尿検査、血液検査、血圧などの検査を終えて異常ナシ



救急外来ではドクターのたまご?
と言われる研修医の先生が
懸命に処置をしてくださっていた



20台ぐらいあるだろうか
その中のカーテンで仕切られた
端っこのベッドに
父は横たわっていた



指先には心電図や脈を取るための機械
右腕には血圧を測るための装具


トイレに間に合わず粗相したのか
布団をめくると
リハパンだけで

か細い足が剥き出しになっていた


ベッド下に布パンツと
ズボン下らしきものが
ビニル袋に入っていた



その横には息子が小学生の頃
使っていたアディダスのリュック

私が父にあげたものだった



中を開けてみると
ちゃんと青いポーチに
保険証と介護保険証と診察券が
入っていた



苦しくて不安な中
一人で救急車を呼んで
ちゃんとこうしてリュックを
持ってきてくれていた



なんだか胸が熱くなって
泣きそうになったけど
ぐっと涙をこらえた




ただ気になる点は
少し熱があったということ



なんとなくだるい
から始まって
トイレでふらつき
めまいがしたという



心筋梗塞もあるので
そちらも心配だったが

以前の肺炎から
まだ痰が絡まっていて

その影響が多少あるとのこと




明日の月曜日、呼吸器外来を受診し
再度レントゲン撮影になる



とりあえず入院にはならず
帰れて良かった



帰宅する前に
お昼も食べていなかった父へ
お腹すいてるんじゃない?


と聞くと


「寒天ゼリー食べたいなぁ」


というのでスーパーへ寄る


ほかに何が食べたい?

と聞くと


「昨夜の残りの うどん食わなかんで
六貫だけ入った寿司買ってきてくれ」



という



うどんを温めなおすとき
麺とお揚げをハサミで3センチぐらいに切った


唯一残っていた上の二本の歯が
全て抜け落ちてしまって
義歯がはめれないからだ



そばについて食べる所を
じーっと見ていたら



「お前も食えよ?」



と言ってくれた



いや、あのね
そうゆう意味じゃないんだけどね…笑



上顎と下顎を器用に動かして
ハグキで潰している感じだった



もうこれは人間の本能だと思った
どんなにしんどくても
食べたいという気持ちや
食べようとする意欲




この感覚を大切にしながら
より創意工夫を凝らし


食べやすくしてあげたり
楽しい雰囲気を作ってあげたい

そう思った


一人でできても
おぼつかない足取りで
一人で用意して食べるご飯は
あんまり美味しくないだろう




父の一番の病は
心の栄養不足だと感じた




これからは
面倒くさがらずに
できる範囲で
寄り添ってあげたい