インドネシアでは本日から「ラマダン：Ramadhan：断食月」がスタートしました！
今日から一ヶ月間、イスラム教徒の皆さんは太陽が昇っている間は飲食をしないことになります。
日本で過ごしているとなかなか想像しづらいですが、インドネシアは87%がムスリムと言われているので、社会全体もラマダン仕様にシフトしていきます。
まずは太陽が昇る前に「サフール」と呼ばれる１日の断食開始前の食事を朝方の3時半～4時頃に摂ります。陽が昇ると断食をスタートして、夕方陽が沈むと「イフタール」と呼ばれる断食明けの飲食を行います。
ムスリムのみなさんが一ヶ月間、無事にこのラマダンを乗り越えられることをお祈りしています。
さて、そんな今日紹介するのはこの一曲「Ramadhan Tiba - Opick」です。
まずは早速、楽曲を聞いてみてください！
インドネシアで断食月を過ごしたことある方なら、かなりの割合の方が一度は耳にしたことがあるのではないかというこの曲。
タイトルは「Ramadhan：ラマダン」「Tiba：来た」、「ラマダンがやってきた」という感じになります。そのまんまですね（笑）
軽快なリズムに、耳の残るメロディー、そして繰り返される「Ramadhan Tiba」というフレーズ。これが流れてくると、いよいよラマダンが始まったなと実感する曲です。
しかし、この楽曲の歴史は意外にもまだそんなに長くなく、リリースが2008年になります。ということは、自分がジョグジャカルタに留学していた2006年にはまだこの楽曲は存在していなかったということになるのですが、人間の記憶とは恐ろしいもので、その当時からすでに聴いていたような錯覚に陥っています（笑）
まあ、それほど定着しているということですね。
歌っているのは「Opick」というシンガーで、東ジャワ州ジェンベル生まれの49歳。
本名は「Aunur Rofiq Lil Firdaus」さんですが、アーティストネームの「Opick」で知られています。
Opickさんは歌手やソングライターだけでなく、俳優としても活動されている方。
アルバム「Istighfar（アッラーに赦しを乞う行動を表す言葉）」で2005年にデビューし、いきなり30万枚のセールスを記録。ムスリムシンガーとしての地位を確立します。
2006年には、変わらず宗教的なテーマを歌いながらもロック色を強くしたアルバム「Semesta Bertasbih（祝福される世界）」をリリース。アルバムの中でインドネシアの女性ソロシンガー「Melly Goeslaw」さんとデュエットした「Takdir」がヒットし、このアルバムのセールスも絶好調。
そして2008年、件の曲「Ramadhan Tiba」が収録されたアルバム「Cahaya Hati（心の光）」の発売と相成ります。このアルバムのラスト10曲目に収録された「Ramadhan Tiba」は同年インドネシアのテレビ局RCTIにて放送されたドラマ「Cinta Ramadhan」のテーマ曲となり大ヒット。
現在では誰もが知るラマダンを代表する楽曲となっています。
この手の曲はラマダンが来る度に歌われるので、この一曲のヒットだけでも一生食っていけると思います（笑）
今年の新聞記事でも「ラマダンの代表曲」としてその歌詞が紹介されています。
冒頭でシェアしたオフィシャル歌詞ビデオは現在までで2200万回以上再生されていますが、数々アップされているアンオフィシャルの歌詞ビデオなども900万回再生されていたりともはやこの曲はラマダンには欠かせない一曲となっています。
宗教をテーマにした楽曲というと、どうしてもとっつきにくいイメージがありますが、この楽曲に関しては非常に軽快で聴きやすくすっと耳に入ってきます。是非、この機会にみなさんも味わってみてください。
ちなみにですが、、、「Opick」がソングライターとしても類稀なる才能を持っているということがわかるのが、インドネシアの有名な男性ロックシンガー「Once Mikel」のヒット曲「Dealova」がOpickの作詞・作曲ということからも伺えます。
この楽曲もインドネシア音楽の歴史に刻まれる素晴らしい楽曲なので、また別の記事でこの楽曲についてもフォーカスできればと思います。本当にかっこいい曲なのでこちらも合わせてお楽しみください。
今日の一曲は、「Ramadhan Tiba - Opick」をご紹介しました。
みなさんの1日のお供になれば幸いです。
最後になりますが、加藤ひろあきはオンラインサロン「インドネシアよりテリマカシBanyak」を運営しています。
自分の日々の活動からインドネシアとの関わりなどを毎日記事に書いて発信しています。それだけでなくインドネシアのニュースや時事ネタ、エンタメや文化の話まで多岐にわたるテーマで毎日コラムを書いています。月額1,000円でご加入いただけます。
是非、ご加入検討よろしくお願いいたします！
それでは、あなたにとって今日が昨日よりちょっとでもいい日になりますように。
テリマカシ！
ひろ。