ILSを使ったアプローチ方法はこちらで紹介しました。
 
地方の空港では一方向しかILSが設置されていない空港も多いため、風向きによってはILSが設置されていない側の滑走路に着陸する必要も出てきます。
今回はそのような場合に、ILSのバックコースとPAPI(パピ, 進入角指示灯)を使った着陸を紹介します。

 

実機JL283便(B737-800) のルート @Flightradar24 

使用滑走路; RJTT RWY34R, RJOC RWY07

高度は28,000ft

直近の実機はこのように南側から出雲のRWY07に回り込んでいますが、以前作っていた北側から回り込むルート(下図)を使うことにします。これも実機のルートを元にしています。

 

フライトプラン;

『RJTT TORAM PLUTO KAIJI HILlS LUPS KANEK TEPLEX TAREB YVE OKUNI SUBIE RJOC』

 

RJTT RWY34Rから離陸

 

28,000feetでレベルオフ

 

算出した降下ポイントはこの辺り 米子VOR (YVE)手前66NM地点です。(→算出法はこちら)

 

宍道湖が見えてきました。

さてここからが本題です。

 

管制エリアに入ったところでRJOC出雲空港のUnicomを使ってRWY07へのLandingを通知。『Straight in』で構いません。

 

空港上空を通過してRWY07の左側に回り込む形になりますが、トラフィックパターンに入る訳ではありませんのでこのコマンドを使用します。

 

27NM以内のエリアに入るとILS設定が可能になります。

 

ILSの設定

MAPメニューから目的空港(RJOC)を選択

ILSが設置されているRWY25を選択

『set NAV1』 でRWY25 の周波数をセット

(セットするだけ)

 

このILSのバックコースを使ってRWY07にアプローチします。

『OKUNI』ポイントは規定通り3,000feet以上で通過します。

 

ファイナルターン

 

RWY07のラインに乗ったところでコンパスの表示を先ほどセットしたILSに切り替えます。

 

手順は次の通り

①ナビゲーションモードを解除

『AP(オートパイロット)』

『APPR/NAV』

『NAV GPS』をオフ

これによりヘディングホールドモードになります。必ずこれが先

 

②ILSのローカライザーを表示させる

『NAV』

『SOURCE/GPS』

『SOURCE/NAV』に変更

 

この2つの操作でコースを追従するナビゲーションモードは解除された状態で、ILSのローカライザーが表示されることになります。

 

手順を間違えると本来のILS RWY25のルートに向かおうと迷走するので要注意です。

 

滑走路を視認、飛行が安定したところでオートパイロットを全解除します。

着陸コース(水平方向)はローカライザーのインジケーターを見ながら修正していきます。

 

高度の修正は滑走路の左端にあるPAPI(進入角指示灯)を利用して、3°の着陸パスに乗ります。

 

下図だと白・白なので自機の高度が高いことを示しています。そのため降下率を上げて高度を下げていきます。

 

通常は赤・赤の高度が低い状態で水平飛行を続けて、赤・白に変わったら降下を始めるのが基本です。

 

下図で赤・白でちょうど3°のパスに乗ったことになります(非常に色が分かりにくいのですが)。

ここから降下率700feet/min 狙いで降ります。

 

 

これも見にくいですが。。赤・赤で高度が低いことを示しています。

降下パスに乗るように降下率を調整します。

 

接地も伸びず、無事着陸

 

出雲空港は並行する誘導路が無いので、滑走路の端部でUターンして駐機スポットまで向かいます。

 

これで終了です。

 

今回ILSのバックコースを使った着陸アプローチの方法を紹介しました。

通常はRNAV(GNSS)でフライトプランを作ってやれば、NAVモードを切り替えずGPSアプローチでショートファイナルまで飛行が出来ると思います。

 

但し、空港によっては真っ直ぐファイナルが繋げないところもあったり、急なRWYチェンジでプランを作り直す余裕が無いこともあります。

その場合、この方法でアプローチすれば良いかと思います。

 

いずれの方法でも高度調整はPAPIを使うことになりますが、IFのPAPIは非常に見にくい。。視認性を上げて、さらに4灯タイプになると良いのですが。。。