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フィジー戦およびここまでのエディージャパンの戦いぶりの〝おさらい〟を、ようやくアップした。

 

言い訳がましいが、9月24日に開かれた日本協会首脳とメディアの懇親会にエディー自身も参加することもあり、すこしアップを遅らせていた。コラムでも触れたパス回数やスリーパスについて、すこし踏み込んだはなしを聞きたかった。加えて外国人〝隠し球〟選手に関しても、リーグワン数チームに確認したい部分もあったので、いつもルーズなアップがさらに遅れてしまった。編集サイドでは、オオタニサンの猛打ぶりも影響した。

 

 

 

 

 

コラムのヘッドラインは、記事内容の時系列に沿ったものだが、エディーの「世代交代」への言及はすこし取材側の捉え方を超えたものだった。そもそも質問したN紙のラグビー担当記者は、若手とベテランをどんなバランスで使っていくのかという趣旨の質問をしている。つまり、若手の起用をネガティブに見ているわけでもないし、その逆でもない。読者の多くが感じている、ここまで代表で中心選手として活躍してきたリーチや松島幸太朗、稲垣啓太らが、これからプレーするのかという「問い」を代弁することも踏まえたた質問だった。この質疑を見ている側の第3者からすれば、エディーがすこし過剰に反応しているようにも感じられた。もし、それが正しければ、エディー自身が若手、ベテランの起用方法に少なからずナーバスになっていることにもなる。

 

ただし、コラムでも書いているように、若手やベテランが何人入ろうが、それが目先のものであれ、3年後であれ、勝利を目的にしたものであれば、目くじらを立てるようなものでも文句をつけるものでもない。

 

その一方で、コラムの文末に書いたように、若い素材にいいケミストリーを与えることは重要でもある。もちろん、そのためのリーチマイケルであり立川理道でもあるのだが、若い選手ばかりのいわゆる〝仲良しグループ〟だけ固まって進化を試みるよりも、国内リーグを見渡せばかなり潤沢に揃う好素材を、可能性を秘めた原石にぶつけることによる化学変化はかなり楽しみでもある。下川甲嗣や今季初キャップを掴んだ桑野詠真が、ルアン・ボタの容赦ないフィジカルやラピースの職人技のジャッカルを目の当たりにし、直接遣り合うような経験を連日積める環境が作れれば、彼らの進化をかなり促進させることになるだろう。

 

厳しい現実を踏まえる必要がある。今シーズン敗れたフィジーにしろ、ジョージアにしろ、代表の「別動隊」であるドゥルア、ブラックライオンズが着々と代表選手層に厚みを加えている。しかし、サンウルブズで彼らの前例を創った日本に、そのような環境はない。そして、近いうちに新たな環境が作り出せる見込みもない。その穴をどう埋め合わせて、世界トップ10、トップ8にキャッチアップしていくのか。

 

エディー体制が発足してまだ1年に満たないが、水面下では、この野心に満ちた指揮官が画策する強化策、強化プロジェクトの提案に、協会側がだいぶ手を焼いているような状況に陥りつつあるようだ。だが、悲観する必要はないだろう。これもエディーにとっては、いつものことだ。摩擦があって熱量が生まれる。様々な試みの中で、試行錯誤の末にベストないしベターな選択が出来れば、それが選手とチームの進化になるのだから。

 

2027年だけを見据えると、代表強化のための新たな環境作りを構築する時間はほぼ残されていない。例えば、ここからサンウルブズないしそれに準ずるチームを結成したとしても、スーパーラグビーやヨーロッパの強豪リーグへの参入はおそらく2026年以降が妥当だろう。強化に役立つほどの時間は確保されないことになる。最悪、単独チームとして様々な大会や個別にマッチメークするとしても、強化に見合う相手との試合をある程度確保できるかは流動的だ。1つ望みがあるとすれば、JRFUがパートナーシップを結ぶNZ、RA、イタリア協会との連携でマオリ、オーストラリアAや、それぞれの地域代表、クラブとの緩やかなリーグを創ることだが、実現にはそこそこの腕力が必要だろう。

 

そうなると、今年1月から続くエディーやエディー体制が、アンダーグレードの代表チームにも手を目をかけて強化を促す、従来同様代表合宿に若手を積極的に招集することが精一杯となるが、いわゆるシニアチームの強化の加速に、なかなか本腰が入れられないような状況が続く可能性もある。

 

「投資」と「実利」のバランスを、どう上手く取っていくか。この命題を上手く乗り越えていくためには、エディーと同時に、強化マネジメントに携わるスタッフのクリエーティビティーが重要になる。良し悪しは置いておいて、現状の代表周辺は土田雅人会長を中心に「グループ壽屋」の面々がコアを形成する。融通や組織内の風通し、コミュニケーションは間違いなくいいはずだ。この一体感、連携力のあるチームが、どこまで世界に追い付くほどの強化を一体感を持って推進できるのか。

 

傍観する側は「やってみなはれ」の面持ちで見物といきたい。

 

 

(追伸)

コラム内ではパス回数のスタッツについても文字数を割いたが、パスが多ければいいという主張ではない。当然のことながら、パスが多くてスコアが少ないチームであれば、ボールを回しているだけで有効なアタックが出来ていないことになる。

 

その一方で、エディージャパンのラグビーを観れば、やはりパス回数がチームのスタイルには強く関連付けられる要素だと考えるべきだろう。だからこそ、HBのゲームをオーガナイズする能力が重要になる。現状、インサイドCTBにもラン、キャリー能力が求められると解釈すると、#9、10のボールドライバーとしての役割はさらに重きを増すことになるだろう。