ウイルスの蔓延と感染拡大に伴う不要不急の外出自粛下において、詳細を明らかにすることはできないが、家族全員で宇都宮市南部のインターパーク地区へ行かざるを得ない事情があった。その為、外出行動の合理性を考えて餃子の王将で昼食をとることにしたが、実は、この段階以前ですっかり食欲という本能が理性を大幅に超過していたのだ。冷たい雨が落ち始める空のもと、インターパークへ向けてハンドルをギュッと握りしめながら、店内で勢いよく立ち上る湯気に包まれた熱々の餃子をハフハフして食べている自分を、つい想像してしまった。一度想像してしまった唾液腺に刺激を受けた麗しき光景は、二度と頭から消し去ることは不可能で、むしろカラダの真ん中から沸々と湧き出る食欲の疼きは増幅するばかりだった。紳士的かつ冷静に理性が正常に働けば、テイクアウトで購入して、大人しく家で安全に食べることを迷いなく選択したのだろうが、心のベクトルはクルリと反転した。どうしても、店内で出来たて作りたてを食べたいという魂の叫びは、脳の浅い部分でイケナイコトと思いつつも簡単に抑えきれるものではなかった。「いいじゃないか。熱々ギョーザ食べちゃえ~」と、ドスの利いた悪魔の囁きがココロを支配した。

時計の針は午後12時30分あたり。店内は、とても緊急事態宣言発令中とは思えないほど、多くの利用客で賑わっていた。ただし、以前と違うのは、食事中以外はほぼ全員マスクを着けていた事だった。例外に漏れなく、新しい生活様式に従って自分達も同様にした。そして、まるで催眠術に掛けられていたかのように、我が家全員ギョーザを頼んだ。
〈食前〉

〈食後〉
…そして、我が家の催眠術は解かれた。
そういえば、餃子の王将をはじめ、幸楽苑においても、「2」の事を「リャン」と発言していた。おそらく、2をリャンと中国読みするのは日本における中華料理店独特の慣習なのだろうと解釈したのだが、でも、1は「ワン」だったような…。では、3は?4は?…。後日、中華料理店における数字の呼称についてモニタリング調査を行い検証したい。…と、夢中で食欲に突進しながら、我が理性は冷静に店員スタッフの行動を耳で追っていた。
