事前準備
テレビエグザムには毎年全国各地から学生さんが集まってきます。
朝9時半の開場を前に、前日から泊りがけで上京して来ている学生さんたちが、会場となる大学の正門前に列を作り始め、大きなボストンバッグやキャリーバッグを手にその時が来るのを待っています。大学受験のため地方から高校生が上京して来るように彼らは就職活動のため再び状況を繰り返しているようです。
自らの将来のために上京した彼らの姿には、一つの決意が形として表現されている気がしました。
開場の30分前には、列の長さが正門の外に並びきれないものとなり、毎年開場時間は予定よりも早まっています。
会場の中に入るためには、セキュリティー上簡単な本人確認が必要となり、申し込み確認後ATPより郵送されているIDカードを見せることで入場出来ます。その際、カードには事前に発行されている個人IDの記入が必須となるのですが、この個人IDが一部の学生さんを苦しめているようです。
「すみません、IDを忘れてしまいました」
「え、ここ(IDカード)になんか書かなきゃいけないんですか?」
「どうしたら自分のIDってわかるんですか?」
会場に到着したものの、入場を認められない学生さんたちが、「IDを忘れた方は当日受付にお並びください」の案内に従い行列を作ります。
会場内で並んでいる学生さんたちは、自分たちが作った列の他に行列が出来ている事などきっと考えてもみないでしょう。そして、その列のおかげで自分たちが待たされていることも知らないはずです。
昨年、全体で行われた会社説明会は、「当日受付」に並んだ学生さんたちの数が多かったため、彼らの入場を待つため開演時間を遅らせました。
列の整理をしながら僕は、小学校の修学旅行の前日に担任の先生から配られた持ち物チェック表を思い出し、チェック表も空しく持参しなければいけなかったお昼のお弁当を忘れた惨めな自分の姿を懐かしんでしまいました。
筆記用具、携帯電話、油とり紙……用意しなければいけない持ち物は沢山あるかと思いますが、出かける前に自分が何者であるか再度事前確認をしてみてはどうでしょうか。それを個性と呼んでいいかどうかはわかりませんが、首から提げられているIDが、最低限の自分を表現しているものの一つなんじゃないかなと思います。
開場前にIDを首から提げて並ぶ学生さんと、慌ててIDを求めて並ぶ学生さん。
皆さん自己表現に必死のようです。
次回は「よくある質問」についてお話します。