ロス・プーマスの〝出で立ち〟を見て、唸らされた。
直ぐに感じたのはもう一つのフットボールのことだった。
丁度40年前にメキシコを舞台にした、あの「神の手」の戦い。
相手も同じUKを支配する王国であり、さらに4年を遡るフォークランド紛争(ホスト側からだとマルビナス戦争)で一戦を交えた国。
この日、古都サンティアゴ・デル・エステロの、まるでコロッセオのような美しいエスタディオ・ウニコ・マドレ・デ・シウタデスに姿を見せた大型猫科動物たちの纏ったウェアを見れば、誰もが〝もよおす〟デザインだった。
まるでサッカーユニフォームのような半袖仕様のシャツは、ブルーの縦縞シャドーストライプに白の襟首と袖口のステッチ。おまけにパンツは黒というデザイン。メキシコの高地で躍動したあのディエゴが着ていたヤツだ。明らかに40年前の神話、そして44年前の屈辱、同時に北米で連覇に臨もうとするイレブンたちへのオマージュだった。
ゲームは、後半に追い上げをはかりながら〝白い壁〟に跳ね返される展開。最後はもやっとした幕切れではあったが、40年前ほどの〝疑惑〟じゃない。むしろ内容的は、ほぼ互角に戦えている。40年前のような歓喜は果たせなかったが、残り数分で演じた見せ場も含めて、この古都で「楕円球」に集まった市民に伝わるものはあっただろう。
この夜で、新機軸の大会は前半戦を折り返した。正確には、3フェーズのファーストラウンドが終わったと書くべきか。このゲームの数時間前の千駄ヶ谷の80分も然りだが、勝者も敗者も大会のタイトル、順位以上に、「この先」への確認やチェックに関心があるように感じる3週間だった。
皆さん関心があるのは、千駄ヶ谷のゲームかも知れないが、これはあらためて清書することにして、溜息が出るのは日本のスタジアムの貧困さ。否、11人のフットボールは着々と「器」も整えている。楕円のほうだけが、一見〝改革〟が為されているように見えながら、多くのものが着手も大ナタも振るえず、足踏みを続ける。
このサザンラウンド最終戦から、ホストユニオンが、様々なストーリー、メッセージを、工夫されたアイデアを通じて、ファン、ファン以外の市民に伝えようとしていることを学ぶべし。〝事業化〟を謳い、押し進めようとしたのは「主管」側だ。具体性を持ったイノベーションが無ければ、事業を加速するのも難しい。
