今日も熊野古道歩きの続きを。紀伊路の終着点である、紀伊田辺駅を目指す最終日になります。


今日は先週帰途についた切目駅からスタートです。



駅を出て急な坂を登ります。


1つ目の王子である中山王子へ。

ここからはしばらく山の中を歩き、抜けると海が広がっていました。




次の王子はこの踏み切りの先にありました。
海が近づいてきました。ワクワクしますね。


ここみなべ町は紀州梅の一大産地で、梅畑が至るところに広がっていました。
目に見える全てが梅の木でした。
春先には花が咲き、町中に良い香りが漂っているそうです。来年また来たいと思います。


ここからはルートはまた海に戻り、紀伊路の中で唯一の砂浜の熊野古道を歩きました。

200m程ですが、トレッキングシューズに砂が入り、歩きにくかったです。


さて、ここからは田辺市に入っていきます。
紀伊田辺駅辺りは中辺路と呼ばれるメインルートの出発点になります。そこに向かう前に海で体を清める潮垢離を行ったそうです。

この後はしばらく市街地を抜け、徐々に山間部を歩き、中辺路の重要起点である滝尻王子に向かうのが、いにしえの時代からの正式なルートだったそうです。


自分は昨年紀伊田辺駅から滝尻王子まで歩いたので、今日は紀伊田辺駅まで歩いて紀伊路の旅を終わりにしました。


今回の熊野古道紀伊路歩きは6日間で計187kmでした。いくつかの峠越えはありましたが、平地の舗装路を歩くことが多く、比較的楽ではありました。

大阪府の熊野街道に対する熱量は少なく、道標が全く無かったり、王子跡さえなかったりすることも多くありました。熊野古道は歴史に埋もれてしまっているんだなという感想です。
和歌山県に入ると一変して、道標はかなり多くありますし、熊野古道沿いの地域では、文化としてずっと残されていると感じました。

紀伊路を歩いてみて、何十万もの家や工場等の建物や畑の横を通りました。辺鄙な所でも人は何かしらしていますし、軽いバックパックを背負っている身でさえ上がるのがキツいような山奥にも、どこかの時代に誰かが人工の物を設置しています。自分のとは違う生活や人生がたくさんあるんだろうと思いながら歩いていました。
自分は特に何か願をかけて熊野古道を歩いているわけではなく、こういった人間の営みを目にすることに興味があると今回気づきました。

熊野古道は時代によって微妙にルートは変わったそうです。海や山に関しては、熊野詣りが盛んだったいにしえの時代の人達と同じ景色を見ていたのかと思うと、エモいですね。
車やバイクで通り過ぎるだけでは見えない景色をたくさん見られたことが良かったです。

特に和歌山に入ってからの熊野古道は楽しい道ばかりだったので、また歩きに行こうと思います。