(本来、SNSで呟く案件が、深夜に書き進める中で伸びてしまったので、やむなくぶろぐの体裁にしています)
ふむふむ、2試合で平均得点67.6、同失点12。
アジアでは圧倒的な力の差は、しっかりと証明した。実際のゲームを見ても、失礼ながら旧香港はやはりクラブチームレベルだろう。日本にとっては「ここ」が主戦場ではない、ではいけないという2試合だった。
ちなみに、開催地となったカザフスタン随一の都市は、その日本語表記が林立する。元来は「アルマトイ」。カザフ大使館HPでは「アルマティ」となり、イントネーションは「アルマトゥイ」。通信社表記は未だ「アルマトイ」かも知れないが、今回は中継でもなんとなくそう聞こえる「アルマティ」で。イントネーションは「ティ」と「トゥ」の中間なんだよな。
実際、今回のメンバーを見ても、経験値の高い選手に新たな力を入れた編成。ワールドカップへ向けた〝新体制〟の始動という位置づけなら、こんなものかという大会でもあった。
ピッチ上では、このレベルでプレーする意味があるのかと感じさせた松田凛日がトライだけではなく、アシスト、チャンスメークでも圧倒的な攻撃力を見せた。この人、やはり海外でプレーしたほうがポテンシャルは引き出されるだろうな。その一方で、〝若い力〟ではPR藤殊華がインパクトを残した。まぁ、ほとんどの選手がインパクトを残したのではあるが…。
男子日本代表でも強力スクラムで鳴らした久富雄一から、その名は聞いていた。
「僕が見た中では、日本で一番スクラム強い子です。なので、1番から3番に転向勧めましたから」
女子チームのスポットコーチ経験もある〝ドミ〟さんが力説するのを聞いて、かなり信憑性はあると感じていた。明治大-神戸製鋼でHOとしてプレーした高之(現スティーラーズ・チームマネージャー)を父に持つ。しかし、25歳で選ばれたこのツアー、カザフ戦途中出場で初キャップ、この旧香港戦で初スタメンと遅咲きなのは、相次ぐ怪我も祟ったとドミさんから聞いた。
そんな藤さんだったが、「3」を背負ったゲームでは前半終盤のスクラムで、相手トイメンの1番を仰向けにするほどめくり上げる強さを披露。自らトライもマークする〝おみやげ〟も手に入れた。
ちなみに、この第2戦も失点は12点だったが、後半の初失点は、CTB古田真菜の得意技でもある最上のジャッカルをオフフィートと判断されたPK速攻から奪われたものだったが、あれは「自立していない」というジャッジが厳しすぎる。正当な判断なら、日本のPKで自陣からエスケープ出来ていただろう。
すこしチームを持ち上げたが、特に立ち上がりのプレー精度の低さはかなり首を傾げて観ていた。「立ち上がり」だからミスもあるとも解釈出来るが、「このレベルの相手に、あの精度」とすこし厳し目にみてしまう。ムーヴでのパス繋ぎ、ラインアウトと、すこし溜息が出てしまうプレーもあった。
これもカザフ戦後に呟いたが、日本が、もしかしたら男子以上に強みにしなくてはいけないスピードは、このクラスの相手だからOKというレベルだと感じさせられた。というのも、繰り返しになるが、ジャパンが戦わなければいけない相手は、遥かに上のステージにいるからだ。しかも、欧州勢は女子6か国対抗、南半球・北米でもパシフィック4、クラブレベルのスーパーラグビーと、追走する日本より更に充実した強化環境を確保している。
W杯、WXV2で勝つには、やはりスピードは武器にするべきだろう。だが、アジアでの戦いを観るとどうだろうか。
すっかりお姉さんになった新主将のSH津久井萌(とはいえデビューが早いのでまだ26歳)が、ラックに入ってしまうシーンを散見したが、その多くはブレークダウンに辿り着く選手が、日本が理想とするスピードではまだ十分サポートし切れていない印象だ。松田凛日がタッチ際を駆け抜け、内に切れ込んだプレーも何度も観たが、上位国にスピードでプレッシャーを掛けるためには、その内に切った後のラックに、もっと周到に準備されたサポート選手が駆け付けている状況を用意出来ていなければ難しいだろう。
冒頭の少し乱暴な書き方も、このアルマティの2試合も、相手にカザフや旧香港ではなく、イングランド、ニュージーランド、カナダらをダブらせながら観ると、どうしても粗が目についてしまうものだ。
この2試合で感じたのは、このアジア最強トーナメントについては、日本は女子版ジャパンXVやジュニアジャパンで十分だろう。もし、選手やスポンサーへの配慮で「テスト」と扱うならそれもOKだが、実質ここから代表に挑んでゆくセカンドチームでの参戦で十分だと感じながらの観戦だった。理想としては、カザフ行きではなく欧州やオセアニアへのエアチケットが必要だろう。
この上位国との格差については、すこし警戒して世界の流れを観る必要があるだろう。敵地でオーストラリアを倒した2022年シーズン辺りをピークに、日本は徐々に世界トップの争いからは後退が続いていると、個人的には感じている。「WXV」というありがたい大会も2シーズンを終えたが、日本は未だ〝ディビジョン2〟であり、よりプロ化を推進するトップネイションズとの格差を埋めるための有力な材料、環境は十分とは言い切れない。
その一方で、カザフ戦の後にも少々触れたが、このアジアの2か国の競技力を引っ張り上げるには、日本が手を差し伸べる義務もあるだろう。2度目の〝祭典〟を呼びたいのなら尚更だ。
アルマティでの2試合160分。オンラインでの観戦で、頭に残ったのは、更に入ステージでの強化の必要性と、アジアへの眼差し。随分と性格の異なる2つの宿題が残された大会が終わった。
