東京ノ温度第四回公演「おずわるど」終演! | 川島広輝の今日も暑く熱くなりそうですね。

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俳優・劇作・演出 川島広輝のブログ。
東京ノ温度主宰。

遅くなってしまいましたが、東京ノ温度第四回公演『おずわるど』にご来場頂きました皆様、本当にありがとうございました!

 

 

連日満席のお客様にご来場頂きまして、こんなに嬉しいことはございません。小さい会場での事で恐縮ではございますが、過去四回公演の中での最多動員となりました!ご来場の皆様に重ねて重ねて御礼申し上げます。

 

 

今回の『おずわるど』は「オズの魔法使い」を土台にした物語です。

実は1月の第三回公演『ありすとてれす しんねんかい』を書いている時から次回はオズの魔法使いをコンセプトにした作品にしたいと日々考えて、構想を膨らませておりました。(人は往々にして目の前の台本より次回に目が向くものですな(-_-))

 

そして少しずつオズに関わる書籍や映画、原作者のライマン・フランク・ボームに関することなどを調べていた訳なのですが、、、、なんと、オズシリーズというのは邦訳されているものだけで14作もあるのだと知りました!

「アリス」に関しては「不思議の国の~」と「鏡の国の~」の2作だったので、なんだか勝手にオズもそれくらいだろうと思っていたら、14作の長編シリーズでした!

さらに未邦訳のものを含めると40作(作者は変わりますが)もあるらしいぞと。これは、、、かなり奥深かったオズワールド!

 

、、、、ということで、やはり「おずわるど」とか言ってオズの世界を舞台に描くのであれば当然全作を把握しておかねばと!それから数ヶ月ひたすら14作を読みふける生活に突入。

日々オズの世界に浸り続けた結果、全部読み終わった頃には、、、、すっかり熱心なオズファンになっておりました(笑)

 

もし「おずわるど」をご覧になってオズに興味を持って頂けたら是非、原作読破をお薦め致します。有名なあのジュディ・ガーランドの映画はオズ世界の序の序に過ぎませぬ!

 

ちなみに現在、全巻を本屋さんで揃えられる邦訳は復刊ドットコム社の「完訳 オズの魔法使い」シリーズだけなのですが、こちら子供向けで字が大きめなので、大人の方にお薦めなのは絶版ですがハヤカワ文庫のシリーズです。自分は両方試し読みしてみてハヤカワ版を選びました。図書館などにはあると思いますので是非探してみてください。

 

 

さて、誰得かわからないオズ書籍の宣伝をしたところで、、

出演者紹介をしていきたいと思います。

 

 

今回、不幸にも竜巻に乗ってオズの世界に連れていかれてしまう西野ゆきこ役、井上麗夢ちゃん!


前回公演に引き続き出演の麗夢ちゃんは若いのに経験豊富で、センスもある女優さんで、大抵の事には頑張ってこたえてくれる素敵な存在!「ありすとてれす」では設定を説明するナビゲーター役でしたが、今回はナビゲートされる側にまわってもらいました。そうは言ってもワチャワチャ大忙しな役でしたがすごーく頑張ってくれました!そして家族のシーンでは感情たっぷりの涙の名演でしたな!


続いては、お母さん役の柏香さん。

本編で一度も役名を呼ばれていないのでパンフレットにも書きませんでしたが、役名は西野藍子役です。ちなみに西の魔女だから、西野です。まあ、わかると思いますがw

 

柏香さんは「ありすとてれす ぼうねんかい」でもとっても素敵なお母さんを演じてくださいました。今回、なかなかの長台詞の連続で申し訳ないなと思って恐る恐る台本をお渡ししたのですが、思ったより早めにバッチリと入れてきてくださり、なおかつ自分が台本を書いた時にイメージしていた藍子像を斜め上に突破してきて下さいました!さすがですな!


ドロシー役の宇塚彩子ちゃん。


前作「ありすとてれす しんねんかい」では、出演決定前に話したときにコメディシーンをやってみたい的な事を言っていて、よしそういう役をやろう!って話になってたのに、台本出来上がってみたら誰よりも冷静沈着な役で肩を透かせました。ですので、今回は満を持して異常に荒ぶるドロシーを演じてもらいました!俺のよくわからない「きぇしゃゃぁぁぁ」とか「ひゃーひゃー」みたいな擬音セリフも、一生懸命演出に近づけようと努力してくれました!ありがとう!躍動していた!


オズマ姫役の岩本未来ちゃん。


きっと未来ちゃんがやりたい芝居というのはこんなすっとぼけた作品ではないんだろうなーとも思うのですが、、、やさぐれることもなく一生懸命取り組んでくれました!

 

実はオズマ姫というのは原作を知ってる方はわかると思うのですが、すごく真面目でちゃんとした人です。劇中のように決してカラオケに行きたがったり、「WHITE LOVE」とかを口ずさみながら出てきたりしません。元々、台本上でも真面目なちゃんとした人として書いていたのですが、、、台本を渡す三日前あたりにちょっと変な人にほぼ全部書き換えました。彼女も前回大人しい役だったので、せっかくなので舞台上でもっと躍動して欲しいと思いまして。当て書きではなかったのですが、当て書き換えしましたよ。

 


北の良い魔女グリンダ役の水野以津美ちゃん!


以津美ちゃんは前回もそうでしたが、直前に他の舞台出演があり稽古に遅れて参加も安定のクオリティを発揮してくれる安心女優さん。最初から非常に大事なグリンダ役をお任せしたいと思っておりました!そして今回も見事な安心女優ぷりでした!ありがたや!

 

そしてグリンダというキャラクターはですね、長年もしオズをやる時には絶対にいじりたいと思っていたんです。グリンダは原作でも映画でも最強の魔法使いとして登場します。彼女の魔力に敵うものは誰もいないし、常に絶対的な正義なんです。劇中にもありましたが能力チートなんです。でも、そんなグリンダがいながら、オズの世界には悪い魔女が跋扈(ばっこ)し、ただのペテン師であるオズの魔法使いが王として君臨してる。なんだか、おかしくないですか?それにどうしてグリンダは、ドロシーが家に帰れるルビーの靴を最初から履いてるのにすんなり帰り方を教えてあげないのか?意地悪なのか?もったいぶりやさんなのか?それとも、なにかわけが、、、?

 

それが昔から気になって気になって、、、、今回、この問題を自分流の解釈で描けたこと、、、とっても満足ですw

 


エムおばさん役、倉多七与さん。


今回、初対面の七与さん。最初にお会いしたときにこのような上品な方に、こんなふざけた役をやってもらって大丈夫かしら?と内心ビクビクしていると、あれ、あれれと、稽古場で一緒にふざけてくださる様になり、いつのまにか何も言わずして、とっても面白いエムおばさんができあがっておりました!

ぶらぼー!本当にありがとうございました!


ビリーナ役、花岡亜矢さん。


亜矢さんとも今回初対面だったのですが、お会いしたばかりの方にこの黄色い衣装の装着をお願いしていいものだろうか、、、、怒られないだろうか、、、とエムおばさん以上に内心ビクビクでした。ですが、コメディはあまりご経験がないとおっしゃってたのも関わらず快諾してくださり、最終的にはすっかり鳥さんになりきって頂きました!ありがとうございました!


かかし役、河田直樹くん。


「ありすとてれす ぼうねんかい」では音響ブースにいた直樹くん。以前、共演した時の記憶で、難しい台詞を沢山しゃべっていたなーと思い。驚愕のロング説明パートをお願いしてしまいました。自分が出演者としてあの台本もらったら、ちょっと正気ではいられない量です(笑)その難度の高いシーンを見事に演じてくれました。本当にすごい!ありがとう!

 


ニックチョッパー役、山口卓真くん。

卓真くんはすごく真面目で誠実で、常々思っているのですが俺のふざけた芝居をお願いするのはホントに心苦しいと、、、、ですが、そんな中素晴らしく全力で真面目にふざけてくれました。タイトルにもなっている「おずわるど」役でもある彼。この作品のキーパーソンです!「どぅどぅんどぅんどぅどぅん」を何度もやらせてごめんなさいw

 


殿様パンプキン役のセキュリティ木村さん。

前作同様ふざけたキャラクターと繊細なお父さん役を見事に使い分けて下さったセキュさん!顔合わせのお芝居が既に100点だったので後はおち、、、冗談です。安心してお任せすることができました!

今回もありがとうございました!

 

 

集合写真!

今回も大活躍の音響やってくれた横井さん。いつもサポートしてくれる制作の海老原さん。前説で会場全体にがんばれー!という一体感を作ってくれた清田ちゃん、新宿にピッタリのボーイみたいな会場整理を見せた木村くん。ありがとう!

 

 

お陰さまで東京ノ温度も第四回公演を終えることができました。これはひとえに見に来てくださるお客様、出演してくれる役者、支えてくれるスタッフのおかげだと思っています。本当に感謝しかありません。ありがとうございます!

 


ここで唐突なのですが、、、

自分は小劇場演劇が持つ最大の魅力は「LIVE感」だと思っています。

東京ノ温度では出演者の皆さんに、時事ネタと小ネタ満載の大量の台詞を高速で目まぐるしく演じてもらうようにお願いしています。

 

情感たっぷりのお芝居、派手なアクション、絶景のロケーション、綺麗なCG、、、これらは家に居ながらにしてテレビで、大画面の映画館で、絶妙なカメラワークと編集のもと、アップでたっぷり見ることができます。

それに比べて小劇場演劇は、クローズアップもできないし、セットも変わりません。さらに短い公演日程に自分の予定をわざわざ合わせて、時間に間に合うように外出し、安くないチケット代を支払い、狭い座席で見ることになります。演出力や鑑賞環境としては圧倒的な差があります。ですが、映像では目の前で躍動する役者の姿を見ることはできませんし、製作期間や様々な制約のため、題材、台詞などにも制限があるでしょう。

 

だからこそ、時事な台詞、ニッチな小ネタ、それになにより目の前で躍動する役者の姿を見れるのが小劇場ならではの魅力であり、それが「LIVE感」だと思っています。

東京ノ温度は、今後も役者が躍動する姿を、「LIVE感」を感じることのできる舞台を、お客様との距離が近い新大久保の小さな会場から発表していきたいと思っております!

 

次回公演は8月24日~28日です!

東京ノ温度第五回公演です!


人間いつ死ぬかもわからないものですから、私生き急ぎます!
 

これから、全力でまたくだらない台本を書きだしますので、是非、8月も新大久保の小さな会場に「LIVE感」を感じにお越し頂けますよう、よろしくお願い致します!

詳細はまた近日発表いたします!