次回の「大人の読書会」の課題図書ですが、
ちょっと早く読み終えました。

この本は、江戸時代の大阪・道頓堀を舞台に、
浄瑠璃作者・近松半二の生涯を描いた時代小説です。
自分からは恐らく絶対手を出さないジャンルですが、
会員の方の強い推しで、読んでみました。
物語は、半二が浄瑠璃狂いの父に影響を受けて
芝居小屋に通い詰める少年時代から始まります。
やがて近松門左衛門の硯を受け継いだことをきっかけに、
浄瑠璃作者を志します。
江戸時代は主に芝居小屋と言えば浄瑠璃か歌舞伎で、
お互いに切磋琢磨して物語を作り上げ、
時には観客の奪い合いもあり、小屋同士の戦いもあり、
本当に活気にあふれていた様子が目に浮かびます。
また作者も次々と作品が出来上がるわけでもなく、
産みの苦しみを嫌というほど味わいます。
一つ当たりの作品ができても、
その人気がずっと続くわけでもなく(今の時代でも同じですが)、
文化の継続は難しいものです。
この小説の作者、大島真寿美さんは、
こういう世界の専門家ではなく、
とにかく一生懸命勉強して、取り組まれたそう。
しかも名古屋出身の方なのに、全編大阪弁で書かれているのも驚きです。
そして、直木賞と高校生直木賞
(全国の高校生が直近の直木賞候補作の中から
最も優れた作品を選ぶ文学賞)を受賞しています。
結構根気のいる長編の作品ですが、
この本のおかげで、先日のコンサートツアーの行き帰りの列車の中は
充実しておりました。
伝統芸能の魅力と人間模様が堪能できます。
