Yosuke Hasegawaは 紙幣をモチーフにして作品を作っている。
今台湾で発表しているのは、
一枚の紙幣を折り、形と価値を変えてみせるおりがみシリーズ
紙幣を切り刻み、新たな価値を表現するカッティングのシリーズ
紙幣の色柄をバラバラにして、再構築していくコラージュのシリーズ
それぞれドローイングやプリントなどと組み合わせてお金や経済中心の社会に起こる様々な問題や歪み、お金に対する信仰めいた価値観に問いかける。
だが作品はあくまでも
ポップであったり
美しい。
そこにどんな意味や
思いをのせているかは、実際に本人に問いかけるのが一番だろう。
そういう理由もあり、私は他のアーティストの作品を見るときには、オープニングの日にギャラリーを訪れる、または本人の在廊時を狙うようにしている。
今回の個展の会期は19日間と比較的長めだった事もあり、直接会場に在廊していたのは10日に満たない…。
だが、私達がいない日にも
コレクターや一般のアート好きな方々は足を運び、作品を購入してくれた。
ありがたいことだ。
お札を折り始めたのが2006年、
その後、より深く世界の金融システムについて追求し始めたのが2011年。
日本の政治のあり方に疑問を持ち、それが絶望に変わり、日本を離れたのが2013年。
その間にもお札おりがみのシリーズは世界の様々な場所で展示や、時には印刷物で取り上げられてきた。
グループショウや個展などの機会にも恵まれて続けてきたART活動だった。
今回、台湾中央銀行から講演依頼が舞い込んだ。
これには驚いた。
銀行が作品を購入、というのなら、
あり得る、想像の範疇だったのだが…
世界の中央銀行システムへの疑問や皮肉を作品に込めている彼に、
銀行、しかも 中央銀行からの講演依頼…。
思ってもいなかった未来が今ここに。
戸惑いを、
次々舞い込んでくる
チャンスに、締め切りの日付順に作業を続ける中で
消化しつつ、準備に取り掛からなくてはいけない。
これも
チャンスの一つ。
私は全力でサポートしよう。
2人で漕ぎ出した船は、
いよいよ、大海原に出たらしい。