ひとり親になり、もうすぐ19年。
とても不思議なことがあります。
靴下が迷子になるのです。
洗い上がった洗濯物から
靴下を取り出し、
色、風合いごとに並べて、
トランプの神経衰弱のように
合わせていく。
気を抜いてはいけません。
成人男性の靴下は、外観がよく似ています。
確認する際には、
色だけではなく、
全体の長さ、上部の締め付けゴム部分の長さ、
編み方、そして柄。
これらの関門を経て、はじめて
上部をグルグルと重ねて、クルリンパと合体させます。
毎回セットで履くのに、
なぜ行方不明になるのか?
不思議でならない。
いい歳したおじさんは、原因を考えてみた。①
簡単だった。
脱ぎっぱなしにしているからだ。
では対策は――
脱いだら洗濯ネットに入れる!
これは、すごい。
だって、必ず揃っていますから!
たまに、くしゃっと丸まっているのはご愛嬌。
しかし、問題もある。
そんなに几帳面なら、
この問題はそもそも生じない。
そう。
たまにでも脱ぎっぱなしにすると、
元の木阿弥になる。
いい歳したおじさんは、再度考えた。②
週に数回洗濯しても、
毎回答え合わせをしているわけではない。
きっと、うまく照合できていないのではないか?
買う時は雰囲気で選ぶけれど、
どうしても既存のものと似てしまう。
ならば、
色や編み方が特徴的なものを買えば
比較しやすい。
そう思ってみたが、
なぜか奇抜なものも、ひとりでいる。
いい歳したおじさんは考えた。③
Amazonで、同じものの5足セットを買った。
これは、合わせるという作業そのものがなくなった。
逆に言えば、
何足か紛失していても、
実害はない。
こうやって、
我が家の秋は深まっていく。
家内が生きていた時には、
こんな不思議はなかった。
彼女は、
どんな魔法をかけていたのかな。