メローなブギにしてくれ | ヒロポタンの足跡

ヒロポタンの足跡

これは、気まぐれヒロポタンのたどった足跡(主に飲食系 その他諸々)を忠実に、そして、写実的でありながらも叙情的な文章で綴った、臨場感溢れる心温まる手記です。

 野鳥の囀り(鳴き声)を聴き取るとき、よく人の言葉に置き換えて覚えたりする。「ききなし」という。ポピュラーな例として、耳に入るのも秒読みであろうウグイスのホーホケキョ(法華経)がその典型だ。その他、ツバメは「ツチクッテムシクッテシブイー(土食って虫食って渋い)」とか、メジロは「チョーべーチューべーチョーチューべー(長べえ中べえ長中べえ)」などと聞きなされる。現代よりも農耕が盛んだった頃は、野鳥の行動や習性で季節を感じ、また、農作業の準備を進める一つのタイミングとして気持ちを高めていったものと思われる。
 今朝、我が家の庭先の上空から「ツキニシュー(月二周)、ツキニシュー(月二周)…」の声を耳にした。ヒバリである。今年になって初めて聞いた。ウグイスとともに、春の確かな到来を元気いっぱいに教えてくれる小さな野鳥である。家庭菜園も含めて何もアグリめいた事をしていないが、我が家ではスタッドレスタイヤから夏タイヤに履き替える指標にしている。これで、また一つ、「なごり雪」のメロディに乗ってソソクサと冬が立ち退いてゆきそうだ。
 浮き足立った気分で、少々湿っぽいそよ風に誘われて宇都宮駅前のトナリエに行ってきた。用件は、うちのカミさんの予約制痩身施術を受ける事、並びに、最近高頻度で足を運んでいる当ビル地下のラーメン横丁で昼食をとる事という二大重要目的を果たすためであった。従って、昼食は子供と二人で臨んだ訳になったのだが、これについては、昨夜、「3軒テナントとして入っているラーメン店舗のうち既に2軒は調査したので、残り1軒を実地調査しラーメン横丁の存続のあり方を検証してみたい」旨の相談を子供から受けていたので、快く協力することにしたのだった。
 件の残り1軒のラーメン店とは、「博多ラーメン 長風」である。不要不急の外出自粛の最中において、九州まで足を伸ばさなくても宇都宮駅前の地下で博多の味を堪能できることは特筆に値する。

 
 着席後、他のテナント店と同様に食券の事前購入システムを採用していたため、スタッフに食券を手渡して注文手続きは終了した。待っている間を利用して店内を見渡すと、テーブルの占有状況は比較的若年層が多数を占めていた。自分達が入店する際も、直ぐ後から校則に則ったブレザーに身を包んだ数名の男子高校生グループがワサワサと入り込んできた。なお、自分は替え玉1回無料サービスを最大限に活かすためスタンダードな博多ラーメンを、子供は博多ラーメンにプレインストールされているキクラゲの摂取を回避するため濃厚担々麺をそれぞれ選択した。

〈食前の状況〉

 子供が高温のスープに悪戦苦闘していたため、小皿(茶碗)の借用を店員に要求し、併せて、自分用の替え玉も要求した。

〈替え玉投入後の状況〉

 自分はもとより、小皿を効果的に使用したことにより子供も安全かつ快適に満足感を伴って完食した。

〈食後の状況〉

 穏やかな春の陽がゆっくりと雲に遮られはじめた午後3時。帰宅した玄関前。やや強めの北風が電線を、木の枝を、そして、幹線道路の騒音を揺らしていた。軽快なリズムにほんのりと芳醇な花の香りを乗せて、高らかに歌っていたヒバリは、もういなかった。