本編に入る前に告知です。

インドネシアと日本のミックスYouTuber「Nario Sen」くんにオンラインインタビューして頂いたビデオが公開されています。

インドネシア語を勉強し始めたきっかけ、インドネシア移住に至ったプロセスなどをお話ししていますので、全編インドネシア語ではありますが是非観てみてください!

 

 

YouTube上で加藤ひろあきが2017年に発売した1stフルアルバム「HIROAKI KATO」が全曲公開されていますので、是非こちらも聴いてみてください。

 

 

さて、今日はインドネシアを賑わせているこんなニュースをご紹介!

あなたはしょっちゅう病気で会社を休み人のことをどう思いますか?

 

 

病欠が多い社員は「サボータージュ」で炎上!

 

昨日ソーシャルメディアにこんな動画がアップされて炎上していました。

 

 

 

内容はというと、

 

「よく病欠をする社員は本当に病気なのではなくて、多くの場合はあなたの会社を「サボタージュ」しようとしているということだ!」

 

というものです。お、おぅ。。。ずいぶん思い切ったな、おじさん(笑)

 

このニュースの中身に入る前にまずは「サボタージュ」という言葉の意味をはっきりさせておきましょう。ここはグーグルおじさんに聞いてみます。

サボタージュ

《名・ス自》

  1. 労働組合の争議戦術の一つ。職場にはつくが、仕事の能率を下げて経営者に損をさせ、紛争の解決を迫る方法。怠業。サボ。

  2. 俗に、なまけること。

だそうです。
 
さらにこれはフランス語の「破壊行為」を表す言葉からきているということ。
それを把握して上で、このニュースを見てみましょう。
 
この動画で話をしているのは「Tom Mc Ifle(トム・マク・イフレ)」さんで、ビジネスのメンターやコーチ、コンサルティングなどを生業としている方です。
この方が自身の「TikTok」に例の動画をアップして瞬く間に炎上しました。
 
トムさんの「Tik Tok」はだいたいどのビデオも平均で1万〜3万回くらいの再生回数でコメントも10件とかなのですが、昨日から動画の再生回数は増え続けています。
とはいえ、例の動画はすでに閲覧できなくなっているので、このトムさんに文句を言いたい人が他の動画にコメントしている状況です。
あとは僕のように話題になったので興味本位で観にきたという人も多いでしょう。
 
しかも、「TikTok」のとある動画にトムさん本人が、「おれは動画を消すつもりはなかったが、エージェンシーが勝手に消した。でもビデオはInstagramに置いてあるからいつでもどうぞ」とコメントしたこともあり、炎上はインスタグラムにも飛び火して、こちらも普段は10件くらいのコメントした付いていないのですが、最新の投稿には1000件以上のコメントが付いていて、そのほとんどがトムさんを非難するものです。
こういう時のインドネシアネット民は強烈なので(笑)、ここからも執拗に攻撃は続いていくものと思われます。
 
 
「病欠」=「サボタージュ」なのか?
 
この問題を「このトムとかいうおっさん、滅茶苦茶やな!あほか!」で終わらせるのはとても簡単だし、実際にアホなのですが、ここではもう少し現実を見てみたくて、実際これは色々な職場で起こっていることなんですよね。
 
特に日本人駐在員としてこちらに来ている人は、インドネシア人よりも上の立場に立つ人が少なくありません。そんな人たちと話しているとこの類の話ってよく聞くんですよね。
 
「インドネシアの人って病気になるとすぐ休むよね。頻繁に休まれると結構困るんだよね。仮病とかじゃないのかなって疑いたくなるときもあるよなぁ。」
 
要約するとこんな感じです。
 
恐らく、このトムおじさんが動画にしたのはこういうことの延長だと思うのです。
経営する方からしたら、「そんな頻繁に休まれたら困るよ」「サボりなんじゃねーの?」「会社にとっては損害でしかない!」という考え方なんでしょうね。
 
なので、実際には炎上してしまうので、SNSで肯定的な意見を書く人はほとんどいませんが、このトムおじさんの今回の発言に「うんうん、その通り」と頷いている人は一定数いると僕は考えています。
 
そこには埋めることのできないマインドセットの溝があると思うんですよね。
 
日本人はどちらかというとこのトムおじさんみたいな考えた方の人が多い印象で、特に自分が会社を仕切らなきゃいけなかったりする立場で余裕がなくなると、ついついこの手の発言をしてしまってもおかしくないんじゃないかなと思ったりします。
 
一方、労働者として働くインドネシア人は基本的には「仕事」のプライオリティーが日本人やトムさんのような経営者の方達に比べて高くない印象があります。
「家族や自分を犠牲にしてまで働く必要がどこにあるんですか?」というマインドです。実際に僕もこう話しているインドネシアの方に何人も会ってきました。
 
だから会社のせいで・仕事のせいで身体もメンタルも壊すなんてもっての外で、そんなことになるくらいだったら休みますよ、辞めますよってことです。
これ、僕は至極真っ当な考え方だと思うんですが、この当たり前が通用しない人たちとか環境って実際に存在しているんですよね。
 
ちなみに僕にはマネージャーが二人いるのですが、その片方のアラスという女性マネージャーは結婚して子供がいます。そのアラスがつい先日、「貯まった有給をまとめて使いたいから15日間休むね!チャオ!」って言ってバリ島に行っちゃいました(笑)
#もちろん僕が許可しました
#家族水入らずで楽しんできてね
#おみやげ買ってきてね
 
じゃあ、このアラスが僕の仕事に対してやる気がないのか、「サボタージュ」しているのかといったら、そうではないと思うんですよね。
この15日間以外の日は仕事柄、9時〜5時とか土曜日も日曜日もあまり関係なく僕の活動を支えて働いてくれているわけで、それに僕はとても感謝しています。
 
利益と効率、利便性を追求し続ける社会は、この辺りが許容できなくなっていのかもしれないなと不安になります。
インドネシアには良い意味でまだその人間味みたいなのが多分に残っていて、「おい!」と思うことも多いですが(笑)、それも含めて大好きだし、ハッとさせられる瞬間が多いです。
 
というわけで、今日は炎上した「よく病欠をする社員は本当に病気なのではなくて、多くの場合はあなたの会社を「サボタージュ」しようとしているということだ!」というビデオから「仕事」に対するマインドの違いを考えてみました。
 
それではあなたにとって、
今日が昨日よりちょっとでも良い日でありますように。
 
ひろ。