今回は、このコーナーでは、3台目のEL34プッシュプル・アンプの紹介となります。前回のEL34アンプは、2台ともUL接続のプッシュプル・アンプでしたが、今回紹介するのは、五極管使用でのアンプです。
 EL34(6CA7)は、私の好きな球で、これまで、かなりの数のアンプを作りました。壊した数も多いのですが、残してあるのも多い方です。 そのため、球のストックも相当数、持っていますが、全てかなり前に購入したものばかりです。本数では、松下(ナショナル)と、シーメンス製が多くありますが、私はメーカーには、あまりこだわらないほうです。「ムラードやテレフンケンのEL34が最高」とおっしゃる方が多いようですが、とても高価なので、今の手持ち分で十分です。
 
■我家のEL34(6CA7)
 
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一番、左がシーメンス社のもの。他のものと比べると細身です。かなり前にまとめて購入したものですが、今は結構、高いので驚いています。
松下製、このタイプの前はハカマが金属だったような記憶がありますが、それは持っていません。国産球は貴重です。
真中は、JJ製(旧テスラ?)写真では良くわかりませんが、頭が丸みがあり形があまり好きではありません。(自分のハゲ頭を見ているようです  )
右側の2種類はロシア製。黒い箱の物はエレクトロ・ハーモニクスと書いてありますが、ソブテック製ではないでしょうか?
一番、右側はソブテックの太管ですが、見た感じでは五極管ではなく,ビーム管構造のEL34のようです。このEL34をアンプに挿してみると、何となく音まで太く感じます。個人的には、あまり好みませんが、何となく珍しいと思い6本購入したものです。
全体としてメーカーによる音の違いは、私の耳では良くわからない。というのが正直なところですが、何となく松下製(ナショナル)が好みかな~という程度です。
 
 
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このアンプは、10年ほど前に作ったものですが、友人からの依頼で、前回紹介した前段がSRPPドライブのPK分割によるEL34のUL接続ppアンプ製作時にタムラの出力トランスとシャンペンゴールドのシャシーでアンプを作って欲しいとの話があったため、OPTを購入して出来あがったばかりの、このアンプは、1か月ほどで解体。タムラの出力トランスと共に別のアンプが嫁入りしました。電源トランスも別のアンプに流用したため、現在は、壊したシャシーの残骸だけ残っています。
プリントした当時のアンプの写真が1枚、部屋から出てきたので、スキャナーで読み取り掲載しました。今見たら、放熱用の穴が無いですね。 まあ大丈夫ですが・・・・・
 
■回路図です。
 
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このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だと思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
 
 回路図の出力管のバイアス抵抗は、もう少し低い抵抗値のほうが良いと思いますが、この時は、UL接続も後からやってみようと思っていたためと、6L6系も兼用としたため420Ωとしました。
 いつものように、自己バイアスで、出力管のEL34の配線である、ソケットの1番ピンと8番ピンを繫いでいるのでEL34と6L6系(6L6GC/5881など)もそのまま挿し換え出来るコンパチブルアンプになっています。回路は、グリッド接地型、いわゆるムラード型です。PK分割と共に私の好きな位相反転回路です。
 五極管なので、電源部のチョークは省略しても、ハムは全く出ません。この程度の電源で十分だと思います。
ノグチのPMC-283Mは、ヒーター巻き線が多いのですが、6.3V3Aを2本取ると、5V3Aしか取れません。
 したがってEL34のヒーターは1.5A/本なので、この回路だと5814Aの分、多少オーバーしますが、ほとんど影響はありません。初段の6201(12AT7)は5V点火ですが、実際には5V以上になっていて、動作上、問題はありませんでした。このアンプは、かなり馬力のある、力強い音であったことを記憶しています。
 
 EL34のアンプは、壊さずに残してあるアンプが、まだあります。
「オールトランス結合のラインアンプ兼用メインアンプ」、なんていう、変なEL34アンプもあります。
機会を見て、また、このコーナーで紹介したいと思います。
 
【関連記事】
この記事に書かれているEL34のUL結合プッシュプル・アンプ(2台)の紹介は、こちらです。
 
では、今日は、このへんで・・・・HIROちゃんでした