RCAの送信管にJAN 8012 (VT‐228)という、とても変わった形の真空管があります。このブログのロフチン・ホワイト・アンプ集の中で紹介した、ドアノブ管の316Aも、面白い形の真空管ですが、この8012も、何となく電信柱みたいに見える面白い形の真空管 (宇宙人に見えるという方もいます) おまけにソケットに挿す足も無く、中点を持ったフィラメント用のリード線が3本、真空管から出ているという球です。
 今から21年前?、当時、無線と実験(MJ)に宍戸公一さんの、この8012Aを使用したイントラ反転結合のプラスドライブのアンプの記事に興味を持ち、6本購入。イントラではトランスを購入する金も無く、最も簡単な+ドライブ方式でもあるダイナミック・カップルド・アンプで製作したアンプです。
 
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回路図では出力トランスがタンゴのFW-20Sになっていますが、別のアンプに流用したので、6W用のシングルトランスに乗せ換えて、金属缶の貯金箱(100円ショップ品)に黒いスプレーをかけたカバーをしています。小さなトランスでもカバーを付けると少し立派に見えます?
 
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RCAのJAN 8012A (VT-228)です。この写真の球は、ゲッターがだいぶ少なくなっています。正常に動作するかは、わかりません。上部の左右がプレート、下部の左右がグリッド、リード線が中点付きのフィラメントです。
 
フィラメントの規格は6.3V、1.92Aで、トリウム・タングステンの送信管ですので、電源を入れると下の写真のように電球みたいに光輝きます。
 
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この真空管は、前述のように足がリード線だけなので、写真でもわかるように、ケミコン用の止め金具を利用して、シャシーに固定しました。(当初、どのように固定するか悩んだ末、この方法をとりました。但し締め付け過ぎには注意)
 
■回路図です
 
 低電圧動作です。
 
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このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だと思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
 
試聴の結果ですが、ダイナミック・カップルド方式ですと、どちらかというと三極管の特徴が、やや薄れ、少し音が豪快な感じに私には聴こえるのですが、この8012Aアンプでは、送信管の特徴である中高音の艶やかな伸びは、失われていない感じで、聴きやすい音に聴こえます。
 トリタンの送信管のアンプを作ると、いつも思うのですが、電球のように光輝く真空管は雰囲気があります。夜、部屋の電気を消してアンプの光を見ながら、音楽に酔いしれるのは、贅沢な趣味だと思うのですが・・・・・?
 
では、今日は、このへんで・・・・・・HIROちゃんでした。