空港マーク(中心ドット)がレッド =視界不良を表しています。
バッドコンディションを示しているだけで、必ずしも着陸不可・空港閉鎖ではありません。
この時期は降雪による視界不良でレッドになることが有りますが、その時のMETAR(航空気象情報)とIFでの視程の関係、チャートを使った着陸可否判断について考えてみます。
青森空港(RJSA) 条件1
空港マークはレッドです。
METARはこれ
読んでみます。
RJSA;青森空港
312200Z; 31日22:00 (日本時間 1日7:00)の情報
28018G28KT; 280度方向から18ノットの風、突風28ノット
0200; 卓越視程200メートル
R24/0400V1600D; RWY24 視程400から1600メートル、悪化方向
BLSN; 雪は2m以上に吹上げ
SHSN;しゅう雪(降雪強度が急激に変化)
VV002; 鉛直視程 200フィート
M09/M10; 気温-9度, 露点-10度
Q1009; 気圧1009hPa
これは雪あらしといった感じでしょうか?
RWY24 の状態
これを見るとIFでは卓越視程(この場合200メートル)が滑走路視程としても使われているようです。
青森空港にはRWY24にCAT(カテゴリー)ⅢのILSが設置されています。
ILS Y RWY24のチャートにあるMINIMA(最低気象条件)は下表のとおりです。
CATⅢだとRVR(滑走路視程)100メートルで自動着陸装置を使っての着陸が可能となっています。
但し、これは濃霧時の適用が前提になっているようですので今回の暴風雪にはCATⅠで運用します。
この場合RVRが 550メートル必要ですので『着陸不可』となります。
次は別の気象条件でみてみます。
青森空港(RJSA) 条件2
条件1の同日時間違いで、同じくレッドマーク時のMETAR
長いですがせっかくなので全部読んでみます。
RJSA;青森空港
010706Z;1日7:06 (日本時間 1日16:06)の情報
VRB02KT;風向変動で2ノット
1000;卓越視程1000メートル
R24/P2000N;R24視程 2000メートル以上で変化なし
SHSN;しゅう雪(降雪強度が急激に変化)
FEW003;雲量1~2/8, 高さ300フィート
SCT006;雲量3~4/8, 高さ600フィート
BKN009;雲量5~7/8, 高さ900フィート
M06/M08;気温-6度, 露点-8度
Q1016;気圧1016hPa
RMK;備考
2ST003;霧状雲量2/8, 高さ300フィート
4ST006;霧状雲量4/8, 高さ600フィート
5ST009;霧状雲量5/8, 高さ900フィート
A3002;水銀柱気圧
相変わらずの降雪状況ですが、風は治まり視程も回復して卓越視程1000メートルとなっています。
CATⅠのMINIMA はRVR550メートル、DH200メートルですので、アプローチを開始して高度200フィートのコールまでに滑走路が見えれば着陸可能です。
IFでは視程1NM (1852メートル)未満、雲底高さ500フィート以下で空港マークがレッドになるようですが、
このようにレッドでもMETARとチャートを確認して条件に合えば着陸することができます。
条件に合わなければ天候回復までホールディング、別空港へダイバートあるいは出発空港へ引返す判断をしなければなりません。
IFのMETARの反映は少し(かなり?)遅れますので、最新のMETARを入手し先読みして天候が回復しそうならホールディング、METARの更新を待つということも出来そうです。
条件1と同時間帯の実機の様子ですが、ホールディングの後で無事着陸しています。
後続機はそのままアプローチして着陸しています。
次回ですが↓
IFのユーザーガイドに HSI(Horizontal Situation Indicator, 水平姿勢指示器)を使ったホールディング方法が有りましたのでそれを解説したいと思います。
また宜しくお願いします。