今年(2023)の巨人について想う事 | あくまでも私の持論なんですが

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あくまでも私の個人的な見解を好き勝手に語るブログです。
文中敬称は省略させていただきます

私は昔はプロ野球に殆ど関心がなかったのだが、自身が草野球をやるようになってから勉強のためにTVでの観戦はするようになった。当然、観る機会の多いのがTV放送の最も多い巨人戦である。ずっと観ていれば情も移るというもので、とりあえず巨人だけは応援している。

私がプロ野球を真面目に見るようになった頃には巨人は既に常勝チームではなくなっていたが、それでも一貫してどの選手もプレイのレベルが高くワンランク上のチームという印象はあったものだ。


だが、残念ながら今年の巨人にはその様な印象はまるで無い。

単純に勝てないということもあるが、その負け方があまりにも不甲斐ないのだ。

投手陣は大事な回の先頭打者であったり、または簡単にツーアウトを取った場面からの四球で流れを乱し、そこから堪えきれずに簡単に得点される場面が非常に多い。

攻撃もホームランの出やすい東京ドームが本拠地という事もあって得点の大半がホームランという派手な勝ち方をする時もあるが、負ける時は豪快なフライで凡打に終わるか、度重なるチャンスにも併殺や凡ミスでみすみす勝ちを逃すパターンがやたらに目立つのだ。


ただ、チーム力自体は低いどころか守備力も攻撃力も高く、少なくとも内野守備に於いては両リーグを含めてもトップクラスではないかと思うほどだし、どの打順からでもホームランの飛び出す破壊力もセ・リーグ随一だ。

今年に関しては投手陣に先発を任せられる投手が揃っておらず、世代交代中の若手の経験不足、力量不足で心許ないという部分は否めない。

エース菅野の不調や抑えの切り札大勢が抜けた事は非常に大きいが、それでも勝ちを計算出来る先発の戸郷や、抑えでの経験豊富な中川や高梨といった実力者が登板しても勝ちきれない試合もあり、単純に投手力の不足というだけではシリーズ後半で未だ貯金がほぼ無い状態というのはその潜在能力から考えれば信じられないことなのである。


全体を通して言えるのはやはり試合の運び方が上手く無いなあと感じる事が多い事だ。

毎日のように打順や守備位置がコロコロと変わり不慣れな役割からのミスが得点に繋がるケースがあったり、すんなりとツーアウトを取った投手を代えた途端に打たれたり、チャンスの場面でその日打っている選手に代打を出して凡退で潰したりと、とにかく今年はやる事が裏目に出ることが多い。


よく原監督の采配を非難する意見を目にするが、実際やっている事自体は勝っている時と大して変わっていない。

日替わりで打順や守備位置を代えたりツーアウトからの投手交代等は原監督の常套手段であり、策がハマって勝っている試合も多かった。

結果的に勝てば妙手であり、負ければ悪手というだけの話なのである。

こういう言い方は説得力も何もないが、今年は原監督の運気が悪いとしか言いようのない時がある。

打ち取った当たりが打球方向が良く抜けてタイムリーになったり、逆にチャンスの場面で相手の信じられない様な好守に阻まれて無得点に終わったりといった場面が勝てない時にはやたら気になるものだ。

「負けに不思議の負けなし」とは野村克也氏の名言ではあるが、本当に不思議に思うほど流れがやたらと悪い方に転がるツキのなさを感じる試合も今年はやたらに多く感じるのである。


とはいえ、やはり私も原監督の采配には疑問に感じる部分も多い。

特に若手有望株の起用方法だ。今年は特に期待の大きな若手が台頭してきているが、その扱いが非常に雑に感じるのである。

勿論大事に育てていると感じる時はある。

まだ調子にムラがあるもののクレバーな投球をする山崎伊織、最初はオドオドしていたものの厳しい場面での起用で迫力を増してきた菊池大毅といった投手陣は比較的大事にしているように感じる。

ただ、秋広優人や門脇誠、そして流石にまだまだ発展途上の浅野翔吾など、単純に実力だけでなくスター選手に必須な観客を魅了する華を持った選手達の起用が気になるのだ。

使ったり使わなかったり、使っても守備位置が様々な上に重要なチャンスの場面で打順が回ってきた時に代打で引っ込めてしまうといった、よく意味の分からない起用が多いのである。

打撃が好調な時でも関係無く、試合の流れも観客の期待も感じ取らずに、こうと決めた采配にこだわり過ぎているように感じるのだ。


選手を駒のように扱うなとは言わないが、若手の選手の場合は成長に繋がる起用も大事なことではないだろうか。

勝つ為には非情な采配も勿論必要だし、それで策が成功するのならまだ良い。だが、今年の巨人はその采配が裏目に出ることが多いのだから始末に負えないのだ。


あくまでも結果論なのでそのまま動かずにいれば勝てたかもしれない等と考える事に意味は無い。

だがそれよりも代えた結果が失敗した場合には、若手の貴重な経験を得る機会を奪い、結果を出してくれるかもしれないと期待していた観客を落胆させ、そして選手自身はその前の結果がどうであれ監督に信用されてはいないのだということを思い知らされるのだ。

そこで奮起する精神の強さも絶対に必要な要素ではあるが、それでも自身の評価を突きつけられるダメージは相当なものであろう。

結果が裏目に出ればなんの成果も得られない無駄な負けとなるのだが、現にそのパターンが多かったのも事実なのだ。(続く)