イタリア戦のおさらいは、夏の全5試合、23日のエディーによるシーズン総括会見もひっくるめたものとして書いた。

 

 

毎試合「超速」は最初の15分、20分で失速というパターン。加えて最後のイタリア戦では、あまりに単調なアタックに終始したのは不安材料だが、当面は〝生みの苦しみ〟に付き合うしかない。

 

同時進行で考えないといけないのはセレクションだろう。若手育成は協会を挙げてのテーマであり、新指導者選考の大きな焦点でもあった。エディーも、極論すれば勝敗度返しで〝投資〟を続けるが、そこも苦闘に影響している。

 

議論もあるだろうが、世代交代はどんな代表チームも避けては通れないテーマでもある。ただし、代表チームを使って投資をするのか、投資のための別の機関(チーム)を編成して行うのか…。ここらは、それぞれの協会、代表チームの予算、人材、所属チームやリーグという環境を鑑みて進めていくしかない。

 

8月に待ち受けるPNCは、総括会見の段階で渡仏するSH齋藤直人、35歳以上のFLリーチマイケルの不参加は指揮官自ら名言している。幸いなことに(?)プール戦を戦う北米チームは、サマーシリーズより力の落ちる相手のはずだ。ここで、「超速」というスタイルで勝ちきる感触を掴んで、秋へとステップアップできればという目論見だが、果たしてそうなるか。おそらく、フィジーが勝ち上がって来ると思われるファイナルのゲーム内容が、チームの進捗具合の〝物差し〟になるだろう。

 

コラムの後半は個人的な推論となったが、夏の5試合を観て、その思いが強くなったのは否めない。ゲームをしっかり組み立て、コントロールすることが、いまの若いジャパンが勝つには必要だ。

 

現在選外のベテランを呼び戻すことが、イコール2027年のメンバーを保証するものではない。いま、呼ぶべき価値があるのは、その経験値、そして戦術眼を、いま10番候補として選ばれる選手たちが目の当たりにすることで、ゲームや勝敗以上の学びがある。そこを盗み、身に着け、実力でメンバージャージーを掴んだときに、本当の強化が成功したことになる。

 

才能を競わせるべし!