ちょっと変わったことをする子がいた
大人達は「あの子はねぇ…」とか「変わり者だから関わらないようにね」だなんてよく言っていた

でも別にその彼は、誰にも迷惑をかけてはいないのになぁと子どもの私は思っていた

ただ今、大人になってわかることは
周りの熱と彼の熱が少しだけ違ったのかもしれない



私の実家の裏に下水がまだ整備されていない小さなドブがある
小学2年生ぐらいの時、彼は突然思い付いたように
『自転車でウィリーしたまま
飛び越えてみよう!』
と鼻の穴を膨らませながらニヤリと笑って言った

たしかもう一人近所の男の子もいて
3人で遊んでいたと思うが

私とその男の子はもちろん
笑っているだけで挑戦はしなかった

でも彼はちがった
彼なら絶対にやるだろうと私達は
何故かわかっていたので彼を止めはしなかった

案の定というか、やはり(笑)
助走も無しでそのドブを
飛び越えられるワケもなく
自転車ごと彼は落下した

どうやってヘドロだらけのドブから
彼を救出したのか?
それとも自力で上がって来たのか?
そのあたりのことは全然覚えていない

ただ、本気でトライして
落ちてしまった事にビックリしたのと
面白すぎたその記憶が衝撃的すぎて
今でも記憶に残っているのだと思う