フィジー戦のパフォーマンスを象徴するショット。この9月シリ
ーズで〝繋ぎ役〟としてインパクトを残したイノケさん。ジャパ
ンの形が見えてきた。後方の太っちょサポート軍団も👍ⒸJRFU
ドメスティックシーズンを迎えつつある時間になったが、9月のおさらいを。
当初から、コラムを書かせていただいている編集サイドとも「初夏と秋のネイションズチャンピオンシップと比べると、若干ヴァリューの下がる大会。余程喫緊で書くテーマが無ければ、勝負のかかるフィジーとの3試合目の後、3試合まとめてでもいいのでは」という判断で、ひとまとめに。前後編のボリュームにはなってしまったが、9月のテストへ向けた合宿メンバーが発表された段階で、このような見通しを立てた。
万が一、この3試合で衝撃的なデビューを果たすような選手がいるか、もしくはここまで見られなかった〝何か〟が起きれば随時書こうとも考えていたが、そこまでのゲームではなく、月末のアップで落ち着いた。
で、3試合を終えて感じた〝まとめ〟が、この前後編と相成った。コラム内でもしつこく書いた通り、小刻みなバスの交換から生み出すラグビーに、ようやく〝超速〟の強みが出てきた。そこから、相手のライン防御人数を減らして、大きく、速くボールを動かし、フィニッシュまで持ち込めれば、これから待ち受ける上位をすこしだけ煩わせることが出来る。
そこに辿り着くために必要なものも、諄いほど書いてきた。精度と判断力が遂行力の低さの要因だと感じるが、一つ、ポジティブにも捉えていいアメリカ戦後の選手の反省の弁は「攻め急ぎ」だろう。これは、先述したショートレンジでのパス交換、繋ぎによるアタックが生み出したもの。福田くんのコメントがよく物語っているが、ティアナンら多くの選手も口を揃えている。
▲現状この2人がコアになるのは明白。あと1年、怪我があるとジャパンもちょっと…ⒸJRFU
連続攻撃が生み出す相手防御の破綻が見えていたからこそ、そこへボールを持ち込もうと攻めるマインドが選手を前のめりにさせて、結果的に攻め急ぎによるミスが目についた。それも、まぁテストマッチ=真剣勝負と考えれば「いかがなものか」ではあるが、フィジー戦も含めてなんとか勝ち切れたのをギリギリよしとしよう。
この攻め急ぎが改善されるのは時間の問題だろう。来年の10月3日ニューカッスルでのサモア戦まで、残されたテストは概ね10試合前後。この800時間の中で、もうすこし落ち着いたゲーム運びは出来ると期待している。ここは齋藤直人、伊藤龍之介、李承信らがどこまでチームをオーガナイズ出来るかに期待しよう。
コラム後編では、メンバーセレクションについてかなり勝手な〝SF〟を書いたが、任命責任のない立場だから出来る〝お遊び〟とお許しいただきたい。但し、小生予想屋じゃないので、
▲▼そして、僭越ながら〝繋ぎ役〟として脇を固めるのが、こういった面々ⒸJRFU
その顔ぶれについてはコラムで書いたので割愛するが、違った側面からみると、もう「セレクション」ではなく、組織としての「熟成」に取り組むべき段階にチームは入るべきだろう。11月のヘビー級の相手との対戦で、フィジーを倒したアタック、封じ込んだ防御に更に磨きを掛けるのが大きなテーマだ。
例えばジャパンが1年後にベスト8以上に食い込むと想定した場合、日本は戦術、組織プレー、コンビネーションの完成度で相手を上回らなければ〝その先〟はない。そのために、アドバンテージポイントにしたいのが「時間」だ。対戦相手以上に、メンバーが集まる時間を確保し、組織プレーとしてより精度の高さを持つチームを作ることが重要だろう。おそらく宮崎ではなく、同じエリアの〝すこし温かいモノ〟のある地で行われる10月の再集合からは、選考や育成以上に組織としての「熟成」にフォーカスを当てていかなければ、来年10月に間に合わない。セレクションに関しては、11月のツアーでの若干の新陳代謝はあるものの、その選手たちも含めて2027年シーズンは、さらなる組織の熟成に大きく舵を切っていくべきだ。
そんな、取材者として感じた勝手なピリオダイゼーションで、この先新たに選ばれるのは、即戦力の実力者1~3人程度、その多くは何か秀でたもの、いまのジャパンメンバーにはないものを持った外国出身選手だと考察している。勿論、新規採用なしで突っ走るという選択肢もあるだろう。その中で、エディーの唱えたトライゲッターが存在するのか、存在するとして「8強突破」というミッションに貢献できるのか。ここは、この先のメンバーを見てのお楽しみとしておこう。








