皆さん、昨夜はオオタニさんの大活躍に大はしゃぎ?
こちらはハミルトンとシドニーの計160分を満喫しました。
今週はSRPに6Nも開催ながら、国内(D1)が順延開催1試合のみと、恐怖を感ぜず過ごせそうな中で、南半球から週末がスタートした。
最初のキックオフはハミルトン。ゲームは3節修了で1敗のホストと1勝のヴィジターという成績通りの展開になってしまった。
敗者が余りにもイージーにラインブレークを許し、格差を印象付けた試合になったが、それを差し引きながらも勝者の流れるような(いい意味で)アタックラインが印象に残る80分だった。
このラインアタックのキーになったのが、ホストチームの強みとするスタイル。しっかりとコンタクトで体を当て、そのひたむきな繰り返しから防御ラインにスペースをクリエートして攻撃ラインで突く。最終的にはタッチ際でゴールラインを割ってスコアするラグビーを貫いた。
先ず目を惹いたのは#12クィン・トゥパエア。自身の先制トライはご愛敬ながら、次のトライでは中盤での左展開での好判断のパスでラインブレークをアシストすると、TMO→幻のトライ直後のチーム3本目のトライでは左サイドへの好オーバーラップでアシストした。
ABsキャップは24と若手→中堅へとステップアップしようとしている立ち位置に居るミッドフィールダー。日本では黒衣の〝予備軍〟としての来征でお馴染みの選手でもあるが、自分自身がどう走ればBKラインでボールが動くかを考えたプレーが光る。アントンが神戸に引っ越したが、この熟成への入り口に近づいている#12の成長が、コアメンバー離脱のリスクを最少のものに留めている。
そのクィンが中心に立つアタックラインを見ると、1stトライをフラットなラインへの飛ばしパスで奪うと2ndトライは見事なバックドアで仕留め、さらに3本目は再び浅いラインでの飛ばしパスと、状況に応じて柔軟にアタックをモディファイしながら、美しくデザインされた攻撃でモアナを叩きのめした。
褒め称えた#12以外にも、幻のトライにはなったが、華麗なスワーブから1度はトライのジャッジとなったランを見せた実績十分の#14エモ二・ナラワ、独特の(チームオーダーだろうが)内側のポジショニングからチャンスボールへ駆け込むプレーが光ったパリ五輪代表#11レロイ・カーターと危険なBKが並ぶ。先に触れたアントンと共に船橋へ本格的に引っ越したショーンと主力が抜けても、戦力ダウンを感じさせない強さを印象付ける。
昨季はプレーオフ目前の7位まで浮上した敗者だが、アントン同様神戸へ戻ったアーディーらが抜けて、再び苦難のシーズンを迎えている。#9には、日本のファンには懐かしきオーガスティン・プルがモアナデビューを果たしたが、気の利いた50/20を狙ったキックやジャッカルを見せる一方で、動きのシャープさでは年相応なパフォーマンスでもあった。
敗者でインパクトを感じさせたのは、FWでは#8セミシ・トゥポウ・タイロア。22歳の若手だが、とにかく縦の勝負に圧倒的に強い。自身のトライは、レフのチーフス#9ラティマへの〝オブストラクション〟に助けられたが、真っ向勝負は185㎝、113㎏のサイズを遥かに上回る破壊力を持つ。今風の機動力の高いBRではないが、まだ馬力系のパワー・エイトが欲しいチームにはもってこいだ。
そしてもう1人が#15グレン・ヴァイフ。メルボルンでプレーしていたようだが、チーム消滅後はリーグ・チームを経て昨秋に日本の丸和入り。すでに公式戦でもプレーをして、オフにモアナに参加中という選手だ。まだ24歳と若手だが、この劣勢のゲームでも、アタックシーンで自らのボディーターンで2度防御をかわして1回はトライに繋げた。ターンのボディーバランスと、ターン後の加速力はアタッカーとして可能性を秘める。
金曜の〝第2試合〟も、初戦に続きワンサイドの惨劇になった。このゲームを悲惨なものにしたのは、ハミルトン同様勝者のアタックと言いたいところだが、一重にホストである敗者の防御に尽きる。
兎に角、「点」で戦えたとしても線ではザルの防御では話にならない。期待した日本代表主将がワークを見せる前にボールがインゴールへ運ばれるようなゲームに終始した。勝者も幾つかの脆い防御を見せたが、それも薄らぐほどのホストチームの穴だらけの防御は、システムの再構築が必要だろう。
その中で個人にスポットを当てると、敗者の#11、お馴染みのMaxの脚はこの日も輝いた。30分のトライは、パスを受けて左隅にグラウンディングするだけのシンプルなものだったが、あの相手防御が正対して左サイドはタッチラインという間隙でインゴールに潜り込めるだけで非凡さを印象づける。このゲームは後半フルボッコという展開だったが、その中でインタセプトから2本目のトライを決めたのも、やはり「持って」いる。これで3節で6トライ。以前にも触れたが、今夜エディンバラで戦う、ステージの異なるブルーのシャツの#11とのトライ競演が楽しみだ。
まだ第3節たけなわのSRPだが、序盤の印象だと、上位争いの常連、ハミルトンの完成度が高く、ウェリントンも善戦、そこにタスマン海を挟んだライバルたちの中ではキャンベラが頭一つ抜けている。ここに、昨季のようにジワリとクライストチャーチが浮上してくるのか、はたまたオークランドの覚醒はあるのか。こんな展開で、シーズンは秋口へと進んでいく。
