夜の宇都宮市内で彷徨い人になった | ヒロポタンの足跡

ヒロポタンの足跡

これは、気まぐれヒロポタンのたどった足跡(主に飲食系 その他諸々)を忠実に、そして、写実的でありながらも叙情的な文章で綴った、臨場感溢れる心温まる手記です。

 
 月曜日の夜のこと。10時を回って、ソファでウトウトしていた時で、そろそろ眠りに就こうと思っていた矢先、ウチのカミさんが血相変えて揺さぶり起こしてきた。何の騒ぎだと思ったら、宮の食べトクチケットプラス1000円券が、もう無くなりそうだと言うのだ。どういう事かというと、この「宮の食べトクチケット」というのは、5000円で6500円分の食事が楽しめる宇都宮オリジナルのプレミアム付き飲食券のことで、このチケット使用後、使い終わった表紙を当チケット購入窓口である郵便局に持っていって次のチケットを購入すると、更に「もっと食べトクチケット1000円券」というオマケがゲットできる本当にお得な地域振興券のことである。つまり、「この食べトクチケットを使ってどんどん外食して、また次のチケットを買えば、プラス1000円券がタダで手に入りますよ。だから、もっともっとドンドン外食しましょう!」という消費者心理を巧みに利用した市独自の緊急経済対策事業なのである。従って、1000円券は先着順ということになり、なくなり次第配布終了になるので、ウチのカミさんはなくなる前にゲットしたいのだが、もうなくなってしまうという情報を聞きつけ、慌てて訴えてきたと、こういう訳なのである。…ふぅ、ここまで説明が長かった。いや、まだ、終わっていない。「だから、今のチケットを早急に使いきって、新しいチケットと1000円券をゲットしたい! できれば、明日(火曜日)の夜は、ラーメン食べに行きましょう(妻談)。」…説明終了。ぜぇぜぇ、ハァハァ…。
 で、火曜日の夜、仕事から帰宅後早々に向かったのは、競輪場通りにある「栃木軒」。宇都宮で佐野ラーメンが食べられる。個人的に大いに気に入っているラーメン店の一つだ。しかし、到着した時には人の気配は全くなく、店内は暗闇の中に沈んでいた。ここまで運転しながら、頭の中で栃木軒のラーメンをすすっているイメージトレーニングを済ませてきていただけに、ショックは大きかった。一時的に思考は停止し、彷徨える難民と化した。時計の針は8時を回ろうとしていた。どうする…帰るか…。それとも、代替案は…次善の策は…。焦りは募るばかり。
 そこに、カミさんから、「幸麺どうか?チケット使え、まだやってる」と、ツルの一声が飛び込んだ。我々は、この一点に全てを賭けた。そして…。

 
 やっていた…。しかも、奇跡的に行列もできていない。早速、注文した。スタンダードに味噌ラーメンを。

 
 細胞の隅々にまで旨さが浸透した。


 ところで、マイブームを持っている人間を見ていると、とても生き生きとしていて、バイタリティにあふれているのが顕著に分かる。なので、近寄ったりするだけで幸福感の高いエネルギーを貰うことができそうにすら思う。仕事仲間のマツイ(仮名)さんはキャンプにハマっているし、ウチのカミさんは暫くラーメンブームが続いている。共通して言えるのは、二人ともいつも目が輝いていることである。「人の不幸は蜜の味」という言葉がある様に、他人の不幸も自分のエネルギーになるのだろうが、そんなモノより遥かに健康的でポジティブなパワーだ。

 こうして、一時難民と化した我が家は、ウチのカミさんのポジティブパワーに救われたのだった…。