おじいさんの家には 大きなけやきの木がありました。
おじいさんが 犬のポチのために植えてやった木でした。
春から夏には たくさんの葉が繁りました。
日陰ができて ポチは大喜びでした。
ところが ポチは 病気で死んでしまいました。
ポチが死んだあとも 木は どんどん大きくなり 天にとどくほどになりました。
山鳩が 巣を作るようになりました。
春になると 若葉が芽吹き 夏になると たくさんの葉になって木陰を作りました。
秋になると 葉は少しずつ落ち始めました。
風に吹かれて 隣に落ちてはたいへんと
おじいさんとおばあさんは毎日せっせと掃き掃除をしました。
汗水流して一生懸命そうじをしました。
一日で こんなにたくさんの葉がたまりました。
夜になりました。
おばあさん そろそろ ごはんをたべましょうか。
おじいさん もうお米はありません。
うどんがすこしだけありました。
今夜はうどんを食べてやすみましょうか。
翌朝 落ち葉を掃除しようと外に出たおじいさんは
昨日集めた葉っぱを見てびっくり。
おばあさん これを見てごらん。
なんですか。おじいさん。 まあ!
おじいさんとおばあさんが せっせと掃き集めた葉っぱは なんと 小判に変わっていたではありませんか。
おばあさんは 小判でお米や味噌や正油を買い
しあわせに暮らしましたとさ。
めでたし めでたし

