1.  摂食嚥下障害の観察と評価

評価のpoint

1)  問診

どういった症状か?いつ、何でむせるのか?咳、痰の性状、咽頭異常感、嚥下困難感、声、食欲低下…

2)  病歴

脳卒中の既往、肺炎及び呼吸器疾患の既往、放射線治療(副作用として唾液の減少や味覚障害、粘膜炎が生じる場合があるため)、手術の既往

3)  身体所見

a)  全身状態:発熱、気道分泌物貯留の有無、口腔内の汚染状況

b)  神経学的所見:意識障害、認知症、注意障害、脳神経

c)  呼吸状態:努力性呼吸の有無(舌骨下筋群も呼吸運動に関与、喉頭挙上を制限する場合あり)

4)  嚥下に関連する運動機能

a)  頚部の可動性:喉頭運動に関与、頚部周囲の筋緊張を把握する。

頚部前屈位→声門前庭の閉鎖が良好、喉頭蓋の動きも良くなることが示されている。さらに食塊の通路が広がるとともに喉頭蓋谷が広がるため嚥下反射が惹起されやすくなる。

b)  体幹機能:坐位の安定は摂食・嚥下機能に重要

c)  喉頭の運動機能:喉頭が嚥下時に挙上するか。挙上することにより、喉頭蓋が気道を閉鎖、食道入り口が開大する。喉頭の運動を支配する舌骨上筋群や舌骨下筋群は呼吸状態や姿勢保持の影響を受けやすいため呼吸、姿勢の評価が重要

5)  摂食状況・摂食場面

食物の認識、食器の使用、食事内容、一口量、食べこぼしの有無、咀嚼に伴う下顎の動き、嚥下反射のタイミング、むせ、声の変化、口腔内残渣の有無、食事時間

6)  スクリーニング(実際に行ってみましょう)

a)  反復唾液飲みテスト:口腔内を湿らせた後、空嚥下を30秒間繰り返す。30秒間で2回以内が異常

b)  改定水飲みテスト:冷水3ml(ティースプーン1杯程度)を嚥下させる。むせの有無や、湿生嗄声の有無を診る。

c)  頚部聴診