会見に参加したのは左から西村弥部長(やはり政経学部教授!)、高野新監督、神鳥監督 

 

 

オールブラックス次期HC発表と時を合わせて? 紫紺の監督も就任会見を開いた。

 

こちら、すこしややこしいのは現状の高野くんの肩書きは「HC」。つまり明治大は監督・HC2頭体制でここまでやって来たのだ。で、今回は神鳥裕之監督が今月末で退任して、高野くんがHCから監督に就任する。

 

新監督本人も、所属先のスピアーズ率いるフランさんは「HCがいて監督というのは理解してないと思います」と苦笑したように、現行の国内チームでは、あまり見かけない体制ではあるが、グラウンド内外で様々な向き合い方が求められる昨今の学生スポーツ事情を考えると、管理者としての「監督」とグラウンド上での指導に重きを置く「HC」を分けるのは比較的理に適った人事でもある。ちなみに、現状〝空位〟になるHCを置くかは、これからのアシスタントも含めたコーチ人事をお待ちあれ。

 

で、高野彬夫新監督だ。

 

一時は、後継者として23年にコーチングスタッフ入りした杉本晃一ACという声もあったが、今季限り所属先のトヨタへ戻ることになった。会見では、新旧両監督から、1年前のオフには決まっていたと説明があったが、神鳥監督は「学生チームをまとめていく人材はそういない。ラグビーを教えるだけなら、多くの優秀な指導者はいるが、学生のメンタリティーだとか、人間的な成長の部分であったりとか、そういうところも含めてしっかり指導できる人材が後継者として少ない中で、高野新監督と出会えたことは一番大きかった」とエールを贈った。

 

大学名と1月の結果をみれば、誰でも重圧を感じる仕事を実質スタートしている新監督は、こんな就任挨拶をしている。

 

「神鳥さんを日本一にして送り出そうという思いでやってきて、それを実現出来たのが嬉しい。いろいろな人にプレッシャーになるんじゃないかと言われるが、私としてはこんなありがたいことはないなと思っています。常々学生にはチャレンジしろとかエラそうなこと言ってますので、僕も一つの大きなチャレンジになりますけれど、何より明治大学とラグビー部のために全力を注ぎたい」

 

この名門大学ラグビー部については、先月のタイソンくんに続き今月目処にもう一本コラムを構想中。そのため高野新体制については後日あらためてコラムを考えているので、今回は、すこしだけ触れておこう。今回の会見についての諸々は、各メディアの記者諸兄が健筆を振るってくれるだろう、たぶん、おそらく、きっと…。

 

 

会見場は八幡山ではなく駿河台。トイレの貼り紙もさすがである👍

 

 

接点は、勿論彼が奈良県天理市から世田谷区八幡山の住人になってから。とりわけ、まだまだ「最強」を取り戻そうとしていた時代だ。在学時代のチームの成績は

 

対抗戦    大学選手権

 3位  1回戦敗退

 4位  2回戦(プール戦)敗退

 3位  2回戦敗退

 4位  1回戦は至逢

 

ライバル早稲田大が清宮克幸監督の下で猛威を振るっていた時代に、このライバル校は指導体制の紛糾などによる低迷から、なんとか再起を図る真っ只中の時代だった。そんなチームの中で、天理仕込みのタックルとボールを動かすパスワークで、チームを引っ張り続けたのが高野くんだった。

 

記者時代の当時は会社からは早稲田だ清宮だと日々注文が来ていたが、監督人事も不安定さを残す中で、なんとか紫紺の威光を取り戻そうとした真摯な姿が印象深く、必要以上に八幡山で、このリーダーの話を聞いた。クボタでの挑戦でも、会えば声を掛け合う関係で取材を続けてきた。

 

派手なプレーや言動ではなく、常に実直で飾らない性格は、プレー面にも表れていた。当時既に決して大型とは言えない体躯で体を張り続け、個人技よりもBKラインを生かすパスでチームを支えた。他人を押しのけてスポットが当たる場所を求める選手、コーチもいる中で、この脚光よりも本質を求めるようなタイプのミッドフィールダー、コーチが、大学屈指の素材が集まる名門軍団をどんなチームに作り上げるかも興味深い。

 

会見で新監督として何に拘るのかを聞くと、こんな話をしてくれた。

 

「神鳥監督が凡事徹底という言葉を掲げられていたが、僕も久しぶりにスポットコーチで明治に戻った時に最初に目に入ったのが、A4の紙に書かれていたのを見たのが記憶に残っています。それが結局神鳥体制での5年目でこういう結果に繋がったと思っていますので、小さい事を積み重ねる大切さを学生にも説いていきたい。ラグビーだけじゃなく生活もそうですし、学業も同じように積み重ねる大切さを教えていきたい」

 

すでに、チームは月曜日から連覇への再始動を切っている。近く、主将人事や、スローガンも発表されるだろう。選手層では引けを取らない〝赤井旋風〟や、2季連続で頂点を獲り損ねた〝アカクロ〟のライバルと、居並ぶ捲土重来を狙う障害物をどう乗り越えて、再びピナクルに辿り着けるのか。新生紫紺の新たなチャプターが楽しみだ。