今回は、モーツアルトの交響曲の魅力、そして私の勝手な、お勧めの名盤(名演奏)について、私のライブラリーから選んで書いてみました。
・・・・・・私の好きなブルーノ・ワルター ・・・・・・

■モーツアルトの交響曲の魅力
短い一生の間に多くの交響曲を書いたモーツアルト、欠番があったり、ケッヘルの作品番号(K)の無いもの、本当にモーツアルトの交響曲か分からないとか、正確には何曲あるのか良く分かりませんが、50曲近くあると言われています。したがって交響曲全集と言っても各録音によって異なります。
そんなモーツアルトの交響曲の魅力とは、何でしょう?これは、いろいろ聴く人によって異なるでしょう。多くの作品の中で25番と40番の2曲だけが短調(どちらもト短調)、その他は全て長調の曲です。これらは、基本的には快活で明るい曲が多いのですが、良く聴いていると38番(プラハ)、39番などでは、ところどころに寂しげとも感じる影が見えます。これは交響曲ばかりでなく、ピアノ協奏曲(特に23番)など、長調の曲の中に見え隠れする影もモーツアルトの曲の魅力かもしれません。
もうひとつの魅力、それは木管楽器の曲の中での、音色を生かした絡みかたではないかと感じます。モーツアルトの曲は全て、初期の作品から晩年の作品まで、木管楽器の使い方、絡みかた(表現が難しい)がほとんど変わっていないと感じます。つまりモーツアルトは子供の時代で、すでに木管楽器のオーケストレーションが確立していたと思うのです。まさに天才です。
もし、作曲がとても速かったモーツアルトがもっと長生きしたならば、あと何曲、シンフォニーを書いて、どんな曲を残したのでしょうか・・・・・41番の素晴らしい曲を聴いていると、そんなことをつい考えてしまいます。
■モーツアルトの交響曲の名盤(名演奏)
有名な曲だけに多くの巨匠たちが多くの録音を残しています。
ここでは私が持っている全集(同じ指揮者)全ての簡単なコメント(全曲を通しての感想)と、主な曲別(主に後期の交響曲が中心)の私が好きな演奏を所有しているLP、CDから勝手に選んでみました。
■全集の紹介と短評です。
★カール・ベーム/ベルリンフィル
これはCDも一部持っていますが、私の全集は1枚、1枚集めたLPレコードです。全体的に、いかにも真面目に演奏した、少し堅苦しく,重く感じる演奏です。しかし、あらためて聴くとドイツ的な重厚な演奏。これはベームが残してくれた宝の名盤だと思います。
★チャールス・マッケラス/プラハ室内O(輸入盤)
マッケラスのモーツアルトの代表的な録音は「魔笛」。なかなかいい演奏です。期待して交響曲全集を購入したのですが、この演奏、全曲に何故かチェンバロをオケに加えています。悪くは無いのですが、私には、少し違和感を感じます。
★ヤープター・リンデン/モーツアルト・アカデミア・アムステルダム(輸入盤)
このCDはブリリアント・レーベルから販売されている輸入盤でモーツアルトの全作品が収められている、ナント170枚組のまさにモーツアルト全集の中の交響曲全集(まあ、よくもこんな全集、買ったのか自分でもあきれます。こうなると、もう病気です。)
録音はいいのですが、初期の作品は、まあいいとして後期の作品は物足りません。一度聴けば私は十分かなって感じ。
★ALESSANDRO・ARICONI (なんて読むのでしょう?)/オーケストラ・フィルハーモニック・イタリア(輸入盤)
このCD、実は5年位前に購入。なんと10枚組で・・・
1.980円。CD1枚分のお金で全曲が聴ける超お買い得CD?今でも売っているのでしょうか・・・・
録音もデジタル、演奏も悪くありません。単純に全曲を聴いてみたいと思うなら、これでも曲の魅力は分かります。初期の曲はとても良く、BGMで車の中で聴くのには、お薦め。でも、やはり後期の曲は物足りません。
私の所有している全集としてはこれだけですが・・・・・
★ニコラス・アーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
これが、あと2枚位あれば全集になります。ニコラス・アーノンクールは、この演奏の他にも後期の29、35、36、38、39、40、41番などはコンセルト・ヘボウOでも録音しています。
これらがとんでもない名盤です。
チョット聴くと、とにかく驚きの連続・・・・とにかく曲に対する解釈が全く違うのです。とんでもなく早いテンポだったり、強調した強弱だったり、テンポプリモだったり。とにかく全曲のテンポ設定が楽章にもよりますが、他の指揮者とは全く違うのです。しかし驚きながらも聴いた後の感動がものすごく残る、とんでもない名演だと思いますが・・・通の人にはたまらない演奏では?
★ヨーゼフ・クリップス/コンセルトヘボウO
25番以降は全部あります。これは好演。特に40番は、ゆっくりとした演奏ですが、ウィーン的な雰囲気(こんな表現あるかな)もある名演だと思います。聴いていて疲れない演奏かな。
■後期の交響曲の名盤の話の前に・・・・・・
初期の作品でも、魅力のある曲が多くあります。
その中でも、私のお薦め曲。
●交響曲第17番 ト長調 K129。
この曲は、3楽章の短い曲です。モーツアルトの初期の3楽章の曲は、どれも快活で明るい曲が多いのですが、この曲も同じで第1、3楽章は、はつらつとした快活なアレグロ。第2楽章のアンダンテは、なんとチャーミングなメロディーなのでしょう。。。。この第2楽章は昔、NHKのFMのクラシック番組のオープニングに使われていました。モーツアルトの17番と分かるまで、相当時間がかかったことを覚えています。ぜひ聴いてみてください。
●第29番
これは比較的有名。カラヤンなども何回か録音していますが、私は、若くて亡くなったイタリアの指揮者グィド・カッテリ/フィルハーモニアOの演奏が好きです。
だいぶ前書きを長く書いてしまいましたが、特に好きな後期の曲の代表的な名盤をライブラリーから紹介します。
但し、地震などで整理途中のもの、単身赴任中に購入したCD2,500枚位が、まだダンボール箱、数箱に詰め込んだままで、未整理のため、主な代表的な指揮者の演奏を簡単に、述べてみます。
後期の曲といっても、私は36番「リンツ」は何故かあまり聴きません。やはり35、38、39、40、41が中心になります。
★ヘルベルト・フォン・カラヤン
カラヤンは、ベルリンフィルの他、ウィーンフィル、フィルハーモニアOとも多くの録音を残しています。どれを聴いても無難な演奏ですが、個人的には1950~50年代後半に録音したフィルハーモニアOの演奏が好きですが・・・カラヤンは、どうでもよい。(どちらかというとアンチ、カラヤンです。でも、カラヤンのオペラなどは、ほとんど持っているけど。。。。。やっぱり好きなのかな・・・)
★ブルーノ・ワルター
ワルターは多くの録音をコロンビア響に残しました。これらは今聴いても、音も悪くなく演奏は素晴らしいものです。40番などはウィーンフィルとの感動的なライブもありますが、鑑賞用なら、やはりステレオ番のコロンビア響でしょう。感情もこもった文句なしの名盤。
評論家であり指揮者の宇野功芳さんが、ウィーンフィルとの40番にほれ込み、第1楽章の出だし、(音符はここでは書けない)チャララン、チャララン、チャラ、ララ~ンのラーンのヴァイオリンの引きずり上げるポルタメントがいいと言って、ご自分で大阪フィルハーモニーSOを指揮した40番のライブ録音、買って聴きましたが、なんじゃコリャ・・・やり過ぎだって感じで、違和感を感じましたネ。感動しません。(宇野さん、ゴメンナサイ)
★カール・ベーム
全集で書いたので、特に述べませんが、ベルリンフィルの他、晩年に録音したウィーンフィルとの40番、41番なども名盤、モノラルのコンセルトヘボウと録音した39,40,41番も魅力があります。
★レナード・バーンスタイン/ウィーンフィル
後期の曲をライブで残しています。ウィーンフィルの美しい弦の音が聴かれますが、多少おとなしいかな。。。
★ラファエル・クーベリック
クーベリックのモーツアルトは定評があります。ライブや多くの録音がありますが、バイエルン放送SOの演奏が隙のない、まとまった演奏。軽い演奏ではなく、どちらかと言うと重厚な演奏かな。
ウィーンフィルともステレオ初期に録音していますが、こちらもいい演奏です。
★カール・シューリヒト
前述の評論家、宇野功芳さん、が大推薦する指揮者、宇野功芳さんは、パリ・オぺラ座Oを指揮した38番(プラハ)が最高!と言われますが、イマイチ私には良く分かりません。カール・シューリヒトは、どちらかと言うと、たんたんと、あまり強弱も付けない、枯れた味わいのある演奏ですが、38番ならモノラルですが、ザルツブルグでのウィーンフィルとのライブやベルリン・フィルとのライブ演奏を好みます。
カール・シューリヒトを聴くなら、ブルックナーの8番、9番が最高。7番もハーグフィルであります。4番のモノもあるけど・・・
どちらかと言うと海賊版に近い。
★オットー・クレンペラー/フィルハーモニアO
もの凄く、みんな重々しい重厚な演奏。曲によってはテンポが、かなり遅いのもあるのですが、決してダラダラしたものでなく、少しベートーベン的な印象をもつ演奏。私は大好きです。特に40番がいい。41番もどっしりとしています。
★ヨゼフ・カイルベルト/バンベルクSO
カイルベルトは、昔、NHK交響楽団の名誉指揮者もしたドイツ人。ベートーベンやワーグナーの名録音があります。モーツアルトもベームに少し似た演奏で、これも名演のひとつ。
★オットマール・スイトナー/ドレスデン・シュターツカペラ
オットマール・スイトナーもNHK交響楽団の名誉指揮者もした指揮者。スイトナーはEMIにも後期の曲を録音しています。特に35番が重厚、かつハツラツ、2楽章はチャーミング。名演です。
しかし今、聴くなら、やはり新録音を聴くべきでしょう。
★クラウディオ。アバド
グラモフォンにオーケストラ・モーツアルトと何曲か後期の録音していますが、おとなしいまとまった演奏。まだじっくりと聴いていません。
★カルロ・マリア・ジュリーニ/ベルリンフィル
この演奏もなかなか、聴きごたえがある演奏。39,40,41番が秀演。
★フルトヴェングラー/ウィーンフィル
40番の録音がEMIにあります。この演奏はとても暗く、せつない演奏で40番にピッタリ。さすがフルベン、超名演ですが、やはり同時代の巨匠の演奏なら、やっぱり私はブルーノ・ワルターです。
そうそう、凄い演奏を忘れていました。私のは、全てLPレコードですが・・・・・・カザルスの演奏を忘れてはいけません。
★パブロ・カザルス/マールボロ音楽祭O
この演奏は、とにかく凄い。何といっても力強く、重々しい中にも魂がこもった感動の名演、いかにもカザルスらしい演奏です。聴かなければならない名盤ですね。
(35,36,38,39,40,41番のLPのライブラリーがあります。CDも欲しいな。。。。。)
この他にもあるのですが、思い出せないのもあるようです。
何せ、整理が悪く・・・・ミヒャエル・ギーレンとか、ヤッシャ・ホーレンシュタインとかも?、ケルテスもあったはず。あとで確認しなければ。。。。今月中には整理が終わるかな?
このくらいにしましょう。
まあ、長々と書きましたが、あまり演奏の評価には、なっていないですよね。ただ、自分のライブラリーの自慢話と思われるだけですね。
でも、読んでどうでしたか・・・・・?
本当に勝手な長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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