土曜の2試合について少々…と思ったら長めになったので、FBではなくコチラで書いておこう。
なんだか、世間ではケープ試合については「低空飛行」が話題のようだが、今季ここまでの最高レベルのゲームへの関心を削いでしまい兼ねないのが非常に残念。一般論では、確かにあの低さは「どうよ」レベルだが、この国のラグビーにとって、大型旅客機での〝演出〟は、かの1995大会へのオマージュとしても特別なもの。そして、ビジター側の特権事項「ハカ」が醸し出す空気感を打ち消してキックオフを迎えるという〝対抗策〟としても意味がある。パイロットが若干やっちまったレベルでいい話しに過ぎない。
で、そんな「最高レベル」だが、もしかしたら、ここ1週間久しぶりに学生さんばかりの試合を観過ぎていた影響もあるかも知れないが、そりゃ世界ランク1位と2位じゃ、ベストゲームでも当たり前かも知れない。
観戦(視聴)は、なんだか変則に。キックオフ直前に見事に寝落ちして、目覚めた時には、すでに番組自体が終わろうとしていた。つまり、ほぼほぼ試合時間に落ちていた。
なんとも遣る瀬無い、若干腹立たしい思いも感じながら、長野の旅で撮り貯めていた動画など観ながら大猫と小型カンガルーのキックオフを待ち、観戦。
で、翌朝に、ケープのゲームを観戦した。
唯一の救いがあったのは、先に世界ランク7位vs8位を観戦出来たこと。というのも、同じく1位vs2位を観終わってから、ある〝驚き〟を感じていた。それを確かめるために、早送りながら再び南米のゲームを見直した。
こちらも結論から書けば、ゲームの見応え感が、この世界に名立たる4チームの戦いでここまで違うのかと感じる程の大きな差があったと、個人的には感じた2試合だった。
つまり結果的に〝第1試合〟としてプーマスvsワラビーズを観た時点では、そんな格差を感じなかったが〝第2試合〟観戦後に、ふと「すこしレベチじゃね?」という感覚に襲われ、それを確かめるために再び南米のゲームを確認したのだ。
まぁ、個々の技術的にはそこまで差はなかっただろうが、ゲームを動かすダイナミズム、一つ一つの接点の激しさ、南アの試合がヘビー級なら南米はすこし大袈裟かも知れないがバンタム級という重量感の差がありながら、スピードは同等、否むしろよりスピード感に満ちた試合をヘビー級の2チームが演じていた。
感覚的なハナシであるので個人差があるかも知れないが、「トップチーム」という称号があってもいいワラビーズ、プーマスではあるが、このレベルのチームでも、若干調子を落として7位、8位に後退すると、1位、2位とは、こんな格差が出来てしまうのか。そんな思いを感じつつ、2試合+ダイジェストを視聴した。これをキックオフ時間通りに南米のゲームを後に観ていたとしたら、かなり落胆の中での観戦になっていただろう。
で、書いておくべきは、もちろんボカvsオールブラックス。第1テストの結果を見ても注目の再戦だったが、キックオフ直後の先制パンチに、1位を明け渡した王者の気迫を感じさせられた。いや、気迫より気合が適切か。
ゴール前、復帰してきたシアの、あのアングルとスピードのキャリーからのラックが全てだったが、そこをフィニッシュまで持ち込んだのは、かの町田の住民ジェシー。キックオフから2分に満たない一撃だったが、相手の頭の皮を毟り獲るような激しさと決意を感じる数秒間だった。
合理的なハナシをすれば、ラインアウトの出来が明暗を分けたが、ゲーム展開を見ると、そんな数値は度外視して見応えのある80分だった。おそらく、いつものように、ボカはそこまでラックスピードに拘らない、重量感のあるアタックを仕掛けてきた。数値もそれを物語る。
【ラックスピード】
RSA NZL
53% 0-3sec 68%
25% 3-6sec 28%
22% 6-- sec 4%
だが、このスタッツには「但し」が必要だろう。
ファーストトライも然りだが、この日のボカは、明らかに自分たちのモメンタムというものを、明確に意識してゲームを進めてきた。もちろん、ここには一人一人の接点の強さがベースにあるわけだが、目に見えないハイスピードラグビーではなくても、自分たちのテンポをしっかり創り出し、流を殺さない攻撃でフェーズを重ね、黒いジャージーに強烈なボディーブローを打ち込んできた。
このチームの信条は「力任せ」かも知れないが、この日のボカは力任せだけじゃない、攻撃の流れを殺さないアタックでインパクトを残した。
敗者も良かった。元神戸の住人デイブさんにとっては就任初黒星となったが、黒星の中ではベストの負けっぷりと感じた。上記したラックスピードでも判るように、敗者はスピードで、怒れるパワー軍団に立ち向かい、7点差まで迫った。
兎に角、好機を作れば、スピード感を持って、大きくボールを動かし、ゴールラインを狙う。このカードでは尚更なのだろうが、スピードなくして勝利が無いような展開勝負。80分間の中で、数回は「リッチーがいたら、どうだったか」と感じながらの観戦だった。
ココも、少々数字を紹介。
RSA NZL
93 pass 248
103 carry 154
287 run m 494
1:2.7 Kick raito 1:10.8
兎に角、黒いジャージーが80分間走りまくっているという数値だが、それでもボカのゲームになった。最後に敗者が追い上げたが、ゲームの印象は2トライ差ほどはあったか。
キックレートも紹介しておいたが、この数字も両チームがどんなラグビーを演じたかを如実に物語る。
この試合、どうやらPOMは元府中の住民チェスリンだったようだが、何かご褒美をあげるなら、町田の住民ジェシーと熊谷の住民ダミアンと感じた。ジェシーの先制パンチは置いておいても、ブレークダウンでの相手のスイープ、クリンアウト、そしてタックルと、あまりボールを持たないプレーで、この2人のワークはかなり効いていたと感じた。
勿論、ラインアウトの勝利、そしてモメンタムを生むアタックをみれば、このチームの「いつも通り」FWの仕事を称えるべきだろが、ゲームを視聴する中では、随所にカメラアングルとプレーの性質から見えるか見えないかという画像で12番と13番を何度も垣間見えた。こういう〝働くミッドフィールーダー〟を観て、欲しがるのは高望みだろうか。
取り留めなく、土曜の試合を書き綴ったが、このケープでの80分を超えるゲームを、9月からのテストで拝みたいものだ。その1試合が、あわよくば桜のジャージーのものであれば最高なのだが。
ケープの試合ばかりとなったが、アルゼンチン・フフイの「8月23日スタジアム」での競り合いはケープと比べると筆、否タイピングが進まないので、すこしだけ。このカード、不思議なまでに競り合う展開になるのでが、往年の勢いはまだまだないのが残念。その中で、まだまだ若手のワラビーズ#14 マックスが、ここまでの〝走り屋〟だけじゃないタックルからのジャッカル、ハイボールと、ラン以外のプレーで急速に進化しているのが印象的だった。
ゲーム以外の話しになるが、ホストチームの国歌斉唱はホームならではの「長いバージョン」を〝フォルクローレ〟調で奏でたのは新鮮だった。浅はかな知識しかないが、おそらくこの北部の都市が、かなり原住民系の人たちも多いのだろうが、いつものオペラ調からのギャップが素晴らしいし、こんなアレンジも聴き応えがある。
