本編に入る前に告知をさせてください。

加藤ひろあきが「人生」や「夢」をテーマにインタビューするコンテンツ「Hiro Talk」の新しいビデオがYouTubeにアップされています。

 

今回はバンドゥン出身のモデルでYOUTUBER、コンテンツクリエイターの「Annisa Syamsi」ちゃんをお迎えして話してもらっています。

病院勤務、銀行員を経てYOUTUBERとなった経緯やその時の心境を詳しく話してくれていて面白いです。全編インドネシア語ですが、是非ご覧ください。

 

 

 

さて、今日はインドネシア音楽界のお話し。

「レコード盤は死んでないぜ」というテーマの記事をご紹介したいと思います。

 

 

いつもインドネシア音楽界の情報、最新ニュース、コラムなどをチェックするのに大変重宝しているメディア「Pop Hari Ini」からの記事で、ここ一年でリリースされたレコード盤を紹介してくれています。

 

歴史を紐解けば、インドネシアにレコード盤が入ってきたのは1900年代初頭と言われています。1903年から1917年にかけてGramophone Company, Odeon, Beka, Columbia Graphophone Company, Parlophone, Anker, Lyrophonといったレーベルが次々とインドネシアに入ってきたと言われています。

 

そして、インドネシア人が単独で設立した初めてのレーベルは1951年に当時の空軍だった「Sujoso Karsono」さんが作った「Irama Records」でした。

インドネシア音楽界にその名を刻む歴史的なアーティストたちがこのレーベルでレコーディングをし、作品をレコードにして世に広めていきました。

 

 

ちなみに「Sujoso Karsono」さんはインドネシアで初めての民間ラジオ局

「Elshinta」を設立し、インドネシア各地にポップスやロック、ジャズといった音楽を広める礎を作ったことでも知られています。

 

ちなみに外国資本のレーベルではありますが、ドイツの「Odeon」(オデオンレコード)は記録によるとインドネシアで2614枚のレコードをリリースしています。

その他にも「Bintang Sapoe」が1140枚、「Gramophone Compony」が632枚、「Anker」が478枚と続きます。

かつて蓄音機は非常に高価なものであったにも関わらず、これだけの数のレコード盤がインドネシアで流通していたというのは驚きですよね。

 

さて、話を現代に戻しますが、皆さんもご存知の通り日本でもインドネシアでも、世界的にも音楽を聞く手段としてレコード、カセット(レーザーディスク)、CD(MD)、mp3、サブスクリプションサービスと移行してきました。

 

今となってはカセットデッキやCDプレーヤーがなかなかないように、レコードを聴く環境というのも身の回りに当たり前にあった時代ははるか昔の話です。

「家にレコードプレーヤーがあるよ」という家は、そうそう多くないのが実情です。

 

それでも、「レコードは死なない」のです。

それは日本でも、ここインドネシアでも変わりません。

 

レコードコレクターでジャーナリストの「Shindu Alpito」氏に言わせれば、レコードで音楽を聞くというのは他とはまったく違う音楽体験なのだと。

あのレコード盤を手にして、針を落として、音が出るまでの時間全てにミュージシャン・アーティストがこの音楽の制作に費やしたパワーを感じることができ、今この手に「音楽そのもの」を手にしている感覚になるのだと。

素敵だぜ、シンドゥ!!

 

ということで、「レコードは死なない」を証明するようにインドネシアでもしっかりとレコード盤がリリースされているので、ここ一年でリリースされたものを一緒に見ていきましょう!

ちなみにここで紹介されているのは、ジャカルタにあるレコード専門店「Piringan Hitam Recordstore (PHR Senayan」からリリースされたレコードです。

ここで紹介されたものの他にも各レーベルからリリースされたり、外国でリリースされたものがインドネシアに逆輸入されていたりもするので、気になる方は調べてみてください!

 

1. Gombloh – Gila Live

「Soedjarwoto Soemarsono」、通称「Gombloh」のライブアルバム「Gila Live」がレコード盤として2020年末に発売されました。「Taik Kucing Rasa Cokelat」(猫のふんはチョコの味)、タイトルが相当強烈です。

人は恋をすれば「猫のふんすらチョコの味」になるのだと、「Gombloh」は歌っております!

 

 

2. Glenn Fredly – Romansa Ke Masa Depan

2020年に惜しまれながら亡くなったインドネシア音楽界の至宝「Glenn Fredly」

彼の最後のリリースとなった2019年のアルバム「Romansa ke Masa Depan(未来へのロマンス)」のレコード盤が2021年リリースされています。

10曲目に収録されている「Kembali ke Awal(出会った頃に戻れたら)」は心に染みる名曲です。

 

 

3. Nadin Amizah – Selamat Ulang Tahun

デビューから多くのファンを獲得し、インドネシア音楽界にその名を知らしめている「Nadin Amizah」若干20歳。Spotifyの月間再生回数は200万回を超えています。恐るべし。フォーキーな音楽に芯があり、それでいて透明感もある声が素晴らしいアーティストです。そんな彼女のレコードは100枚限定で製作され、わずか3分で完売という人気ぶり。これまた恐るべし。

 

 

4. Mocca – Day by Day

はい!出ました!我らが「MOCCA」!!(笑)

僕の奥さん:アリーナ・エフィパニアがボーカルを務めるデビュー21周年を迎えたバンドゥン出身のバンドの6枚目のアルバム「Day by Day」のレコード盤です。

こちらもNadinに負けず劣らず、400枚限定で製作されたレコードは1時間経たずに完売しました!!

#おお!すげえ!!!!

 

ちなみにですが、アリーナはこのレコード盤リリースにあたって、特別特典を制作しているのですが、それがなんと真っ白な紙に自らCDジャケットのデザインからインスピレーションを得た絵を描き、水彩絵の具も使って色をつけ、そこに直筆でメッセージを書いていました。恐るべし。何でもできるな、本当に。

実物をここで見せられないのが残念。。。涙。

 

 

5. Hindia – Menari Dengan Bayangan 

レコード盤の発売が非常に話題になったのがこちらの作品、バンドHindiaがリリースしたアルバム「Menari Dengan Bayangan(影と踊る)」です。

2020年にリリースされたアルバムは日本のレコード大賞にあたる「AMI Awards」で最優秀オルタナティブアルバム賞、最優秀オルタナティブアーティスト賞の二冠を達成。2019年の優秀新人賞ノミネートから着実にその人気と実力を伸ばし続けているアーティストです。

この「Hindia」は、こちらも2018年の「AMI Awards」にノミネートされたバンド「.Feast」のボーカルで、「Hindia」がそのソロプロジェクトになります。

このレコードも100枚が五分経たずに完売という人気ぶりでした。

おいおい、バケモンばっかかよ。

 

 

というわけで、今日はメディア「Pop Hari Ini」の「レコードは死なない」という記事をお届けしました。ここに紹介したアーティストはみな、僕も好きでよく聴いているので、読んでくれているあなたにとっても気に入る曲やアーティストが見つかれば幸いです。

 

というわけで、素敵な週末を!

あなたにとって、

今日が昨日よりちょっとでもいい日でありますように。

 

ひろ。