本編に入る前に告知をさせてください。
加藤ひろあきが翻訳に携わったインドネシアの小説「珈琲の哲学」が絶賛発売中です。
インドネシア語翻訳家:西野恵子さん、上智大学の文化人類学者:福武慎太郎さんと3人で共同翻訳したこの作品、現代を代表するベストセラー作家「Dewi Dee Lestari」の短編集で、映画化されて大ヒットした「Filosofi Kopi」も収録されています。
「あなたとインドネシアを繋ぐ、人生と愛のテーマ18篇」
面白い読書体験になること間違いなしなので、是非お手に取ってみてください。
グラフィックデザイナー「田中未来」氏にお願いした表紙も最高で、インテリアとしても活躍してくれます!だから、読まなくても置いておくだけでかっこいいです!(笑)
注文は以下のリンクから可能ですので、よろしくお願いいたします!
今日も「PPKM:公衆活動制限」が継続して施行されているインドネシアはジャカルタからブログ記事を更新していきます。
「PPKM:公衆活動制限」は続いていますが、感染者数などは特にジャカルタにおいてはかなり下がってきて、一時帰国していた日本人の方々も徐々に戻ってきています。(家族帯同で戻るのは相変わらず難しいですが…)
僕が所属している在留邦人のサッカーチームのメンバーも次々と戻ってきていて、嬉しい限りです。
さて、そんなインドネシアから今日は映画界の嬉しいニュースをお届けしたいと思います!まずはこちらの記事をご覧ください!!
記事タイトル「映画『YUNI』がトロント国際映画祭で賞を獲得!」
インドネシア映画「YUNI」が先日行われたトロント映画祭において、「Platfomr Prize」を受賞しました!
この「Platform Prize」とは芸術性が高く、映画監督の理念が強く反映されている作品に贈られる賞になります。
今回、アメリカ、カナダ、フランス、UAEなどから8作品がノミネートされていましたが、「YUNI」がその選考を勝ち抜き見事この賞を受賞しました!!
わーい!!!!
受賞に際して監督の「Kamila Andini:カミラ・アンディニ」は「映画Yuniに関わったすべての人に感謝したい。そしてこの映画の受賞を決めてくれた審査員の方々にも感謝したい。おめでとう、インドネシア!!そして、おめでとう東南アジア!!」というコメント出しています。
今回、映画「Yuni」は東南アジアからの作品として初めて本賞を受賞しました。
素晴らしい。
また「TIFF2021」のTwitterでは以下のようにコメントしています。
TIFF@TIFF_NETAnnouncing the recipient of the #TIFF21 Platform Prize: Kamila Andini’s YUNI. #TIFFTribute https://t.co/bnhVgKqoEd
2021年09月19日 06:16
TIFF@TIFF_NET“This is unbelievable ... it’s my third time bringing my heroine to the cinema and to TIFF. I see this as hope for… https://t.co/35NgtrqVgw
2021年09月19日 06:20
「本当に信じられないです。今回、私がヒロインを連れてこのTIFFに参加するのは3回目だったのだけれど、この作品がインドネシアの女性たちの力になってくれることを望んでいます。」
そう、この作品はインドネシアの女性、しかも若者がテーマになっています。
TIFF2021のラインナップ作品紹介の中で、予告編が観れるので早速観てみましょう!
この映画のストーリーは、田舎町に暮らす成績優秀な高校生の「Yuni」が主人公の物語です。このYuniの青春物語が描かれる…とかだと大衆映画にありがちな展開になってしまうのですが、この映画がスポットを当てているのは未だにインドネシアに残る女性に対する慣習や制約、それに立ち向かおうとしながら翻弄されていく現代の若者の姿です。
主人公のYuniはその優秀な成績から先生にも大学進学を勧められています。Yuni自身にとっても大学への進学は夢。そんな中、女性は学を得るより家庭を得るべしという考え方が色濃く残るYuniの住む地域の慣習に則り、Yuniの親や親戚はお見合いを計画します。予告編の中にもありますが、「Yuniを妻として迎える、そしてYuniの処女をこれで…」と言って男性が現金の入った封筒をYuniの親に渡そうとするシーンがあります。
Yuniはこれを拒絶し、お見合いを2件断ります。
しかし、この地域で伝わる「お見合いは三度断れば、二度と結婚の機会が訪れることはなくなる」という呪いのような言葉と、二度お見合いを断ったという噂、3人目のお見合い相手の存在がYuniを追い込んでいきます。
やがて、そのプレッシャーは私生活や学校生活にも支障をきたすようになり、その後のYuniに大きな影響を与えていく…。
この映画にどのような回答や示唆が提示されているのかは観た人しかわからないので僕も気になるところではありますが、それはインドネシアでの公開を待ちたいと思います。
今回この映画「YUNI」の制作を手掛けたのは「Fourcolours Films」
ジョグジャカルタに拠点を置く映画制作会社です。
ここのオーナーでありながら、数々の作品でプロデューサーを務める「Ifa Isfansyah」、今回の「Yuni」でももちろんプロデューサーを務めているのですが、なんと彼は僕の2006年時代からの友人なんですよね。
その頃はまだ「Fourcolours Films」を立ち上げるか立ち上げないかという段階で、その時に僕も出演させて頂いた短編映画「Harap Tenang! Ada Ujian!」(イファさんが監督)という作品がインドネシアの映画賞を受賞し、海外の映画祭でも高い評価を受けたことからイファさんは一気にその存在感を高めていきました。
そして監督を務めた「Kamila Andini」さんはイファさんの奥さん。
このコンビでこれまでも数々の素晴らしい作品をインドネシアに残してきており、インドネシア映画界ではもう誰も無視することはできない大きな大きな存在になっています。出会った頃のイファさんはもちろん独身でしたし、誰もが彼の作品を知っているということもなかったので、現在のイファさんのインドネシア映画界への貢献を見ると本当に感慨深いですし、その歴史の一部始終を見れたのは幸せでした。
僕のミュージックビデオの中で圧倒的に一番多くの再生数を記録しているのが「Ruang Rindu」のミュージックビデオなわけですが、このミュージックビデオを一緒に作らせてもらったのが他でもない「イファ・イスファンシャ」さんであり、「Fourcolours Films」です。
#まだ観たことがないがない方がいたら是非
このMVも美しい映像作品に仕上げてもらい感謝しかありません。
そこにさらに書家ごとうみのるさんの芸術的な書も加わり、このMVは僕のマスターピースの一つになっています。
ちなみにこのMVに出演してくれた女優で、コンテンポラリーダンサーの「Sekar Sari」も今回の映画「Yuni」に出演していますし、先日僕が出演させてもらった映画「IVANNA」(公開未定)で共演した「Muhammad Khan」も「Yuni」に出演しています。
こうして自分の周りの人たちが多く参加している作品だけに、今回の受賞の感動は一入でした。
今後、映画「Yuni」はシカゴ国際映画祭、バンクーバー国際映画祭、釜山国際映画祭と渡り歩き、「PPKM:公衆活動制限」が明けてインドネシアの映画館の開放状況を見てインドネシアでも上映されるというスケジュールになっているそうです。
この映画がインドネシアで放映され、国内でどのように評価されるのか、その辺りも今後また注目したいところです。
改めて、東南アジアからの作品として初の「TIFF:Platform Prize」獲得おめでとうございます!今後の更なる成功をお祈りしています!
#KamilaAndini監督
#実物見るとちっちゃくて明るくかわいらしい女性です 笑
それではあなたにとって、
今日が昨日よりちょっとでもいい日でありますように。
ひろ。