台湾に引っ越してきて1年が経った頃、
嵐のようにやってきた駐妻Mさん。
彼女はあっという間に、
くったくなく、
真っ直ぐに向かってくる
信頼しきった姿で
私のあまり開いていない心を
がっつり鷲づかみにし、
絶妙な距離感を保ちつつ、
私の台湾生活の一部になっていった。
着物で出かける機会には、大抵彼女がいた。
オットも交え、カラオケにも行った。
何故か
私達は誕生日の前日を彼女と彼女のご主人と、4人で過ごした。
ずっと、心地よいお付き合いが
ずっと、このまま続くのだと思ってた。
一昨日
「本帰国する」
突然そうLINEがきた。
わかっている、
駐在とはそういうものだ。
こちらどころか、本人の都合や意思すら
どこにも存在しない…。
バンコクでも別れはあった。
でも
私達は
どちらかといえば
送る方ではなく、
送られる方だった。
これからも…
台湾にだって
いつまで居るかわからない。
だから
「行かないで」とも
「寂しい」とも
言える立場ではない。
それでも
あまりにも
彼女は私の中での
大きな存在になってしまっていた。
もともと「独り」で
誰かと特に仲良くつるむこともなく、
集団に属することもあまり好きでないため
また「独り」に戻るだけだ。
たまたま
ウマがあったり
共通の趣味や
目指すものがあれば
頻繁に会うことになるが
基本的に私達は夫婦で家にいる。
彼女はそんな私を
外に連れ出した。
嵐のようにやってきて
嵐のように去っていく。
本帰国前に
たくさんお出かけしよう！
と、彼女とのスケジュールが埋まってゆく。
そして
私は
ポツンと
「独り」になるんだ。
寂しさは
私の中の「孤独感」が感じさせている、
そう理解出来るようになったけれど、
どっぷり
「孤独感」を感じるのも
良いのかもしれない。
「独り」が好きで
「独り」が嫌い。
そんな私と
付き合ってくれたMさん。
ありがとう💖
オットの次くらい
近くまで入ってきてくれたね。
ありがとう。