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新聞の書評で面白い本を見つけたので、早々購入した。
ちょっと前に「昔は良かったというけれど」という本も出ていた。
 
現代はネット社会で、昔では考えられなかった様々な事件が起こっている。
更に通り魔、ストーカー、交通事故等など街を歩くだけでも犯罪・事故に巻き込まれる。
 
昔は近所に怖いおじさんがいて、いたずらすれば怒られる、
町のおばちゃんは子供たちにやさしく声をかけてくれる、
など懐古趣味に浸って言うことが多い。
 
しかし、よく考えれば、昔のほうが人間は好き勝手やっていたし、
今のように秩序がない振る舞いが実に多いことがこの本を読むとわかる。
結果、今の時代に生まれて本当に良かった!と胸をなでおろすこと、間違いない。「古典文学の中の様々な事件の中から知る日本人」という視点も大変面白い。
 
 
古典エッセイストの著者は中学生のときに『宇治拾遺物語』を原文で読み、「平安人になりたい」と思いつめた。現代女性の感覚で『源氏物語』を全訳し、『ブス論』などユニークな著作がある。40年近く古典を読んできて、今は「現代に生まれて良かったな〜」としみじみ思う。現代社会に特有と考えられている病理や事件の多くが、実は古典の書かれた時代にもあったから。
 たとえば育児放棄。9世紀の『日本霊異記』に、女盛りの母が多くの男と関係をもち、赤子に乳をやらずに飢えさせたため、早死にして、来世では乳房が腫れて痛む罰を受けたという因果応報譚(たん)がある。本の帯にいわく、「古典ってワイドショーだったんですね!」。(書評から)