今回は、邦人作曲家の「合唱曲」の名曲(名演奏)を紹介します。
日本人の作曲家の交響曲等、クラシック音楽を聴かれる方は多い。
團伊玖磨、諸井三郎、大木正夫などの交響曲などは、聴きごたえのある曲であると共に、黛敏郎、伊福部昭、武満徹、間宮芳生などなど、多くの邦人作曲家が名曲を残しています。クラシックファンはどうしても、ベートーベンやモーツアルトなどなどが中心となるようですが、邦人作品もたくさん聴いてほしいと思います。
 それらの邦人作曲家の中で、オーケストラ伴奏を伴う合唱組曲など、数多くの合唱の名曲があります。ぜひ聴いて欲しいものです。
近年、音楽も多様化したためか、合唱人口が年々減少し、アマチュアの一般合唱団が消えていく運命にあります。あと10年もしたら日本の合唱界はどうなるのか?生き残っている一般合唱団はあるのか、少子化の中で学校でのコーラス部などの部活は続くのだろうか?などと最近は嘆いている「合唱ファン」の一人です。
 合唱曲の私の持っているライブラリーは多くは無いのですが、この中から勝手におすすめの曲を紹介します。
 
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音譜音譜音譜合唱曲をあまり聴かれない方にお薦めな「オーケ
  ストラ付き合唱曲」音譜音譜音譜
 
  オーケストラ伴奏だと、普通のクラシックファンでも、とっつきやすいのでは・・・・・と思い推薦する曲です。たくさんありますが、私の「これだけは最低でも聴いて欲しいと推薦する曲」は次の3曲。
 
■佐藤 眞:混声合唱とオーケストラのためのカンタータ
     「土の歌」
 
    この曲は、よく中学校の卒業式や校内合唱コンクールで歌われる
    「大地讃頌」が終曲として入っている組曲です。
★指揮:山田和樹/東京混声合唱団、東京交響楽団(EXTON
★指揮:岩城宏之/東京混声合唱団、NHK交響楽団(ビクター)
★指揮;岩城宏之/東京混声合唱団、東京交響楽団
     (ビクターエンターテイメント)
   (再販されたCDでは東京交響楽団となっています。どっちがホント?
     音源は同じ?)
     ↓
※2017/10/14 追加投稿
 ハルコウさんのコメントで岩城宏之氏は、この曲を2回録音していることに気が付きました。私のLPとCDをあらためて確認しました。
NHK交響楽団との録音は1967年杉並公会堂・・・持っている音源はLPレコードです。 東京交響楽団とは1986年9月2日昭和女子大学人見記念講堂での録音でした。こちらはCDで持っています。
 
■團伊玖磨:混声合唱とオーケストラのための「筑後川」
 
★指揮:團伊玖磨/九州交響楽団、福岡合唱連盟合唱団(東芝LP)
   (作曲者自身による感動する演奏。CDでの再発売を望む)
★指揮:本間四郎/久留米音協合唱団(ビクター)
   (この曲は上記のアマチュア合唱団の久留米音協合唱団の委嘱作
    品で、初演しています。ピアノ伴奏ですが、名演奏です。
    指揮の本間さんの本職は医者です)
★指揮:山田和樹/東京混声合唱団、東京交響楽団(EXTON
   (比較的、最近発売されたCDで前記の佐藤眞の「土の歌」とのカッ
     プリングです。)
★指揮:現田茂夫/「筑後川」特別合唱団、九州交響楽団(フォンテック)
     このCDは混声合唱組曲「筑後讃歌」とのカップリング。
    (山田和樹さんと現田茂夫さんのCDは比較的新しいものなので、
      まだ注文で買い求めることは可能だと思います)
 
■清水 修:合唱組曲「山に祈る」
 
  合唱経験者ならば、知る人ぞ知る、清水修の組曲「月光とピエロ」と共に名曲中の名曲です。山で遭難して亡くなった大学生の母親が、ステージで遭難時の日記を朗読しながら演奏が進む。演奏会の会場は涙と感動に包まれる実話を元に作曲された合唱組曲の名曲です。
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★指揮:若杉弘/同志社グリークラブ、ビクター・フィルハーモニー・オーケストラ
     朗読:河内桃子(ビクター)・・・・これは男声合唱版による演奏
★指揮:清水修/二期会合唱団、東京フィルハーモニー交響楽団
     朗読:加藤道子(ビクター)・・・・これは混声合唱+男声四重唱の版
     で作曲者自身による演奏。同じこの2曲が1枚のCDとして発売さ
     れている。ここでは詳細な曲の説明や、演奏の感想、評価は述べ
     ませんが、ぜったいお勧めの曲です。
 
音譜音譜音譜主な作曲家別、合唱曲の名曲のご案内音譜音譜音譜
 
  ここでも私のLP、CDのライブラリーから勝手に名曲(名演奏)を選んで書いてみました。(前記の3曲は除きます)
 
■佐藤
 
【混声合唱のための組曲:蔵王】
★指揮:田中信昭/東京混声合唱団(ビクター)
混声合唱のための組曲:旅】
★指揮:田中信昭/東京混声合唱団(ビクター)
    「蔵王」「旅」は、前記の「カンタータ土の歌」と共に佐藤眞の代表
    曲。 昭和40年代に全国のアマチュア合唱団が好んでとりあげた
  名曲です。
【混声合唱のための組曲:若い合唱】
★指揮:田中信昭/東京混声合唱団(ビクター)
    ほのぼのとした、心温まる曲。
 
■清水 修
 
【月光とピエロ】
  混声合唱版もありますが、男声合唱の名曲中の名曲。下記の作曲
  者自身の指揮で聴くことが出来ます。
★指揮:清水修/東京混声合唱団(男声),二期会合唱団(男声)
    (ビクター)
【智恵子抄巻末の歌六首】
★指揮:水谷昌平/東海メール・クワイヤー(ビクター)
 
    その他の曲もありますが・・・これくらいで次に・・・・
 
■高田三郎
 
  高田三郎と言えば合唱曲の名曲が多い。混声合唱や女声合唱の経験をお持ちの方なら、必ず何曲かは歌っていると思います。
 
【水のいのち】  【心の四季】
  高田三郎の代表作と言えば、まずは、この2曲。LPやCDもこの2曲がカップリングされているのが多いので、下記の演奏が良いと思います。
★指揮:高田三郎/神戸中央合唱団(水のいのち)大久保混声合唱団
    (心の四季)LP(ビクター)
★指揮:木下保/日本女子大学合唱団(水のいのち)聖心女子大学
     グリークラブ(心の四季)LP(東芝)
     この演奏は、女声合唱版によるもの。  往年の名テノール歌手でも
  ある木下保さんが、流れるような隙の無い演奏をした名盤だと思い
  ます。
★指揮:福永洋一郎/日本アカデミー合唱団
  これらがありますが、高田、木下の2枚が推薦です。
 
  その他の高田三郎の組曲として「ひたすらな道」「心像スケッチ」
  「内なる遠さ」などのLPをもっていますが、いずれも高田さんの
  名曲。
 
■中田喜直
 
 中田喜直と言えば夏の思い出」や多くの童謡を書いていますが、合唱曲では、多くの女声合唱曲、児童合唱曲を作曲しています。
結構、昔のLPをもっていますが、日本女声合唱団と録音した、組曲では「北の海」「美しい訣れの朝」などをはじめ夏の思い出」「ぶらんこ」「忘れな草」「青空の小径」などの曲が大好きです。
混声合唱曲もあるのですが、今回は女声合唱だけにしましょ。
混声合唱の童謡集などは聴いていて、ほっこりします。
 
■多田武彦
 
 男声合唱と言えば、多田武彦の曲を忘れてはいけません。
ビクターから発売されたLPですが「多田武彦作品集」として名曲中の名曲「雨」をはじめ「柳河風物詩」「雪明りの路」「中 勧助の詩から」「父のいる庭」「雪と花火」「草野心平の詩から」の他、東芝のLPでは、「中原中也の詩から」「在りし日の歌」「富士山」などの組曲があります。いずれも男声合唱組曲の名曲です。これらの一部はCDでも再販されています。
 
■間宮芳生
 
 間宮芳生の合唱曲では「合唱のためのコンポジション」シリーズが有名ですが、歌う側からみると、いずれの曲も難曲です。これも東芝とビクターからLPやCDが多く発売されました。
学生時代の昭和48年頃?に東京銀座のヤマハホールで「合唱のためのコンポジション第8番」「合唱のためのコンポジション第1番」などと共に間宮芳生さん自身による指揮で聴いたことを今でも覚えています。
 
■大中 恩
 
 大中さん、ご自身が指揮をされるために編成した「コールMeg」という合唱団の演奏が有名。組曲で私の動物園」「日曜学校のころ」「遥かなものを」のLPがあります。
 
■その他の作曲家
 
 その他では、作曲:広瀬量平「海鳥の歌」「海の詩」作曲:湯山昭息づく日々」「生きる」「虹もえる愛」などの合唱曲があります。
 
 ここでは紹介できませんが、児童合唱でもたくさんイイ曲があります。児 童合唱を聴いていると心が洗われ、気持ちが若返りますネ。邦人の合唱曲の名曲は、まだまだたくさんありますが、今回は私のLP、CDのライブラリーからの曲の紹介です。
機会があれば、また合唱曲について投稿したいと思っています。
長々と合唱曲について述べましたが、機会があれば、ぜひ、邦人作曲家の合唱曲を聴いてみてください。
そして合唱団の演奏会にも出かけてください。
今後、再び日本の合唱人口が増えていくことに期待したいと思う、この頃です。
 合唱ファンの方で、思い出などのコメントありましたら、お聞かせください。
 
 
HIROちゃんでした。では、このへんで・・・・