リーグワン閉幕を待つように桜のジャージーが動き出した。
この日(6月10日)は、宮崎合宿参加メンバーのお披露目。詳細はJRFUのHPで既に確認された方も多いだろうが、年始にリリースされた55人の候補から顔ぶれ35人が発表された。同時にトレーニングスコッド21人も発表されて、13日からの宮崎合宿に参加する。
今回の35人。4か月前のスコッド以外からは6人が選ばれている。この期間でのリーグワン等でのパフォーマンスが評価されての〝飛び級〟ではあるが、FB上ノ坊駿介(スティーラーズ)のように「ようやく入ったか」レベルのポテンシャルもいれば、PRイジー・ソード(スピアーズ)や、限られた枠に北條拓郎(ヒート)、渡邊晴斗(近畿大④)の2人が初選出されたSH勢など、まだまだ可能性を見極める必要がある素材も選ばれている。
#9は齋藤直人(スタッドトゥール―ザン)以外の3人がキャップ0という異例の若さにはなったが、上村樹輝(スティーラーズ)に関しては優勝シーズンの赤いジャージーのパフォーマンスで十分に齋藤、負傷離脱の藤原忍(スピアーズ)と遣り合える力は証明している。つまり〝1年半後〟は、評価が大きく変わらなければ齋藤、藤原に続く第3枠を、上村を始め、北條、渡邉、そして選外になった土永旭(イーグルス)らが争うことになる。
目先の、つまりこの夏からのテストシリーズの勝ち負けを考えれば、昨秋強烈なプレゼンスを見せたFLタイラー・ポール(スピアーズ)、同じく八面六臂の活躍だったCTBチャーリー・ローレンス(ダイナボアーズ)、そしてNo8ファカタヴァアマト(ブラックラムズ)、CTB/WTB長田智希(ワイルドナイツ)ら経験組、代表デビューを目指すLOルアン・ボタ(スピアーズ)ら〝即戦力組〟のコンディション不良による選外は残念だが、エディーは「多くの選手のコンディションは4週間前後で戻る。ワラビーズ戦辺りまでに代表に入れる選手もいるだろう」と、復帰を待ち侘びる。
ボタに関しては、LOは有り難いことにワーナー、ホッキングスら200㎝クラスが居並ぶ中で、パワー勝負の局地戦では、やはり他のメンバーにはないボリューム感の持ち主。年齢の難しさはあっても、ネイションズCのような対戦相手(来年の本チャンならvsフランス)には使いたい選手ではある。ただし、エディーの求めるジャパンの完成形が実現するなら、ルアンの機動力は疑問になるかも知れない。
35人の中でのノンキャップは10人。RWC2027が近づく中では10人と考えるとやや多い印象を持つが、《主要な顔ぶれ》と捉えると、実はすこし面白みのないほど大変わりのないメンバーでもある。来年のコアメンバーは固まりつつある。むしろ、個々の選手自身のパフォーマンスを基準に考えればリーグワンで〝パーソナルベスト〟とは言い難かったNo8リーチマイケル(ブレイブルーパス)、CTBディラン・ライリー(ワイルドナイツ)ら、本番で上位を倒すには不可欠な力が、どこまで夏のテストシリーズでハイパフォーマンスを出せるかが注目材料でもある。
すこしコラムを構想しているので軽く触れておくが、新しい顔ぶれ(否35人トータル)で注目はSO伊藤龍之介(明治大④)とFB上ノ坊。ここまでの実績では、当たり前の2人だが、会見でのエディーの思い描く戦略を考えると、この2人の存在が更に興味深いものになった。先ずは、そう容易ではないテストデビューを果たせるか。注目のテストシリーズは、尾張でのジャパンXVvsマオリのカーテンレイザーから始まる。
(追伸)
因みに、メンバー会見前には数週間前のエディーの〝不祥事〟に関する謝罪と質疑応答もあった。あまりエディーを擁護する気はないが、一部SNSで触れた通り、個人的な意見では、些細なはなしだと思っている。この日の質疑も、なんだか子供じみた遣り取りと感じた。勧善懲悪空気が濃い。この時代のモラルでは非難されるのかも知れないが、レフの「?」の笛に、チームのために噛みつけるくらいのコーチのほうがいい。取材する側も本当に問題だと感じるなら〝対岸〟から石を投げるような取材はなんだかな――という心象だ。

