発表されましたね。リーグワン日程。
遅れに遅れて、出てきたのは〝虫食い〟だらけのカレンダー。
昼間のブリーフィングを聞いて、やはり、どうしても「うむむ」と唸ってしまうのは、毎年変わらない。
ちなみに、今回の「遅れ」は数チームがスタジアム確保に、例年以上に苦しんだため。相変わらずの根源的な問題は、今年も変わらない。そりゃそうだ。抜本的な手を打てないままだから。
ケチばかりつけているようで申し訳ないけれど、今年も開幕は昨今の小学校の運動会のような、ヘンテコな〝平等主義〟のようなカーディングだ。毎年開幕の時期に感じるのは、せっかく新しいシーズンが始まるのにも関わらず、ラグビー関係者、ファンを越えた、社会全般へ投げ掛けるようなインパクトが、ほとんど伝わらないこと。
「日程」というのは、あくまでも優勝という最終地点へ向けてゲームを進めていくための道標や地図のようなものかも知れない。けれども、上手いやり方さえ出来れば一つの1PR材料として有効なツールにもなる。
レギュラーシーズンを戦い続けること自体は毎節毎節、社会へ向けてインパクトがあるものではないかも知れないが、「開幕戦」というだけで、メディアや世間からも注目を浴びるチャンスは多分にある。
そうなるには、開幕戦自体にインパクトのあるカードを持ってきたり、どんな舞台を用意するかが大切になる。イージーに考えれば、昨季王者のコベルコ神戸スティーラーズや、決勝を戦ったクボタスピアーズ船橋・東京ベイ、一昨季王者で、神戸とは長年のライバルでもある東芝ブレイブルーパス東京が対戦するなど、判りやすく、万人向けのストーリーを用意することで対戦カードの価値を上げる。舞台で言えば、やはり国立を媚態として、尚且つそこを満杯に埋める。そういうエフォートで、社会にもラグビーが「結構やるじゃん」とインパクトを与えることになる。ゲームから離れれば、試合前に解散した「嵐」がオープニングアクトを務める(例えです)こともアリだ。
この「オープニングゲーム」という特別な試合を用意しないことに対しては、このブリーフィングでも東海林一専務理事に質問はしている。答えとしては、各チームが自分のホストスタジアムでの試合開催に注力することを重視して、敢えて大きな器でというのではない従来の開催を踏襲したという説明。同時に、各チームもシーズン中に味スタ、トヨタスタジアムでの開催も用意しているとの説明もあったが、先の書いた通り「開幕」で世間様にアピールするのと、シーズンが始まり数節過ぎた時点じゃ、そのインパクトの質もボリュームも比べようがない差があるのは明白だ。
しかも、その巨大スタジアムを満席にすること自体を、単独のホストチームに投げてしまうこと自体誤りだ。リーグも、いくばくかは他のリーグワンチームも「自分たちのリーグの〝正月〟」という意味合いでの強力をして、同時に協会自体もプッシュしていく総力戦で実行しなければ、社会にインパクトは投げ掛けられない。
今の段階では、リーグ側には、そのような大きな器を満杯にすることで社会にラグビーないしリーグワンがインパクトを投げ掛けるという手法には興味がない、もしくは、その力はないということを認めているのは非常に残念だ。個人的な印象だが、我々報じる側としても、毎年リーグ開幕前後に感じるのは、社会にもそれほどは関心を持たれることもなく、しれっとシーズンが始まっているという現実だ。
毎年のように、これを何とかしたいとと思うのだが、主催者側はほとんど動かない。コロナの時期に、リーグ側も国立での開幕戦をスケジューリングしたが、まさに感染者増加で吹っ飛んだ以降は、リーグがファイティングポーズと取ることは無い。
そして、もう一つがっかりなのは「地方開催」、つまり都市圏に集中する各チームのホストエリア以外での試合の少なさだ。ざっと見ても、リコーの佐賀開催、トヨタの小倉開催などが「地方開催」として目につくが、どれも自治体と包括協定を結んだ地、つまり「セカンダリーエリア」ばかりだ。
リーグ側の説明は、「去年と同等」ということだが、実際に去年も決して多くなかったため、新シーズンも少ないということだ。しかも「地方開催」について、リーグ側の意識、認識は、その発言からだと原則セカンダリーエリアのこと(だけ)を考えている。しかし「セカンダリー」という地域自体が相当に限定された地域になるので、ラグビーが現状以上に、より広範囲の地域で親しみを持たれる競技になるのは難しい。
全国に数多ある都市で試合を開催すること、国内最高峰のラグビーを見せること。これほど普及にとって重要かつ効果的な術はないだろう。だが、今や、トップリーグ時代には公式戦も開催されてきた町が、リーグワンではホストエリア、セカンダリーエリアに限定されてしまっていることで、全国のほとんどの都市で、国内最高峰のラグビーを観戦、体験出来ない時代になろうとしている。
実は、この問題は、数週間前まですったもんだしていたカテゴリ問題、つまり日本国内の競技人口をいかに確保し、広げていけるかという問題なのだが、それと同等に重要かつ深刻な問題と思えてならない。
首都圏や大都市部だけで日本代表や世界クラスのスターが華麗なプレーを披露しても、日本全土では加速度的にラグビー人気は下降線を描くばかりで、その歯止めもかからないだろう。高校の競技人口、花園予選の参加チーム数を見る度に、危機を感じてしまうのは杞憂しすぎなのだろうか? 今回もまたここ数年同様に溜息をつくような日程発表およびブリーフィングだった。
もう一点、相変わらずと感じさせたのは、先にも触れた〝虫食い〟だらけの試合スケジュールだ。一部の試合会場未定と共に、キックオフ時間は全て未発表。これじゃ、ファンは地方から観戦に行く旅程をなかなか確定出来ない。
このスケジュールに関しては、冒頭で触れたように数チームが会場確保に苦しんだことが響いたが、すこし優し目に解釈すれば、先ずはカードと開催日を「先行的に」ファンへお知らせすることを優先して、後に時間、一部会場(現状「東京開催」などの表記)も発表すると解釈すれば、開幕戦の盛り上がらなさ、地方軽視の問題よりは微笑ましい。
残念だったのは、開始時間未発表の理由として「中継側との調整」をリーグが挙げたこと。確かにテレビ視聴は、普及や認知度アップには重要なコンテンツだ。だが、現実にテレビ中継を見れば、一部の地上波を除けば、その大半はペイTVだ。つまり、従来のコアなラグビーファンしか視聴しない中継が大半で、新規ラグビーファンを開拓するツールにならない可能性が高い。そう解釈すると、リーグ側がもっとしっかりと「向き合うべき対象」を見据えた事業展開をするべきだという指摘もせざるを得ない。
今シーズンも、余程何かの〝事件〟が無ければ、粛々と開幕戦が始まり、相変わらずラグビー村の数少ない住人だけが心をときめかすリーグが待ち受けているのだろう。

