今年(2023)の巨人低迷と大勢の投球について想う事 | あくまでも私の持論なんですが

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巨人はCS出場を逃し、4位で2023年のシーズンを終えた。

原監督は今年度をもって退任、阿部新監督の元で既に来年に向けて動き出している。

今更ではあるがここで改めて2023年の巨人について振り返っておきたい。


正直なところ、ここまで低迷したままの状態で終わると誰が予想しただろうか。

確かに、主たる原因として主力選手がことごとく不調や不振で欠けていたということはある。

特に開幕当初から菅野、坂本、大勢らが欠けていたことは痛かった。


だが当初は菅野が復帰すれば、坂本が復帰すれば、大勢が復帰すれば好転すると思われていた状況も、実際には復帰した後も期待された程の活躍を見せることは無く、最後まで盛り返すことは出来なかったのである。

しかも負け方がどうにも不甲斐ない内容が多かった。

前半はいくら点を取っても投手陣がリードを守りきれず、後半は投手陣が踏ん張っていても全く点が取れないというチグハグさ、それに追い打ちをかけるように原監督の采配がことごとく外れていたことも大きかった。


ただ、これについては原監督が全て悪いとは言い切れない。

何故そのような采配を?と思う場面は確かに多かったものの、当然ながらその選手ならば出来ると期待するからこその策であり、実際それに答えられなかった選手にも責任はあるのだ。


それにこればかりは根拠も説得力もないが、本当にツキに見放されているとしか言いようのない場面が多かったのも正直な感想である。

どちらにせよ、どの様な采配も成功すれば妙手であり、失敗すれば悪手なのだ。とにかく勝ち運にとことん恵まれなかったと言いたくなるような1年だった。


9月30日の中日戦などは正にそんな今年の巨人を象徴する様な試合だった。そして私が今年気になっていた部分が凝縮された試合でもあった。


先発の戸郷は実に素晴らしい投球だった。今年はけして調子は良くないと私は思うのだが、それでもここまでの12勝は流石である。

この日も7回まで無失点に抑え、1-0で勝利投手の権利を持ってリリーフ陣に託したのだが、8回に大勢が打たれ同点に、更に9回には中川が打たれて逆転負けを喫するのだ。

得点は吉川のセカンドゴロの間に取った1点のみである。


8回に大勢を登板させたのは正直意外だった。

前回完封のチャンスだった赤星を降ろしてまで大勢を登板させたのは、CSに向けて使えるかどうかを見るためではなかったのか。そしてまだ使える状態ではないことを確認できたはずなのである。

これではそれも全く意味が無くなってしまった訳で、赤星の犠牲も含めて二重に無駄な采配だったと言えるのだ。


大勢については復帰を急ぎ過ぎた部分もあるので出来の良くないことは責めきれないが、それ以前にフォームや球筋を見ていると昨年感じていた良さがなくなってしまったように私には見えた。


昨年は沈み込んだ姿勢から、サイドスローと見紛うような低いフォームでの伸びのあるナチュラルシュートがビシビシ低めに決まっていた。

特に左打者の内角低めへのストレートは打者に当たりそうな球筋からギリギリで決まる為中々手が出ず、左に対する絶対的な武器だったはずなのだ。


それが今年はシュート成分がやや陰を潜め、しかも浮き上がってくるような伸びもなくやや垂れた軌道になっていた。

これでは低め一杯をストライク判定してもらえないため、やや高めに投げざるを得ずそこを痛打される。

左打者への最大の武器が使えないためになんとなく苦手意識が出来てしまい、それを見透かされたように代打で左打者で送られるケースが増えてくる、という悪循環に陥っていたのだ。


更に復帰した時には、それまでの一見サイドスローに見えるような低い姿勢から、上から投げることを意識したフォームに変わっていた。

確かにシュート成分が殆どなくなり、スピードは戻ってきて一見良くなった様に見えるが、私には逆に大勢がまるで普通の投手になってしまったことに愕然としたのである。


以前の低い姿勢からそのまま投げる球筋は真っ直ぐが低めの軌道のまま伸びてきたので球が見づらくかなり打ちにくかったはずだ。

それが上から投げることを意識するあまり一旦低く構えた姿勢から再び身体を起こして投げる形に変わっていた。

そのために身体は直立し、球の出どころがやや高くなったため以前のような独特の球筋ではなくなってしまい、伸びを感じないのだ。しかもやや伏せた状態からそのまま投げていた頃と比べて身体が開いて球筋が大分見易くなった様に感じる。


しつこいようだが大勢の良さは単純に球の速さだけでなく、独特のフォームから繰り出される独特の軌道のはずなのだ。


この様な投げ方は上半身の柔軟な大勢ならではのものだと思っていたのだが、もしかすると相当無理して投げていたのだろうか。

たまたま調整が間に合わず修正しきれなかったのならば良いのだが、もしこれが意識してフォームを変えたのであれば、そしてこの状態が続くのであれば来年以降も苦しい投球が続くのではないだろうか。

私としてはじっくりと体調を整えて以前のフォームと迫力ある速球を取り戻して欲しいと思う。