「色に非ず」という題名の

有吉佐和子さんの本です。

 

非色 (河出文庫)

 

 

最近はkindle本で、

寝る前に読みながら、

そのまま沈没してしまうのが習慣ですが、

これはそうしてはいけない本でした。

 

面白くて、ついつい読み込んでしまうのです。

 

1964年に発表されたのですが、

黒人差別を扱っていることが問題視され、

絶版になっていました。

 

しかし、ここ数年の

Black lives matter運動の盛りあがりによって再び脚光を浴び、

50年以上の時を越えて、

2020年に復刊されました。 

 

戦後黒人兵と結婚し、幼い子を連れNYに渡った笑子。
人種差別と偏見にあいながらも、逞しく生き方を模索する。

アメリカの人種問題と人権を描き切った渾身の感動傑作!

(本の紹介文より)

 

とはいうものの、そんな単純なものではなく、

今でも使ってはいけない言葉たくさん

(多分このせいで発刊禁止になったのでは、と思いますが)。

 

有吉さんの作品は、今から50年前に、

すでに今を見越した問題作をたくさん発表していますが、

本当に読み応えあります。

 

黒人と日本人のハーフの子供は、

日本で育てるより、

アメリカ本国の方がよっぽど差別がなく育てやすい、

と思いきや、

本国ではそれ以上の人種差別が多々ある、

という事に行ってから初めて気づく。

 

また、経済力による階級差別、

見かけは白人ではあるが、

ユダヤ人、イタリア人、プエルトルコ人、

黒人でもアフリカ系黒人、NY黒人、

それぞれの混血の子供たちなど

人種によって階層構造(ヒエラルキー)ができている。

 

日本のような単一民族とは違う

様々な問題があります。

 

その中で、主人公の女性は

4人の子供たちを育て、

たくましく生きていきます。

 

4人の子供の父親はみな同じ黒人なのに、

二人目だけが自分に似た

東洋系の顔をしている。

 

この子が一番初めに生まれていたなら、

あんなに悩みもせず,

夫が一人目出産後にアメリカに送還された時に、

とっとと離婚して、

日本でそのまま生活したであろうに。

 

一人目がはっきりとした

黒人のハーフだったので、

周りの目も気になるし、

いじめられるであろうし、

かわいそうなので、

アメリカに移住の決意をした…なるほどなあ。

 

日本で普通に生きていたら

考えられなかった悩みが、

「戦争花嫁」と呼ばれる人たちの間には

たくさんあったのですね。

 

とにかく面白い本でした。

 

ぜひ!

 

 

 

本日のスイーツ。スイートポテト。

 

 

「紅はるか」と言われる品種のサツマイモを、

初めに焼きいもにし、煉ってつくりました。

自然の甘さを使っているので、

砂糖は加えていません。

 

香ばしさもあって美味しい!