夢追い雲 | ヒロポタンの足跡

ヒロポタンの足跡

これは、気まぐれヒロポタンのたどった足跡(主に飲食系 その他諸々)を忠実に、そして、写実的でありながらも叙情的な文章で綴った、臨場感溢れる心温まる手記です。

 穏やかな、秋の陽ざし。見上げれば、一筋の雲を残して、点のような飛行機が空の奥深くへ消えていった。そして、眠気に誘われるままに、そっと目を閉じた。



 どのくらい眠っていたのか。しばらくして、ゆっくりまぶたを開くと、果てしなく広がる白い絨毯の上にふわふわと寝そべっていた。聴こえてくるのは、ヒュウという風の音だけだ。白い絨毯は、見渡す限りどこまでも続いていた。素直に、
「ここは、どこだろう…。」
と疑問が湧いた。すると、どこからともなく、
「さっき、君が見上げていた雲の上だよ。」
と、聞こえたように錯覚した。
「錯覚じゃないよ。ほら。」
どうやら、相手とは思念で通じ合えるようだった。
「僕は、君のことを知っているよ。あの時から、ずっと。」
と、続けてきた。
「知っている…? いったい、誰だ。」
不思議に思いつつも、誰ともなく問いかけた。
「雲だよ。こうして、君と話せて嬉しいよ。」
「知っている…? 何を知っているんだい?」
と、もう一度、雲に聞いた。
「日曜日の夕方、家族で丸亀製麺に行ったでしょ。みんなで、うどんやかき揚げを美味しそうに食べてたね。」


…確かに、そのとおりだった。雲は続けた。
「僕は、うどんを茹で上げた時の湯気から誕生したのさ。そして、君といっしょにドアをすり抜けて、上を目ざして雲になったんだ。」
「あの時の…。そうか…。」
妙に納得した。更に、
「上にいって、どうするんだい?」
と、雲に聞いた。
「僕には、夢があるんだ。」
「どんな?」
「…そうだね…。」
雲は、なかなか教えてくれなかった。
「また、君と会いたいし、話もしたい。どうすればいい?」
と、問いかけると、雲は、
「澄んだ夜空を見上げてよ。そしたら、僕と会えるよ。」
と、答えてくれた。
「澄んだ夜空に、雲は、ないよ。」
「僕は、無数に輝く星屑になりたいのさ。」
と、雲はまるで目を輝かせた子供のように、力強く、そして、優しく話してくれた。
「星屑になって、ずっと君たちのことを見守るよ。」
 その言葉を聞いて、何度も、何度も、黙って頷いた。