょっちゅう使用している、お気に入りの現役アンプです。
 
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使用した整流管は5R4ですが、5R4-GAと書いてあるST管タイプではなく、写真のような直管です、211/845との見た目のバランスが良く感じます。シャシー裏の配線の様子です。綺麗な配線ではないので、お見せしたくないのですが・・・・・こんな感じです。良く見ると配線コードの色の使い方がおかしいですね。。。。。。。。。ヒーターとフィラメント、100Vまで緑色は?です。おそらく、正月休みに作ったので、ありあわせの配線コードを使ったのだと思います。(笑い)
コードの引き回しも・・・・?のところがあります。あまり良く見ないでください。 
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電源ONの時の光輝くトリウム・タングステン・フィラメントの写真を追加しました(2014/06/16写真追加)
 
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■回路図と解説について
 
 回路図の出力管の電圧を見ればわかるように、出力管は、かなりの低電圧動作となっています。回路図のとおり、このアンプは固定バイアスではなく、自己バイアスで設計しました。
 出来あがった845アンプに、出力トランスは1次が5KΩと低いのを承知で、試しに211(VT-4-C)を挿してみたところ、845より出力は多少下がりますが、211(VT-4-C)の方が自分の好みの音のように感じたので、今では、ほとんど211(VT-4-C)で聴いています。
しかし、このアンプは、あくまで845の低電圧動作アンプです。
なお、回路の詳細な解説は下の回路図の後に記してあります。
 
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このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だと思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
 
 このアンプは、845や211用の電源トランスではなく、倍電圧用でもないので、845でプレート電圧は400V程度とかなり低い電圧となっています。低電圧動作のため845のバイアス電圧も50V程度のため、ドライブは6SL7のSRPP、1段のみです。また、845、211共にフィラメントの規格は10V、3.25Aですが、このアンプに使用した電源トランスには10Vのヒーター端子はありません。6.3Vの端子のみで電流も足りません。そこでDC点火した場合、電流不足となる事を覚悟の上、6.3Vをシリーズにして12.6Vとし、0.5Ωを付けたところ、ピッタリ10Vを得る事が出来ました。
また、平滑コンデンサは16V6800μFが1本だけですが、ハムは、全くと言っていいほど聴こえません。
長時間使用してもトランスが熱くなり手で触れないような事もなく、20年経っても全くトラブルはありません。
  
 なお、845から211に、そのまま差し替えた時のプレート電圧は475Vで電流は、僅か25mAです。それでも約3~4W位の出力は出ます。845の場合には約5~6W位です。
 このような低電圧動作のアンプでも845と211の、それぞれの特徴は出ているアンプだと思います。音としては845の場合、出力も211より大きいせいか、かなり力強い音で重厚さも感じられます。
一方、211(VT-4-C)の場合は送信管らしい中音域から高音域での艶やかな音が感じられます。
  このような低電圧動作の小出力アンプを紹介すると845や211のアンプを作られた方に笑われるでしょうが、精神的に高電圧は、恐ろしい?ので、低電圧動作で試してみました。・・・・というより211に使用するトランスを買うお金が無いのです。。。。。。
 
では、今日は、このへんで・・・・・・HIROちゃんでした。