「逃げるが勝ち」という言葉があります。
出典は不明ですが、古典「南斉書」に収められた故事に、「三十六計逃げるに如かず」というのががあり、これが由来だとする説があるそうです。
日本でもよく知られた言葉(故事)だと思います。
なのに一方で、そしてことあるごとに「逃げてはいけない」とも刷り込まれてきました。
色んなリーダー教本にも似たようなことが多く書かれています。
嫌なことから逃げてはいけない!逃げるのは腰抜けだ!敵に背を見せて逃げるのは恥だ!...etc
「逃げるは恥」と言われ出したのはいつ頃のことなんでしょう?
撤退のことを転進とか言って美化した(誤魔化した)太平洋戦争の頃からでしょうか?
それとも朱子学が盛んになり、名誉を重んじ恥を嫌った江戸時代(武士道)の頃からでしょうか?
戦国時代ではないと思うのです。
太閤秀吉さんや東照大権現家康さんなどの戦国時代の英雄は逃げの名手でした。
儒教の影響が強いお隣の国も、すごく「名誉」を大事にしている様に思います。
現代日本でも逃げるを良しとしない空気が強いと感じます。
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僕は小心者なのですぐ逃げますw
嫌だったり、怖かったり、痛そうだったらすぐに逃げますw
子供の頃からそうです。
両親には「あかんたれ!お○ん○ん取って、お姉ちゃんに付けたろか!」とかひどいことも言われましたw(すぐ上の姉はものすごく強い人なんです)
でも、逃げたときにものすごく恥ずかしく、情けなく、悲しく、ひどい自己嫌悪にも陥ってました。
かといって小心なんてものは簡単には直らないので情けない思いをしながら生きてきました。
そんな中、25年ほど前から本を読むようになりました。最近は少し減って、月に10冊から15冊程度ですが多い時は月に40冊読んでいました。
相変らず「逃げてはいけない!」と書いた本が多いものの、「逃げてもいい・逃げることは悪いことじゃない・秀吉などは逃げの名手であった・逃げるが勝ち・三十六計逃げるに如かず」等と書かれた本も見つける様になりました。
特に影響を受けたのは斎藤一人さんです。
易経の教えにも通じるところがあるように思います。
そして少しづつ「小心」という自分最大のコンプレックスが小さくなってきています。(と思います)
今では、逃げることの心的ハードルはかなり低くなってきています。
このコロナ禍で若い人の自死が増えているそうです。3人の子を持つ親としてとても悲しいです。
思いつめる前に辛いことからは逃げて欲しいと思います。
思いつめる前に嫌なことからは逃げて欲しいと思います。
朝は必ず来ます。春は必ず来ます。雨はかならずいつか止みます。生きてさえいれば。
「逃げるが勝ち!」この言葉を胸に、これからも僕はしぶとく生きていこうと思います。
おわり