6AH4-GT プリ・メインアンプ 
 
今回は、オールテレビ用の三極真空管を使用した、プリメインアンプを紹介します。
このアンプはプリアンプ(実際はRIAAフォノイコライザ回路のみ)と、メインアンプを、それぞれ独立して使用することが出来ますし、プリメインとしても使用できるアンプにしたのが特徴です。
 アンプは、小型のアンプケース(奥澤製)の中に組み込み、外観は真空管アンプには見えません。ケースの大きさは285mm×270mm×100mmというコンパクトさです。
 
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左下のスイッチがメインアンプ用、右がフォノイコライザアンプ用です。独立して使用できますが、プリメインとして使用すると、電圧配分は全体的に若干、下がりますが、特性上、特に問題はありません。
あとは、左右の音量調整用のVRと、これ以上のシンプルさはありません。
メインアンプとプリ(フォノイコライザアンプ)を切り替えて使用する場合の切替スイッチは、ケースの背面にあります。
 
■回路の説明
 
★プリ部(フォノイコライザアンプ)
 テレビ管の高周波用6R-HH2を使用していますが、多少、電圧配分変わりますが、6R-HH8、6BQ7A、6DJ8、7DJ8なら、そのまま挿し換えられるコンパチブルのフォノイコライザアンプ部になっています。
 なお、イコライザの回路はCR型となっています。(私はNF型よりCR 型が好きです.NF型も作ってはあります)
 オーディオ用の12AX7等とは異なり、たっぷりと電流を流しています。
 独立したフォノイコライザアンプとして他のコントロールアンプやメインアンプに直接つなぐことも出来きます。
 
★メインアンプ部
 出力管に、これもテレビ用偏向管の6AH4(RCA)を使用しました。
 6AH4は、小型のGT管で、日本の6GA4などと同じ傍熱の純三極管です。
メイン部のドライブには、これもテレビ管の6R-HH2を左右で半分ずつ使用しています。これも回路図には書いてありませんが、
6R-HH8、6BQ7A、6DJ8、7DJ8をそのまま挿し換えられます。
 使用した出力トランスは、春日無線のOUT-54B-57、このトラ
ンスは、小型ですが、オリエントコアで、6W用。ケース入りでは
ありませんが良い音のトランスだと思います。
 
■回路図です。小さくて見えないかもしれません。拡 大
    して見てください)
 
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 このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
 ご参考まで、きれいな配線ではありませんが、ケースの中の様子です。手前が電源部、左奥がメインアンプ部、右奥がプリのイコライザです。
シールドケースがなかったので薄いアルミのパンチ板を丸めて真空管を囲み、アースを取っています。
後ろの青いスイッチがメイン、プリ用の切り換えSWです。100V電源はコネクタを使用します。
内部シャシーは使用せずに、ケースの底板にラク板やソケットを付け配線しました。
 
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メインアンプ部(6AH4)の拡大写真です。かわいい寸足らずのGT管です。
 
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出力は1Wチョット位でしょうか。プリメインで使用すると、フォノイコライザアンプに使用した球が高μ管ではなく、コントロール用のアンプ部は省略しているのでLPレコードをこのプリメインで聴くと少し出力不足ですが、普通の音量で十分に聴くことが出来ます。NFBはかけていませんが、三極管らしい音で聴くことが出来ます。
テレビのチューナーなどに使用された、今回のような高周波用の真空管でも、低周波増幅用として十分に使用できるのです。
現在では死んでしまったような他のテレビ管でも、オーディオ用として流用出来る真空管はワンサとあります。
機会があれば、また、家のジャンク箱の片隅に眠っているテレビ管があったら、ぜひ、アンプに使用してみてください。
 因みに、私の他のフォノイコライザアンプやコントロールアンプでも、多くのテレビ用真空管を使っています。
 これらのアンプについても今後、順次、紹介したいと思っています。
 
【関連記事】
テレビ管6R-A9を使用したシングル・アンプの記事はこちらです
 
では、今日は、このへんで。・・・・・・・HIROちゃんでした。