昨日は月一の会館映画「しゃぼん玉」を観に行きました。

 

 

 

2016年製作の映画で、

直木賞作家・乃南アサ原作、

林遣都・市原悦子共演作品です。

 

 

親に見捨てられて人生を諦め、

女性や老人ばかりを狙った

通り魔や強盗傷害を繰り返すようになった青年・伊豆見。

 

逃亡の末に宮崎県の山深い村にたどり着いた彼は、

怪我をした老婆スマを助け、

彼女の家に世話になることに。

 

当初は金を盗んで逃げるつもりだったが、

スマや村人たちの温かさに触れるうちに、

伊豆見は失いかけていた人間性を取り戻していく。

 

そんな中、ある事件をきっかけに

10年ぶりに村に帰ってきた美知と知り合った伊豆見は、

自分が犯してきた罪の重さを自覚するようになり、

人生をやり直すことを決意する。

(ネットより)

 

今から8年前の作品なので、

林遣都さんも若いですが、

心境の変化の表現は凄味がきいていて、

見事でした。

 

市原悦子さんの遺作ともなるこの作品は、

今でも少年院で上映され、

多くの感動を与え、

少年たちの心に一筋の光を与えているといいます。

 

市原悦子さんの何とも言えない雰囲気。

 

素性のわからない青年を、

「坊(青年のこと)はいい子じゃ」と言い続け、

過去のことは何も聞かずに優しく接し、

日長一日何もしない青年に文句も言わず、

自発的に動き出す姿を温かく見守る、という

神々しい老婆を演じています。

 

でもこの優しさ、村の人たちの温かさが、

一人の犯罪少年の更生に結びついていったのです。

 

ちょっと前に「ケーキの切れない非行少年たち

を読んだのですが、

少年院に入ってきた少年たちは、

ほとんどまともな教育、親の愛情を受けておらず、

読み書きや小学生程度の計算ができない、

絵を書き写すことや

丸いケーキを4つに切り分ける、

といった簡単な作業もできない、

というのが珍しくない状態なのだそうです。

 

 

 
 

 

 

生活していく術(すべ)を

何も教育してもらってないので、

安易に犯罪を犯して生きていくことしかできない…。

 

周りの大人たちの接し方ひとつで、

人間は変わっていくのだ、

と思える深い意味を持った映画でした。

 

林遣都さんの表現力、

市原悦子さん、綿引勝彦さんの演技も

当然素晴らしかったです。

 

この映画は、先月も上映されていたようで、

5月に上演される林さんの舞台

「帰れない男」の呼び水になれば、

という事だと思いますが、

十分その役割は果たしていると思いました。

 

 

 

 

 

本日のパン。コーンマヨパン。

 

 

とろけるチーズをトッピングして、

悪魔の美味しさになりました。