昨日に続き〝超速の申し子の〟の第2弾。

エディーの唱えるスタイルで可能性を秘める2人を敢えてピックアップした。

 

 

 

 

ティアナンについてはコラムに書いた通り。

昨年12月のゲームで、あの足に魅せられた。もちろん、スピードが免罪符にはならないポジションだ。本人も自覚する通り、フィジカルでどこまで戦えるかは、大きなハードルだろう。もし、そこを乗り越えれば、超速時代のレレイマフィに化ける可能性を秘める。

 

コラムの並びとは前後したが、もう一人はお馴染みのファンタジスタ。個人的にはボールを持つ機会が多いポジションがベターと考えるが、しんがりでどこまでフレアを見せられるか。現専務理事時代からジャパンの課題と考えてきたのは、彼らのような天才肌の選手がチームに馴染むのではなく、あの才能にチームがどこまで反応できるか。相当突拍子のない発想ではあるが、そんな絵空事が実現すれば、かなりファンタジックなチームが出来上がる。

 

当初の予想よりも行数が伸びたのは、やはり練習メンバーの大学2年生のせいだ。

 

U20日本代表は、彼らのためと同時に、ジャパンの未来のためにも7月のエディバラで1位がノルマだ。絶対的なエースを連れていきたいのは誰でも考えることだが、例えメンバー外であっても、彼の将来を考えればレッドローズ、オールブラック、ル・ブリュ、そしてトゥイッケナムでの再戦を体感させることが、その成長曲線を遥かに上向きにさせるはずだ。彼の成長は、すでにその領域に達している。松島幸太朗の欠席枠を、同じ桐蔭学園の後輩のための未来への投資に役立てる価値は十分にあるだろう。

 

 

 

 

ハナシは10代から30代に戻るが、コラムでも書いた35歳の思い描く3年後のジャパンに、さらに(勝手に)付け加えておこう。

 

彼が名指ししたジェイコブは、来日1年目のパフォーマンスを見て、ラグビーナレッジは、すでに脚光を浴びていた柏から来た少年を遥かに上回るものがあった。シーズンを重ねて見えてきたハードルは、反則の多さ。ここは、インターナショナルでは致命傷に成り兼ねない。晴れてエリジビリティ―を克服した後に、どこまでディシプリンで自分をコントロール出来るかがチャレンジになる。もう1点、注文があるとすれば、このポジションにしては「痛がり」なことか…。繰り返すが「ラグビー感覚」は申し分ない。

 

理想を言えば、〝超速〟へのマッチングは「?」ながら、世界のトップ8と遣り合うためには、分厚さと重さで戦えるリアルLOを1枚揃えたい。具体的に名前を挙げれば、船橋の暴れん坊ルアン・ボタだ。エリジビリティ―が「36か月」という時代に代表入りの可能性があったが、一瞬プレーしたロンドンでの記録が引っ掛かり、「60か月」の遠回りを科せられた。年齢的にもギリギリではあるが、あの体を張ったボールキャリーができるセカンドローはなかなかいない。ワークレート、献身さなら同僚の南ア人だが、ジャパンに足りないものはルアンが持っている。

 

3列に関しては、誰もがご存知なように、なかなかの分厚さがある。現行メンバーに現在代表から離れる代表No1タックラーのラピース、23年フランスの主将らを加えると、かなり満杯という顔ぶれだろう。宮崎の実質2日間の実戦形式で目を引いたのは、現状FW最小の男、山本凱の相変わらずの鋭いタックルだが、このサイズは何度も合宿には呼ばれる中で、最後はサイズで落選させられる位置に立たされる。そこを覆すプレーを、チャンスが与えられそうな今季、しっかり見せられるか。日本のクワッガ・スミスへワンステップ上がれるかに期待しよう。個人的には、飽和状態の中でもし3列に1枠作れるなら、三重から熊谷に越してきたアフ・カウポウリに与えたい。

 

SHも3列同様、概ねで揃っている中で、忘れてはいけないのは福田健太。そのポテンシャルは〝超速〟でさらに生きる可能性がある。実績を積んできた齋藤直人、すこし遠回りしてしまったニューカマー小山大輝と近い位置に立つ。そこに、もう一回り体の厚みを着ける必要がある新鋭・藤原忍、そしてU20勢が追走する状態だろう。